(2012年5月1日発売、THE BIG ISSUE JAPAN 第190号より)





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台湾、フェアトレードキャンパス(公平貿易校園)の試み



08年、台湾大学にフェアトレードのコーヒーショップが誕生した。学内でフェアトレード運動を推進しようと考えた学生が、フェアトレード店「生態緑」に出店を依頼して実現した。台湾初のフェアトレードキャンパスである。

コーヒーの他にお茶も販売している。経営的には楽ではないが、飲食店の入れ替わりの激しい学内で4年目を迎えた。「目的は売り上げより、フェアトレードの精神を広めることです」と「生態緑」の余宛如さんは話す。

台湾で初めて国際フェアトレード認定組織FLOの会員認定を受けた「生態緑」は販売だけでなく、講演などを通じて、貧困層が搾取される社会構造を変革していく運動を行っている。だが、学生は卒業してキャンパスを去っていく。精神をどう継承していくかが今後の課題だ。

最近、輔仁大学がフェアトレードショップの開店を計画中だという。学生自身が運営することで、運動に広がりが出るのではと期待されている。

(森若裕子/参照:女性電子報、生態緑blog)