東京電力は2023年8月24日13時、福島第一原発のALPS(多核種除去設備)処理汚染水の海洋放出を開始した。「関係者の理解なしにいかなる処分も行わず、ALPSで処理した水は発電所敷地内のタンクに貯留する」という漁業者との約束を反故にしての放出。全漁連や福島県漁連は依然として反対の中、漁業者や地元・福島県の人々からは、怒りと落胆、不安の声が相次いだ。
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大規模な環境破壊「エコサイド」を国際犯罪化する動きとその課題
欧州議会は2023年3月、大規模な環境破壊「エコサイド」を、ハーグにある国際刑事裁判所(ICC)で訴追可能となる犯罪とみなすEU法案修正を承認した。エコサイドが、戦争犯罪やジェノサイド(集団殺害犯罪)と同様に、EU法に明文化される可能性が高まった。エコサイドの犯罪化を提唱する人たちは、この動きを歓迎しつつも、実現までの道のりは長いことも認識している。こうした動きを踏まえ、エコサイドについて知っておくべきことをまとめてみよう。
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写真入り身分証の提示義務、社会的マイノリティを犠牲にして得られる「信頼性」とは?
英国では2023年5月4日以降、不正投票を防ぐため、投票時に写真入り身分証(運転免許証やパスポートなど)の提示が求められるようになった。この新しい規則により、民族的マイノリティやホームレス状態の人など、身分証を持つことがむずかしい何百万もの英国市民が投票権を失うおそれが出ている。続きを読む
10月1日発売の『ビッグイシュー日本版』464号、表紙&特集「わたしたち、弱いロボット」、スペシャル「リタ・オラ」
家のない人の数が過去最大になってしまった英国の現状
英政府の発表によると、簡易宿泊所(宿舎、ホステル、B&Bなど)で生活している人の数が、1998年の統計開始以来、最大に達した*1。2023年3月の統計で、10万4,510世帯(13万1千人の子どもを含む)が、簡易宿泊施設で生活していることが明らかとなったのだ。デ・モントフォート大学教授で住宅・社会インクルージョンを専門とするジョー・リチャードソンが『The Conversation』に寄稿した記事を紹介する。
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ビッグイシュー出張販売レポート/コープこうべ主催「地域つながるフォーラム」で持続可能な社会づくりを考える
有限会社ビッグイシュー日本では、企業や各団体が主催するイベントで雑誌『ビッグイシュー日本版』の出張販売をさせていただくことがあります。
今回は、JR住吉駅の販売者・Iさんと六甲道駅の販売者・木下さん、ビッグイシュー日本スタッフが、生活協同組合コープこうべ主催「『つながり』から考える持続可能な社会づくり 地域つながるフォーラム」へお伺いしました。
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中電、山口県と上関町に調査提案。中間貯蔵施設を上関原発計画地に建設!?
中国電力(以下、中電)は8月2日にプレス発表を行い「使用済燃料中間貯蔵施設の設置に係る検討を進めること」を明らかにし、中電の大瀬戸聡常務執行役員は上関原発計画地で立地可能性に向けたボーリング調査を実施したいと山口県と上関町へ申し入れた。この建設は関西電力と共同で行うという。
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過激で有名な環境保護団体、マイルドな活動も始めるーーエクスティンクション・レベリオンの方針転換
避妊や中絶を阻止しようとする勢力が拡大中ーー米オレゴン州クリニックのいま
米連邦最高裁は2022年6月下旬、人工妊娠中絶を米国の憲法で保障された権利として認めない判決を言い渡した(ロー対ウェイド判決*の逆転)。これにより、各州は独自の州法で中絶を禁止できるようになり、中絶や避妊への監視プレッシャーが高まっている。続きを読む