「ビッグイシュー」と言えば路上に立つ販売者から購入するのが一般的ですが、販売者のいないエリアでは「定期購読制度」をご利用いただけるほか、委託販売でビッグイシューを販売してくださるショップやカフェで購入する方法もあります。

2017年に始まったこの制度を利用して、現在10以上のショップ等にビッグイシューを置いていただいています。これらのショップで果たしてビッグイシューは売れているのでしょうか?いくつかのショップにインタビューをしてみました。

生きづらさを抱えた方の自立支援のステップとして。売り切れることもしばしば/フェアトレードショップ コブル【フェアトレードショップ/栃木】


栃木県鹿沼市にあるソーシャルグッドな雑貨屋さん、「フェアトレードショップ コブル(CO-BLUE)」での販売。ビッグイシューの売上はカフェで働く18歳以上のひきこもりなど生きづらさを抱えた方への賃金や、運営費となっており、ショップでのお手伝いを通して、人とふれあったり、仕事の体験をしたり、自分なりのペースで自立へのステップを歩んでいるそうです。

※フェアトレード:公正な取引の意。原料や製品を適正な価格で継続的に購入することを通して立場の弱い(主に途上国の)生産者や労働者の生活改善や自立を支援する活動。

店内におすすめ書籍を展示しているコーナーがあり、そのコーナーの隣で販売していますが、お客様からバックナンバーの要望があったり、仕入れている雑誌が売り切れたりすることがあるので、可能であれば仕入れられる数を増やしてほしいとのことでした。

コブル
 
SHOP DATA
フェアトレードショップ コブル
〒322-0058
栃木県鹿沼市麻苧町1631 CCVイマミヤ1F
0289-74-7040

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理念と近いからか、置いて早々に売り切れが多い/ショップベルタ (有限会社ネパリバザーロ)【フェアトレードショップ/神奈川県】 

ネパールの人々が織り・染め・裁断までも、一つひとつ丹念に手で作った洋服や小物雑貨を中心にしたフェアトレードショップ。自然に沿った方法で栽培したネパールコーヒーや紅茶、スパイス、障がい者地域作業所で作られたクッキー、ケーキなども並んでいるそう。

レジ近くの雑誌コーナーにて販売していますが、わりとすぐに完売するので、売り切れると藤沢など、近くの販売者を紹介してくださっているとのこと。
社会のための情報を求めている方が多く、「ビッグイシュー」と「ネパリバザーロ」の求める社会が似ているので、特に説明せずとも自然に買ってくださる方が多いとのことでした。

ベルダ
写真:ベルダサイトより

SHOP DATA
ショップベルダ(有限会社ネパリ・バザーロ)
http://www.verda.bz/
〒247-0007
横浜市栄区小菅ヶ谷1-2-1 地球市民かながわプラザ2F
045-890-1447

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「ビッグイシューを置くことで、いろんな立場の人がいることを思い出してもらえたら」/ビオチェド【セレクトショップ(滋賀県)】


求められるもの、提案したいもの、ご縁があったものを基準に衣食住の様々なものをセレクトして販売しているビオチェド。比叡山の中腹での自宅兼店舗で全国の物作りの作家さんのもの、福祉施設発のもの、環境と身体のことを考えた調味料などを販売しているお店です。主に書籍のコーナーに置いていますが、日によって色んなところに置いてくださっているそう。お店で販売したときのお客様は100%女性ですが、イベントで出店したときには男性も購入してくださっているそうです。

「滋賀県の山の中にあるため、お店の周辺でホームレスの方を見かけることはありませんが、ビッグイシューをお客さんの目につくところに置くことで、そうして生活している人のことや、さらにいろんな立場の人が居ることを思い出してもらえたらいいなと思っています。」と語られました。

ビオチェド

 
SHOP DATA
ビオチェド
〒520-0016
滋賀県大津市比叡平3-21-23
077-529-0028

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イベントのテーマにあった号がよく売れる/スペースナナ【イベントスペース/神奈川県】

ギャラリーやフェアトレードショップ、スタジオ、カフェなどを運営しているスペース。講演会や写真展、映画会などを開催することが多く、イベントの時はイベントのテーマに合った号がよく売れるそう。スタッフのなかにも購読者がいて、知人にプレゼントすることも。
買っていく方は内容についてよくわかっている方が多いそうです。

スペースナナ
 

SPACE DATA
〒225-0011
横浜市青葉区あざみ野1-21-11
045-482-6717

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活動内容と近い特集・記事が多く好評/ディープデモクラシー・センター【NPO法人/千葉県】

自治・自律・自給型社会を目指し、ホームレス支援を中心としたNPO法人。事務所兼イベントスペースの入り口に置いていただいていますが、千葉県は現在、ビッグイシューの販売者がひとりもいないので、多くの方にご利用いただいているとのこと。記事や特集の内容が、NPOの活動領域と重なる部分が多く、毎号楽しみにしている方が多いとのことでした。

NPO DATA
特定非営利活動法人 ディープデモクラシー・センター
〒270-2265
千葉県松戸市常盤平陣屋前7-8 富士マンション305
050-5534-9081


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今回ご紹介したのは一部のショップですが、いずれも「居心地がよさそう」「体によさそう」「どなたでもウェルカム感がある」というお店が多いのが印象的でした。
そのような場所で、ビッグイシューを介して、人と人のつながりをご提供できると幸いです。


<お気に入りのショップがある方へ>
あなたのお気に入りのショップ・居場所にビッグイシューを紹介してみませんか。
ビッグイシューと相性のよさそうなお店にお心当たりがある場合、こちらをご案内いただければ幸いです。


<ショップや居場所の経営・運営者の方へ>
『ビッグイシュー日本版』をお店・居場所で販売してみませんか。
ビッグイシュー公式サイトへの掲載、TwitterやFacebookでの拡散等お手伝いさせていただきます。

<イベントや映画館の運営者様>
特定のテーマに合ったバックナンバーであれば販売してみたいという方は、最低20冊から、お求めやすいお値段での仕入れが可能です。

例)
・ひきこもりの当事者の会や親の会で「ひきこもり」を特集した号
・ギャンブル依存症の当事者や家族の会で「ギャンブル依存症」を特集した号
・エネルギー問題を考える会やエネルギー問題を扱った映画の上映会で「再生エネルギー」を特集した号
・子ども食堂のシンポジウムで「子ども食堂」や「フードバンク」を特集した号
など。

イベントの告知をビッグイシュー日本のアカウントがTwitterやFacebookで拡散等お手伝いさせていただきます。







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ビッグイシューについて

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ビッグイシューは1991年ロンドンで生まれ、日本では2003年9月に創刊したストリートペーパーです。

ビッグイシューはホームレスの人々の「救済」ではなく、「仕事」を提供し自立を応援するビジネスです。1冊350円の雑誌を売ると半分以上の180円が彼らの収入となります。