悩みやすく、不安だらけ負の連鎖から抜け出すには?
悩みやすい性格で、人生のさまざまなことで自分の弱さを感じ、自分に自信がもてません。というのも、思春期の時にニキビがひどくて自己嫌悪になり、衝動的に部活を辞めてしまいました。
その引け目から人間関係は希薄で恋愛もできず。勉強も楽な方へ流れ、それほどこだわりのない大学に進みましたが、孤独で成長することなく、ただ日々をだらだらと生きています。最近はそんな自分を変えようと行動を起こし始めていますが、一寸先は闇で不安です。こんな負の連鎖から抜け出すにはどうしたらいいでしょうか?
(男性/大学生/19歳)
時代が悪いって言ったら、それまでやけどね。
僕なんかね今71歳で、戦前戦後に育ったでしょ。あの時代は、その日、その日の食べることが第一。何もないかわりに、劣等感みたいなのもなかった。年を取ると、酸いも甘いも咀嚼して、悪い時代でも前向きに頑張れるところがありますけどね。若いとどうしても迷いがある。でも、これだけ悩んだら、気の毒やな。
そうやね。将来のことや難しい問題に取り組むよりも、まずは今日1日を精いっぱい生きる。それから、自分を変えようとか、たいそうな行動を起こそうとするんじゃなしに、人に優しくするぐらいのことから、始めてみてはどうでしょうかね。色恋ではなしに、人を愛すること。動物でもそうでしょ。犬が嫌いな人には、噛みつきよるでしょう(笑)。
僕がここに立っているとね、道を尋ねてくる人がおる。その時に丁重に教えてあげるんです。教えてあげても、本を買ってくれることなんてないんですよ。帰り際に、「ちゃんと行けました」って、頭を下げてくれたり、「ありがとう」って、買うてくれたりするのは、10人に1人ですわ。
ところが不思議なことに、誰も僕のことを見てないはずないのにね。その後は、たくさん売れるんです。人に働きかけると、結局、まわりまわって、かならず返ってきますわ。この人が言うように、人生はいいことより、嫌なことの方が多い。僕が今こうして生きてるのも、いろんな人に生かされてるねんな。
ここにいてたら、応援や励ましをたくさんいただきます。昔の知り合いも、訪ねて来てくれたりもします。うれしいね。なんぼ貧乏してても、お金がなかろうと、人は財産やし、それで自然と道が開けてくるんですわ。
「一日一善」っていうのは、ええ言葉ですな。人が落とした煙草を拾って、きれいにしたりね。何をしろって、押しつけるのでもなく、そういう心がけが、この人の状況を好転させてくれるんじゃないやろかな。
(大阪/Mさん)
(THE BIG ISSUE JAPAN 第119号より)