(2012年5月1日発売、THE BIG ISSUE JAPAN 第190号より)
フランス、オーガニックショップが大賑わい
大手スーパーマーケットのコーヒーやチョコレートなどの売り場では、フェアトレード製品がかなりの部分を占めるようになったフランス。でも、その浸透度は米国や英国に比べ、高いとはいえない。
IPSOS社の調査によると、2000年の時点では、9割が「フェアトレードを知らない」と回答。08年には「知っている」が約8割に上昇するが、「1ヵ月以内に買った」のは4割弱だった。スーパーで購入する人が大半で、一番人気はコーヒー。
そして、シリアル、お茶と続く。別の調査(09年)では、フェアトレード製品に費やすのは年間4・40ユーロ(約500円)にすぎなかった。
農業大国フランスは、グローバル化による自国産業の衰退への懸念が根強く、ここ最近、〝地産地消〟の促進に躍起だ。さらに、生産地や生産過程の見える〝賢い消費行動〟への関心も高まっている。「大量消費社会」を批判するNGOなどが、勉強会や集会を積極的に開催し、消費行動の見直しを呼びかける。
「確かな品質」を求める消費者は着実に増えた。ビオ(=オーガニック)ショップは町のいたるところにあり、いつも買い物客で大賑わいだ。
フランスのフェアトレードは、そうした流れの一つに位置づけられている。ビオ関連ビジネス成長にともない、売り上げは急速に伸び、10年前の25倍に膨れ上がったそうだ。
(木村嘉代子/参照: IPSOS)
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