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“ホームレス”の定義とは?



「ビッグイシューの販売者が若年化している」、「若者ホームレス」が増加傾向にあると言われてもピンと来る人はほとんどいないかもしれない。

路上にいるよりも、ネットカフェやファーストフード店などの終夜営業店舗などに滞在していることが多い彼らを路上で見かけることは少なく、彼らは“見えにくい存在”になっているからだ。

さらに彼らは日本で一般的に使われているホームレスの定義によって、“見えにくい存在”になっている。そこでここでは、“ホームレスの定義”について見ていくことにしたい。




現在、日本で法的(2002年ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法より)に定められているホームレスの定義は、「都市公園、河川、道路、駅舎その他の施設を故なく起居の場所とし、日常生活を営んでいる者」となっており、ネットカフェやファーストフード店など深夜営業店舗で過ごす人などを含んでいないのだ。

しかし、人はある日突然、住居を失い、ホームレスになるといったことはなく、不安定な就労、不安定な住居を経て、徐々に路上に近づいていく。




一方、EU 加盟国では、「路上生活者」に加え、知人や親族の家に宿泊している人、安い民間の宿に泊まり続けている人、福祉施設に滞在している人なども含む、となっている。

ホームレス=路上生活と考えるのではなく、そこに至るプロセスすべてを視野に入れることが予防や支援を考えていく上で重要だと考え、本書では、稲葉剛氏の「ハウジングプア」の概念図に基づき、ホームレスの定義を下記のようにしたい。




家はあっても居住権が侵害されやすい状態を視野(C)に入れをホームレス状態と定義する。
屋根はあっても家がない状態(ハウスレス:B)及び、屋根がない状態(ルーフレス:A)






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ビッグイシューについて

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ビッグイシューは1991年ロンドンで生まれ、日本では2003年9月に創刊したストリートペーパーです。

ビッグイシューはホームレスの人々の「救済」ではなく、「仕事」を提供し自立を応援するビジネスです。1冊350円の雑誌を売ると半分以上の180円が彼らの収入となります。