実の両親と二世帯同居を始めて7年目。共働きで子どもが2人います。65歳になる母と私は、血がつながっているがゆえに、遠慮がなく衝突してばかり。この間は出勤前の忙しい時間にテレビやスーパーで売っていた野菜の話など、どうでもいい話を始めるのでケンカ。母は定年まで勤め上げ、働く母親の忙しさを知っているはず。今後もこの調子だとホント疲れます。(女性/39歳/会社員)

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この質問を読んで、このお母さんは忙しさのあまり、思いつめてしまっているんじゃないかって、心配になった。僕も多少そういうところあったから。僕はたとえ親子でわかり合ってるつもりでも、ホントのところは声に出さないと伝わらないし、そこには思いやりの気持ちも必要なんやと思うねん。

今思うと、去年の夏、ホームレス・ワールドカップでイタリアに行く前までは、僕ってすぐイライラしてた。雑誌を売っている横で、ティッシュを配られたり、演説の車が通ったりしたら、邪魔やなって。でも今は、みんなも生活があるし仕方ないなって思える。

というのもイタリアの人ってすごく人懐っこくて、道を譲っただけでも「グラッチェ」ってお礼を言ってくれたり、バスの中で棚から荷物を降ろそうとした時も、気軽に手伝ってくれようとしてくれてね。ありがたかったけど、僕らそんなん慣れてないから断ってしまった。そしたらすごく怪訝そうな顔をされてね。向こうって、困っている人がいたら声をかけるのが普通なんやろうね。

今このお母さんに必要なのは休養なんじゃないかな。しんどかったら、人に甘えていいねん。おばあちゃんもお母さんに何かを言い出したくって、他愛のない話をしている気がする。おばあちゃんにとっては、お母さんはずっと娘。どんな時だって、優しく手を差し伸べてくれるで。

休養といっても特別なことをしなくていいと思う。朝食やお弁当を一緒に作ったりして、手を動かしながら、口も動かせば一石二鳥。家族で時間をつくって、お茶でも飲んで団らんにあててほしいな。

(大阪/Mさん)

 

(2010年1月1日発売、THE BIG ISSUE JAPAN 第134号より)





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