日本において、早くから社会課題の解決に取り組んできた企業のひとつがパナソニック。

「A Better Life, A Better World」のブランドスローガンのもと、事業活動とともに企業市民活動を展開しています。

なかでも特長的なのは、企業市民活動のパートナーとしてのNPO/NGO活動に注目し、共に社会課題解決を目指すNPO/NGOの基盤強化のための支援を続けていること。


市民活動が持続的に発展していくためには、NPOの組織基盤強化が必要との考えのもと、2001年にそのための助成プログラム「Panasonic NPOサポート ファンド」を創設。

スタート時には子ども分野、その後2002年に環境分野、2010年にはアフリカ分野を立ち上げ、一貫して組織基盤の強化に取り組んでいます。資金面の支援にとどまらずNPOに伴走して組織の成長を応援するという点で、非常に重要かつ先駆的な取り組みです。

「Panasonic NPOサポート ファンド」の17年にわたる組織基盤強化への助成について、運営に携わってきた3名の方の鼎談は、企業市民活動のあり方、企業とNPO/NGOのパートナーシップ、そして国連の「持続可能な開発目標」(SDGs)をそれぞれの現場でどのように生かしていくかを考えるうえで、とても示唆に富んだ内容です。ぜひご一読ください。

関連記事:【鼎談】Panasonic NPOサポート ファンドが歩んだ17年を振り返る


「持続可能な開発目標(SDGs)」とは、2015年9月の国連サミットで採択された、①世界の貧困をなくし、②持続可能な世界を実現することをめざす目標のこと。

「地球上の誰一人として取り残さない」ことを誓っています。

この国連サミットには150を超える加盟国首脳が参加し、2016年から2030年までの国際社会の目標として、5つの分野で17のゴールを設定しました。

とはいえ、日本での認知度はまだまだこれから。たとえば2016年に実施された企業への調査(※)では、147社・団体のうち企業向けSDGsの行動指針を参考に活動していたのは99社・団体。

ただし現段階では、実際に活動し「取り組みについて報告とコミュニケーションを行う」は4%だけでした。SDGsを踏まえた企業市民活動が、さらに広がっていくことに期待がかかります。

※公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)およびグローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)調べ。


ビッグイシュー本誌では163号以来、定期的に「Panasonic NPOサポート ファンド」の助成団体を取材し、その団体の活動の魅力とともに組織基盤強化への取り組みを記事として紹介してきました。

地元の美しい棚田を守る団体、発達障害のある子どもと家族に寄り添う団体、アフリカの紛争で被害を受けた人々への支援を行う団体…。

それぞれの団体が組織としての力をつけて活動を継続していくこと、またその姿を広く知ってもらうことに大きな意義とよろこびを感じています。

ビッグイシューで取材した助成事例レポートはこちらから