(2012年8月15日発売、THE BIG ISSUE JAPAN 第197号より)





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ドイツ、若年層一人親家庭支援プロジェクト



ベルリンのマルツァーン地区でこのたび、住居管理組合が中心になって若年層一人親家庭支援プロジェクト「Jule」を立ち上げ、話題を呼んでいる。

同地区は旧東ドイツ時代に開発された、パネル建築による高層住宅が多い新興住宅エリア。世帯の47パーセントが一人親家庭とドイツの中でもずば抜けて高く、その中でも近年若年層のシングルマザー世帯が増えて社会問題となっている。

若年層のシングルマザーに多いのが、学校を中途退学し、職業訓練を受ける機会もなく、小さな子どもを抱えて生活保護を受けているというケース。

「Jule」では彼らがその状態から抜け出せるよう、ベルリンの住居管理組合とマルツァーン区役所、ジョブセンターが共同で、18〜27歳の一人親世帯を対象に同地区の住宅を提供。

職業訓練や職探し、育児に関するサポート、家事全般や健康な食事に関する生活教育、借金などの生活相談を行う態勢も設け、さらに同じ境遇にある一人親家庭が相互に助け合うかたちを目指すという。

(見市知/参照:Tagesspiegel)