f1b845fb456204d6814a45879b008e59





妻がまったく家事をしなくなってしまいました




妻がある日をさかいにまったく家事をしなくなってしまいました。洗濯や掃除は私がやり、食事はもっぱら外食です。わが家には社会人1年生の息子が一人います。
うつ病というわけでもなさそうなので、病院につれていくわけにもいきません。妻は外に出て行ったり昼間も寝てばかりいます。会話もなくどう言葉をかけたらいいかもわからず、最近は私も毎日が憂うつです。
(45歳/男性/会社員)





ある日突然、降って湧いたようにこういうふうになったと言っているけれど、奥さんの心は長い時間がかかってジリジリと扉が閉まってきたんじゃないかな。夫婦といえども、人間同士のつき合いなのだから。

詳しくわからないので推測でしかないんだけど、奥さんは何ごとも一所懸命な人で、子どもが社会人になって、一種の虚脱感に襲われているんじゃないかな。キツイことを言わせてもらうと、オレは旦那さんにも問題があるように思える。

奥さんの髪型が変わっても気づかなかったり・・・。ご飯をつくってくれた奥さんに「ありがとう」なんて言葉があったらよかったかもしれない。




そこでオレにはアイディアがあるんだ。子どもの手が離れたことだし、これまでをリセットして恋人時代に戻るってのはどうかな。青春時代の思い出の公園にでも出かけて、デートをしたりしてさ。最初は会話がなくても、そのうちに「そういえばこんなことあったよね」って、なってくると思うんだ。

オレのいる公園にも、夫婦で歩きに来ている人がいる。その姿を見てると、うまくいっているのとそうじゃないのかが、わかるんだよ。この夫婦は、たぶん二人で歩いてても、旦那さんが一人でずんずん歩いちゃって、奥さんが足元の悪い所を歩いていても気がつかなかったのかな。




これまで愛する家族のために頑張ってきた奥さんだから、家事をやっている旦那さんを見て、「やらなきゃ」「やりたくない」と心の中では葛藤しているはず。もしくは、意外にうまく回っている家族を見て、「私はやっぱりいらない存在なのかしら」と思っていたら、逆に立ち直りは遅くなるかもね。




だけど、ある程度まではすぐによくなるさ。こうなって旦那さんは、奥さんの存在感に気づいたのだから、完全に冷えきっているのではない。

ただし、このまま同じような生活を続けていたら、旦那さんの定年と同時に「どうもお世話になりました」ってことにもなりかねないよ。夫婦というのは、表裏一体。

ここが大事なところだけどさ、旦那が変わらないと奥さんも変わらない。恋人時代に戻って、もう一度やり直すのをオレはおすすめしたい。
(東京/H)





(THE BIG ISSUE JAPAN 86号より)