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幸せ恐怖症で、バツイチのトラウマから逃れられません。



バツイチです。離婚後6年たち、すてきな人と結婚したいと思い、デートもしているのですが、どうしてもその寸前で躊躇してしまいます。幸せ恐怖症とでもいうのでしょうか? 大好きな相手に優しくしてもらって、そこそこ稼ぎもあって、浮気もしなさそうだし、申し分ない。なのにこの人と、結婚し、まともな生活を送ると思うと……
なぜだか踏みとどまってしまうのです。ちなみに以前の結婚は5年続き、子どもはいません。(33歳/女性)





誰だって幸せにはなりたいもの。前の結婚の最後がどうだったとしても、もう別れて6年もたったのだから、5年間の結婚生活やその前のつき合っていた時も含めて、楽しかったことやうれしかったことを思い出してみることができる時期だよな。

まずは自分がバツイチであることを忘れろ、と言いたいね。誰かと出会っても、自己紹介と一緒にバツイチだなんて言う必要はない。相手がこの人に興味を示して初恋やこれまでの過去の恋愛について、聞いてきたら答えればいいこと。相手をよく知って、段階を踏んでお互い気に入れば結婚を前提につき合ったらいい。その頃は、この人がバツイチだなんてことは気にしないだろう。




なんてことを言うオレだけど、つき合って2週間目で結婚しようなんてことになった。これは随分とおかしな話だな。当時、オレは青森で車掌をしていて、気分が悪くなった鹿児島から来たお客さんの女の子を介抱するうちに交際することになって、トントン拍子で結婚することになってしまった。ハハハ。




この女性は年齢的にも子どもがほしいのかもしれないな。オレには子どもが2人いるんだよ。孫もいる。随分と前のことなのに、子どもが元気な産声をあげて生まれてきた瞬間が忘れられない。健康に生まれてきたと知った時は、本当にホッとしたね…。

こんな状態になったのは、オレが知り合いの保証人になったばかりに借金を背負いこみ、暮らしていた北海道の富良野を追われることになったから。今でも女房や子どもとも電話をしている。家族といっても、電車で20時間以上もかかる場所に離れているから、そう簡単には会えない。もう一緒に暮らすことはないだろうけど、オレにとってかけがえのない存在だと思う。




この女性は今、結婚すること以上にたった一人で生きていくことを不安で寂しいと考えているんだと思う。結婚というのは、女性から男性に仕向けるもの。この人のお相手みたいに男性から結婚しようなんて普通はめったに言ってこないよ。最初に言ったように、前の結婚生活での幸せだったことだけを思い出してごらん。次こそは、積極的に。そして早く子どもを産んで、その子と一緒に成長していったらいい。

(東京/I)


(THE BIG ISSUE JAPAN 84号より)