大阪北部地震、西日本豪雨、台風21号。さらに北海道胆振東部地震での大規模停電など、想像を超える災害が続いている。

停電が続き機能がストップする地域がある一方で、自家発電設備を持つ北海道のコンビニチェーン店の通常営業が多くの人々を支えたのは記憶に新しい。

“備え”を「自分ではない誰かがやってくれること」と切り分けてしまうのではなく「自分たちですること」と思っている市民・家庭が多いまちは、災害にも強い。
『ビッグイシュー日本版』では過去の特集で、有事の際の備えにもなる方法を何度かお伝えしてきた。今回はそのなかから長期停電などに備えて検討してもらいたいものをいくつかご紹介する。



 ▼INDEX
①個人・家庭として

②集合住宅・まちとして

・大規模発電所に頼りきらない:小水力発電。自然エネルギーの突破口
・犠牲者を減らす教育:防災を文化にする

①個人・家庭として

災害時は「災害モード」になろう

341号では、前提として「災害モード」の重要性ついて特集。
「災害時にも出社・通学しようとする私たち」に心当たりはないだろうか?「電車が動いているから出社しよう」という気持ちは被害を拡大させることに注意しよう。
http://bigissue-online.jp/archives/1072266514.html

生き残る:身の回りのものを「自然の恵み」に変えるブッシュクラフト

293号に掲載の「ブッシュクラフト」(Bush=森、Craft=技能)。キャンプに比べ、使う道具をできるだけ少なく、素材も現地調達、"自然との一体感"を楽しむ。生存術として災害時や日常生活にも役立つ"知恵の宝庫"だ。
293
https://www.bigissue.jp/backnumber/293/

水を自給する:生活用水に、冷暖房に、飲み水に…事例に学ぶ「雨水」を活用する方法

日本中どこにでも雨は降る。降り始めて30分以上たった雨水の水質は蒸留水に近く、生活用水に使え、溜めれば非常時の水源となり、ゲリラ豪雨などの水害も緩和する。
263号ではそんな雨水利用をすすめる市民や団体を紹介。
263
上記をまとめた読みどころ記事はこちら
http://bigissue-online.jp/archives/1027812867.html

長期停電の備え①「わがや電力」でスマホ充電くらいは確保

312号に掲載の、鹿児島県の山奥で、電気・水道・ガスを契約しないという"フルオフグリッド"の生活を送る、テンダーさん。年間家賃1万円の家「てー庵」に住み、電気は自作の太陽光発電システム、調理と暖房の熱源は薪から、風呂のお湯は太陽熱、水は裏山の水源から引く。
312

「ここまで極端なことは都市部ではできない…」と思う方もいらっしゃるだろう。
しかし、長期停電となったときに、スマホの充電ができる状態くらいは自分の家で確保しておきたい。

編集部がテンダーさんに教わって試した「マンションでもできる太陽光発電」レポートはこちら
本気で電気代を削減したい人必見!小6の知識で自作可能な『わがや電力』

完全停電への備え:電化という豊かさの幻想をつきぬける「非電化生活」

そもそもとして、停電の時にも自家発電する方法を準備するのではなく、「電気を使わない暮らし方」を考えるという手もある。「電気を使わない冷蔵庫」や「電気も洗剤も使わない洗濯機」にあなたは興味はないだろうか。109号では「非電化生活」を特集。
109
https://www.bigissue.jp/backnumber/109/ (SOLD OUT、ただしPDFで提供あり)

②集合住宅・まちとして

長期停電の備え②下水道が流れると発電できる!?国産の小水力発電の導入検討を

298号でご紹介した、初めて国産の「ターゴ式水車」開発に成功し、市民出資の小水力発電所に提供した「田中水力」(神奈川)。なんと下水道が流れるだけで発電ができるのだ。こちらは集合住宅や小規模な町で導入を検討してはどうだろうか。

紹介記事はこちら

食糧を自給する:ビルの屋上・学校・空き地で畑を運営する方法

308号で紹介するのは物流が止まっても生鮮野菜を自給でき、多様な人と交流できる”都会の畑づくり”。「孤立状態」においても、まちのみんなで力を合わせて普段と変わらない暮らしをしたい。
308
https://www.bigissue.jp/backnumber/308/

洗濯や買い物ができない地域に:移動型スーパー「とくし丸」と移動式洗濯サービス

地方の高齢者やホームレスの人など、買い物や洗濯がしてくてもできないという人のほうに出向く形のサービスに学ぶところも大きい。

257号の特集「包容空間、路上のいま」では、オーストラリアの移動式無料洗濯サービスや、徳島発の移動スーパーを紹介。ふだんから社会的弱者に心を寄せ、このようなサービスを提供している地域は、災害にも強いはずだ。
257
257号はSOLD OUT、ただしオンライン版転載あり。
 ・移動式無料洗濯サービス-洗いたての服で、新しい人生をつくる。
移動スーパー とくし丸。便利こえる、究極のコンビニエンス-買い物が生む路上コミュニティ

物流を自給する:「セルフマーケット」で、自分たちの市場をつくる new!最新号

そして2018年9月15日発売の343号の特集は「セルフマーケット」。
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既存のスーパーやコンビニを否定するものではない。まちの人々で仮設のテントや机を並べ、野菜などの生鮮食品から日用品、アクセサリーまで、さまざまな物が売り買いされる“マーケット”を自分たちで企画するのだ。人々が集い、語らい、買い物をし、安否確認もできる機会になる「セルフマーケット」。平常時から週に1回くらい開催することで、そこに住む人たちとのつながりができ、いざというときの物流や、安否確認をスムーズにするかもしれない。
https://www.bigissue.jp/backnumber/343/
(ビッグイシュー最新号は、路上でのみ販売しています。販売場所はこちら

地域の防災への意識を高める:防災を楽しく実践し、広げていく

210号で訴えたのは、「そもそも日本は動く大地の上に乗っている」ということ。その前提を踏まえた上で、安心して暮らすための知恵を探る。
210
市民一人ひとりが楽しく参加できる防災活動を実践し提案している、渥美公秀さん、西川亮さんにインタビュー。
(210号はSOLDOUT、ただし下記に一部記事転載。)
「防災と言わない防災」に、楽しみながら参加する「地震イツモプロジェクト」─渥美公秀さんに聞く
非常食×保存食×タネ、心と身体を元気にするBOSAI食/-西川 亮さんに聞く

おまけ:自治体として

もしこの記事を自治体関係者が読んでおられるなら、「大規模発電所に頼りすぎない地域づくり」も視野に入れていただきたい。

大規模発電所に頼りきらない:小水力発電。自然エネルギーの突破口

218号では現行の大規模集中型から分散複合型のエネルギーシステムへの転換の突破口であり、その鍵をにぎる小水力発電について考えた。
218
https://www.bigissue.jp/backnumber/218/ 
(218号はSOLDOUT、ただしオンライン版に記事転載。)
岡山県西粟倉村、小水力発電から始まった自然エネルギー生産。化石燃料に頼らない地域づくり


北海道や大阪南部、真備など、ここのところの大規模災害で被災し、長期間の停電や断水に苦しむ人が多いなかで、被災した人々の痛みを我がごととして想像し、そしていかに自分たちの行動を変えていくか。それが問われている。
これを機に「防災、はじめの一歩」を踏み出してみたい。


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ビッグイシューは1991年ロンドンで生まれ、日本では2003年9月に創刊したストリートペーパーです。

ビッグイシューはホームレスの人々の「救済」ではなく、「仕事」を提供し自立を応援するビジネスです。1冊350円の雑誌を売ると半分以上の180円が彼らの収入となります。