(2012年5月1日発売、THE BIG ISSUE JAPAN 第190号より)
南アフリカ、急成長するフェアトレード
南アフリカでは今、生産と消費の両面でフェアトレード市場が急成長しており、国内のフェアトレード製品売り上げ高は、09年の570万南アフリカランド(約6千万円)から10年には1840万ランド(約2億円)と、3倍以上に増加した。地元産のワインとコーヒーがその大部分を占めるが、すぐに他の製品にも広がっていくと期待されている。
NGO「環境モニターグループ(EMG)」によると、南アフリカのフェアトレードの特徴は、生産者の大部分が会社組織になっていることだという。
国際的なフェアトレード認証(FLO)を受けた団体が60あり、約1万2500人の農民が働いているが、小規模農家は3つのみで、他のアフリカ諸国とは際立った違いがある。FLO認証には、従業員が会社の株を25パーセント以上保持していることが求められる。
EMGは西ケープ州のルイボスティー農家を支援している。栽培技術に関する助言や融資手続きのサポートが功を奏し、150戸の小規模農家が有機フェアトレード市場への参入を果たした。
今では、農家は茶葉の精製を自分たちで手がけ、ケープタウンにある箱詰め工場の株を66パーセント保有するまでになった。EMGの次のプロジェクトは、北ケープ州オレンジ川沿いで、天日干しレーズンのフェアトレード認証を目指す農家を支援することだという。
(Sarah Taylor/参照: Fairtrade Label South Africa、 EMG)