103人生相談





背が低いし短気。そんな性格に悩んでいます



体力がなく、背が低いのでいじめられます。しかも短気です。たとえば、前から人が来てもぼくからよけたくないと頑張ってしまいます。でも、実はいつ殴られるかなと思ってたりして、本当は心配だったりするんです。こんな性格、どうしたらいいですか。
(男性/10代)





ぼくも子どものころは、ちっちゃかった。母親がよく言ってたなぁ、「小学校に入ったときで、やっと1メートル2センチ。並んでも前から2番目」って。でも、低学年のころはあんまり気にならなかったなぁ。高学年から中学に入って気にするようになったね。

背の高い子に「なに食べてる?なに飲んでる?」って聞いてた。少しでも大きくなりたいから、「牛乳飲んだらいい」「鉄棒にぶら下がったら伸びる」とか聞いたことは全部試した。

牛乳はね、あんまり好きじゃなかったけど、中学校のときは強制的に飲まされたもんだよ。朝学校に行ったら、教室の前に牛乳屋さんが人数分ちゃんと置いてるんだ。そのおかげか、ただの成長期か、身長はそのころに一番伸びたね。高校入ってからはとまっちゃったけど。




ぼくも背がちっちゃいことで「バカにされてるんじゃないかな」とか、そういう感覚はあったなぁ。野球やってたんだけど、背はやっぱり大きい方がいいと思ってた。球も速くなるし体力的にもね。

だけど、ちっちゃいからっていじめられたことはなかったな。僕の場合、足が速かったんだ。リレーの選手にもなったぐらい。だからその点でカバーできたし、多少は認められたよ。

もし、君に体力がないんだったら好きなことに打ち込む。やりたいことがあるんだったら、そっちにエネルギー使ってみる。まずは今の自分だったらどこまでやれるかなって、考えてみたらどうかな。

人よりちょっとでも得意なものを探してみたり。ちっちゃいからと努力していれば、きっと違う自分が見えてくると思う。




若いころってカッコつけたいときじゃない、実物大以上に自分を大きく見せたいっていうのかな。ぼくも弱いくせにプライドだけは高かった。

コンプレックスって取り除くことは難しいけれど、30代ぐらいになったらわかるようになるよ。「あ~、あのころはアホなこと考えてたな」ってね(笑)。

(大阪/T)




(THE BIG ISSUE JAPAN 第103号より)