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聞き役ばかりで、二倍疲れています



Q: 周りの友人は話をする時にいつも自分の話ばかりします。
「聞いて私さぁ」から始まり、私が何か言っても「いやいや私なんてさぁ」と結局自分の話ばかりです。
退屈だなと思っても勝てる話術もない私はいつも聞き役に徹していますが、二倍疲れている気がします。
どうして自分の話ばかりするのでしょうか。
話を聞く側のことを考えたことがないのでしょうか。販売員さんはどう思いますか。
(24歳/女性)




 


A: あなたはやさしい性格なんだと思いますよ。
だからきっと皆が「他の人は聞いてくれへんけどあの子なら聞いてくれるわ」って寄って来る、話しやすい人なんだと思う。


確かにあなたの言うとおり、その友達は聞く側のことは考えてないかもしれない。
そこで少し友達の話を聞く時の気持ちを変えて、聞き役に徹してみたらどうかなぁ。
楽しんでみればいいんじゃないかな。
よく昔から話し上手は聞き上手と言うでしょ。


例えば自分がファッションに興味がないのに相手が服の話をしているとして。
「どうでもええわ、ピンクであろうが黒であろうがええがな!」って思っていてもですよ。
「なるほど今ピンクが流行ってるのか」「こんな昔風のメイクの仕方があるんか」といろいろな情報が得られて自分が 一つ賢くなる、
そうメリットとして考えたら相手の話を聞くのが楽しくなるじゃないですか。
聞いてあげると相手もスッとするわけですよ。


僕らはビッグイシューを売って営業をしてるけど、営業マンのテクニックの一つに、相手の話を引き出して気持ちよくさせてから商談を行う、心理学でいう「ラポール〜心の掛橋をかける〜」というのがある らしい。


話を引き出すっていうのは難しいんですよ。
話を弾まそうとしたら、「それでどうしたの?」「それはどこなの」と話をつながないと広がっていかへんでしょう?
僕は人見知りするんで初対面の人とどう話したらいいかわからない、きっかけがつかめへんことも多い。
というのもそれは相手の情報がないからで、どうしたらおもろい話になるかもぜんぜんわからへん。
誰にでもスッと話しかけて友達を増やしていく知り合いがいるけど、すごいうらやましいよ。
そいつの真似をしたいけど、なかなかできへん。


聞き上手、引き出し上手になったら、これからいろいろなところでプラスになると思いますよ。
今はその訓練をしてると思って、入ってくる情報も拒否せずに知らないことは「それってどんなの?」と、どんどん質問していったらいいんじゃないかと思います。
そうすることであなたの人間の幅も広がるし、ひょっとしたらその中に自分にとって宝物になるような情報があるかもしれへんよ。
(回答者/大阪/N)


(THE BIG ISSUE JAPAN 65号より)