草郷さんの講義から(4)を読む


関西大学社会学部教授の草郷孝好さんの講義のなかで行われた、市民によるワークショップで出てきたアイデアと、関連するビッグイシューの特集を紹介します。



 *この記事は、地域の課題解決を担う人材を育成することにより地域の魅力を高め、地域の未来を創造していくことをめざした「とよなか地域創生塾」の公開講座の2回目「幸せな地域社会をめざすアクション・リサーチの試み~市民協働と信頼構築のカギは何か」の講義をもとにしています。


3世代先も幸せな地域でいるには何が必要か?を市民が考えてみた

講義の最後は、草郷さんから「3世代先も幸せな地域でいるには何が必要でしょうか?」そして「それに対し、自分たちができることは何でしょうか」というお題が出され、グループで意見交換しました。

このグループは、100年先を見据えて「子どもが参画するまちづくりが必要」かつ「大人のコミュニティがなく横の連携がない状態を改善する」と発表。

ワークショップ6



編集部より:
子どもの主体的な活動を大切にする教育に興味がある方は「生きる喜び あふれる学校」を特集した201号がおススメです。

学年も、宿題も、チャイムも存在しない。小・中学生の子どもたちは、授業でセルフビルドを学び、喫茶店を建て、お米づくりに挑戦する「きのくに」の学校などを紹介。
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 https://www.bigissue.jp/backnumber/bn201.html

また、「大人がつながって暮らす」ことに興味のある方には「つながって暮らす ― 持続できるコミュニティをつくる」特集の173号もおススメです。 エネルギー、住まい、食、そして、人と人とのオープンな関係性の構築。人がつながり、自然に負荷をかけない持続できる暮らしとコミュニティづくりに挑戦する人々を紹介しています。
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https://www.bigissue.jp/backnumber/bn173.html


このグループは、幸せな地域でいるためには、すべての人に「居場所」が必要と主張。
料理自慢の人が朝ごはんを提供したり、必要なものを交換しあったりする場所をもつことで、格差の是正ができれば・・・という意見が出ました。

ワークショップ4


編集部より:
居場所としての食堂に興味がある方には、307号の特集「どこにもない食堂」がおススメです。 50分の手伝いで1食分が無料になる「ただめし」券を発行、〝誰もが受け入れられ、誰もがふさわしい場所〟をつくろうとする「未来食堂」。 「コムカフェ(comm cafe)」(大阪・箕面)は、外国人市民が日替わりでシェフとなり、多文化な家庭料理を提供。素の自分でいられて、仲間ができる居場所でもある。全部で4つの食堂の、起業と日々の経営に込められた思いを聞いています。

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 https://www.bigissue.jp/backnumber/bn307.html




このグループは「図書館」を軸にあたたかみのある場所づくりができないか、という案や、地域にある音大に登場してもらって音楽イベントはどうか、などの意見を発表しました。

ワークショップ5

編集部より:
304号特集「にぎやか、問題解決―いいね!図書館」では、子どもからお年寄りまで誰もが無料で使える公共図書館。今、近隣社会の課題解決のための情報拠点や人々の居場所として、にぎやかな活気あふれる場所へと変身しつつある図書館をクローズアップしています。

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 https://www.bigissue.jp/backnumber/bn304.html



こちらのグループは、「みんなが活動できること」として、いろんな世代が一緒にできる「緑を増やす活動」が提案されました。

ワークショップ2


編集部より:
みんなで取り組める「緑を増やす活動」に興味のある方は、308号特集「都会で畑」がおススメです。生鮮野菜を自給し、野菜を育てる時間をおもしろがり、多様な人と交流できる”都会の畑づくり”の3つの事例を紹介しています。

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 https://www.bigissue.jp/backnumber/bn308.html



こちらのグループは、転勤での出入りが多い地域であるがゆえに、「地元愛」を醸成する必要があると主張。市の祭りを一か所ではなく、複数個所で開催しつつ、巡回バスを運行させることでシニア層の生きがいにもつながるのではないかという意見が出ました。

編集部より:
市民が参加して「社会問題の解決」と、「働く場の提供」を同時にめざす「シビックエコノミー」の動きに興味のある人には、279号がオススメ。 市民が出資、高齢者の手や足となる事業を生み、高齢者や主婦の雇用の場ともなっている「コミュニティタクシー」(岐阜多治見市)の事例などを紹介しています。

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 https://www.bigissue.jp/backnumber/bn279.html



草郷さんは最後にこのようなまとめをされました。
「とにかくつながればよい」というわけではありません。 水俣の場合は強い集落の絆はかえってアダになりました。
また、長久手の「利便性が高い」という評価は、逆に言うと「社会的関係資本が最小化された状態」であるかもしれないということです。

重要な点は、地域の人と地域の外とつながることと、地域の中でも、強いきずなと弱いきずなの人がつながることです。すべての人が強いきずなと弱いきずなの両方を持つことはできないが 強いきずなをもつひとと弱いきずなを持つ人がつながることはできる。
異質な人ほど受け入れる、と意外な展開が生まれるかもしれませんね。

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「こうだったらいいのにな」と思うものは、小さくても「自分ならどうできるか」を考え、実行していくことがとても大切です。
草郷さんの「市民協働と信頼構築のカギ」のお話は、ビッグイシューの「市民社会を創造する」というコンセプトともぴったり合う、とても興味深い講義でした。


草郷孝好(くさごう たかよし)
東京大学経済学部卒業、学生時代から住民参画型の社会経済開発と持続的発展に興味を持つ。関西大学社会学部社会システムデザイン専攻教授。(人間開発論)

※草郷さんは、大学の授業でビッグイシューのお話をさせていただいたご縁があります。
  関西大学・社会学部へ出前授業!-学生から見たビッグイシューの疑問


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「市民の主体性」を特集したビッグイシューのバックナンバー

「市民がつくる希望の経済」として、シビックエコノミーを何度か特集しています。

   254号:「市民がつくる希望の経済 ― シビックエコノミー」

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草郷さんの講義にも出てきた長久手市の「ゴジカラ村」を扱った特集。① 社会問題を解決する/②仕事をつくる/③市民が参加できる/④市民が寄付や投資をしたくなる/⑤他に拡げられる普遍性がある の特徴を持った4つの事例を紹介しています。
https://www.bigissue.jp/backnumber/bn254.html



265号:ハンディこえた希望 シビックエコノミー2

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人々のつながりが薄れ、社会が力を失いつつある今、市民の新しいアイデアで、暮らしや居住地の問題に解決策を生む動きがある。それは仕事をつくり人々の多様な参加をも促す「シビックエコノミー」。ハンディや障害すらも強みにしていく3つの現場を紹介。
https://www.bigissue.jp/backnumber/bn265.html



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ビッグイシューについて

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ビッグイシューは1991年ロンドンで生まれ、日本では2003年9月に創刊したストリートペーパーです。

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