「社会問題についてのニュースを見て『自分も何かしなくては』と思って」
「紙のライターとしての実績はあるけれど、スキルアップしたくて」
「NPOの広報に活かしたくて」
ふだん実際に書くことが仕事のひとつである人もいれば、文章を書く場も機会もこれまでに一度もないという人たちが、4月末に岡山で開催された「ソーシャル×ライティング教室」に集まった。

 

※このイベントレポートは、この講座の受講者の有志による合作を編集したものです。

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講師は社会的弱者や社会問題など、硬派なテーマながら年間80万人が利用するビッグイシュー・オンラインの共同編集長、マキノスミヨ。「社会課題や、その課題に取り組む人たちの存在を伝えられる人を増やしたい」という想いで同様の講座を各地で行っている。

一度も書いたことがない人から、プロのライターまでがそれぞれの学びを得る

「プロの集まりだったらどうしよう?」と不安を持ちつつ参加した人も、職業も生活スタイルも様々な参加者といくつかのワークを通し、帰る頃には笑顔で連絡先を交換していた今回の講座は約2時間半、休憩を交えながら和やかに行われた。

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急な告知・大型連休の初日にもかかわらず、4名が集まった

「読者の共感を得るためのライティング方法」とは?

冒頭に、学校で課されてきた作文・小論文などと広報の文章の違い、また一般企業における広報の文章と、社会課題を扱う文章の違いについてマキノが解説。
伝えたい問題・話題を「他人ごと」から「我がごと」にするための考え方、Webで読まれる文章を意識した言葉の選び方、文章の組み立て方などを基礎的な「視点」として参加者に共有していく。
参加者の声:
クライアントに与えられたテーマを元にどのような文章を作るか、と言う基本的なことに始まり、(中略)目から鱗のお話がたくさんで、とても興味深い経験でした。


「修正やトラブルを減らすライティングのコツ」とは?

続いて「ライターの仕事」の全体像が紹介される。ライター未経験の人はもちろん、納品後に修正の多さに泣いているライターや、ライターに依頼する側にも好評だというこのテーマは、企画~取材~執筆~納品の仕事運びから、執筆のみ、テープ起こしのみなどの単発の仕事の進め方などについても扱う。ライターの周りにはどんな仕事があるのか、その他、「文章の読みやすさ」「炎上リスク」「著作権法」など、ライティングに関わる人すべてが知っておくべき情報にも触れていった。
参加者の声:
企画・取材・納品まで、プロならではの裏話を交えながら解説。ライティング未経験者の方この第二部は必見です。


「ワーク」で、「他者の視点」をつかむ

講義中、社会問題に関心のない人や、社会的弱者への支援に否定的な姿勢の人にも届けられるようにするワークがいくつか挟まれる。「なぜか共感できない広報文章」のサンプルを用い、修正すべき個所について参加者同士で意見交換をするのだ。

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「なぜか共感できない広報文章」を読み込むワーク中

ワークでは参加者それぞれの個性が垣間見える。職業も年齢も様々な参加者が発表する感想は千差万別で、「そこに目を付けたか!」と唸ったり、突飛な意見に笑いが起きたりなど、少人数ならではの和気あいあいとしたやり取りが続いた。
参加者の声:
具体的な記事を用いたワークを経て、「読者は発信側の視点でものごとを見ていない」という気づきがあった。
同じテーマでありながら表現を変えただけでSNSの拡散力が200倍、ページビューも過去最大になったという事例には、どの参加者からも驚きの声があがっていた。

希望者は添削つきの課題にチャレンジ

講座当日、ワークで「サンプル文章」について意見交換することはあるものの、参加者が実際に手を動かして文章を書くことはない。そのかわり、希望者は講義の内容を活かしたイベントレポートを書くという課題に挑戦できる。課題はマキノの添削つきだ。添削あり、取り組んだ記事を実際の「ビッグイシュー・オンライン」に掲載されるチャンスとあり、「添削課題がついてこの値段はリーズナブル」という声もあがった。

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今回の講座も質問や意見交換が途切れることなく、終始和やかな空気で進行。
終了後には、「岡山でこんな人たちと出会えるとは!」と話し込む場面も見られ、ライティング講座という枠を超えて、新しい仲間との出会いの場となっていた。

参加者の声:
・ここに来なければできない経験ができました。今の開催内容で、(Facebookに)いいねがあんなについているのに、参加者が少ないことの方が不思議でした。
・ぜひ、岡山で、もう一度開催していただきたいです。人を集めるお手伝いもしたいです。

記事制作協力:クニトミユキ、スミカオリ

▼次回のマキノ登壇イベント

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「ソーシャル×ライティング」の教室@大阪・豊中
2019年5月30日(木)
https://www.bigissue.jp/event/229/

今後も「ソーシャル×ライティングの教室」は不定期に開催するため、上記開催でご都合が悪い方で興味のある方は下記にご登録ください。

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