Genpatsu
(2013年11月1日発売、THE BIG ISSUE JAPAN 228号より)

損害賠償の権利、3月で失効?穴だらけの子ども・被災者支援法に8万筆の国会請願




「原発事故被害者の救済を求める全国運動」は、11月12日に国会請願行動を行った。この日、福島県の被災者を中心に全国に避難している被災者など約200人が集まった。

「福島原発事故子ども・被災者支援法」は、議員立法により国会に提出されて2012年6月に全会一致で可決されたが、法が求める基本方針の策定はその後1年以上も放置されたままだった(本誌219号)。そこで被災者たちは早期実施を求めて裁判に訴えた。その2週間後の8月に基本方針案が復興庁より公表され、パブリックコメントを経て固まったのは10月11日だった。

ところが、基本方針にはいくつかの問題がある。支援の対象となる地域が福島県内の汚染の強かった地域に限定されている。かつ、強制避難以外の避難者への支援が皆無に近い。健康影響に関する国が行うべき調査が進んでいない。また、パブリックコメントに提出された多くの意見が反映されていない、などなどだ。

千葉県にできてしまった放射能汚染の強い地点(ホットスポット)は、環境省によって「汚染状況重点調査地域」に指定され、該当する9市の首長は支援法の対象地域とすることを強く求めてきたが、安倍政権に声は届かなかった。請願に先立つ集会では根本崇・千葉県野田市長はじめ、4市長から連帯のメッセージが寄せられた。

子どもを含めた被災者の懸念はこれだけにとどまらない。損害賠償請求の権利が来年3月に消滅するかもしれないことだ。今回の請願では、支援法の十分かつ具体的な施策の実施を求めると同時に、賠償請求の時効問題を抜本的に解決するための特別立法を求めた。3年でなく少なくとも10年(さらに延長あり)とすることを主旨にした法だ。

衆議院および参議院の前には各野党から30人の議員たちが請願者たちを出迎えてくれ、支援法の充実や特別立法を約束してくれた。「確かな手ごたえを感じた」と主催者は最後のあいさつを行っていた。この日提出した請願署名は約8万筆。全国運動はさらに署名を集めている。

さまざまなかたちの賠償支援はぜひとも必要なことだ。他方、賠償で償っても決して癒えない心の傷を被災者が負っていることも忘れてはならない。

原発事故被害者の救済を求める全国運動


    このエントリーをはてなブックマークに追加


前編を読む

先に効果が出たためメカニズム解明はこれから




イケダ: 難聴の方々にとって、この製品はどれくらい効果があるんですか?

中石: 色々と検証はしているんですが、たとえば補聴器使用者ですと、濁音や母音・子音の明瞭度などにおいて検査をしてみたところ、平均的に15%ほど改善されているという結果でした。

もちろん、通常のスピーカーも並べて検証するのですが、それでは何の音が発せられているのか分からないんですね。また、人工内耳の方にとっても、効果は出ています。

イケダ: このスピーカーを使って音が聴こえた人は、やはり感動しますか?

中石: たいてい不思議がられます。耳から少し離れたところで聴こえるので、いままでにない感覚だと言われますね。

イケダ: この製品の面白いところは、たまたまできちゃったところですよね。

中石: 効果が先に出てしまったので、現在そのメカニズムを解明しようとしています。東京都立産業技術研究センターの博士の方が協力してくれることになったので、一緒に考えていこうというところです。

そもそも、「スピーカーにおける人の聞こえ方」に関する指標がないんですよね。
音質などを含め、スピーカーの音響特性としての検証は確立しているのですが……

これまでスピーカーと言うと、音楽を聴くためのものでした。この商品のように
難聴の方への聞こえを改善するというスピーカーはなかったので、これから指標づくりを進めていきます。

イケダ: 専門家でも分からないというのは、とても面白いですね。

中石: そうなんですよ。ただ最近、私がこのスピーカーの調整をしていることもあり、「この音だと補聴器に相性がいい」といったことは感覚的に分かるようになってきました。

イケダ: これから指標もできて、メカニズムも分かってくると、難聴者向けのスピーカーがもっと一般化していきそうですね。

せっかくプロダクトがあるので、ぜひデザインについても教えてください。

中石: 初号機はアルミの箱にフラットスピーカーと高音質再生を可能とするアナログアンプを入れたものなのですがこちらでも効果を得る事ができました。

そこで、デザインが心理的に影響することが大きいので、スピーカーらしくないデザインを考えることにしたんです。使用時と未使用時で形を変えていることもあり、未使用時はアロマですかとよく言われますね(笑)。

19

(未使用時)

スピーカーだと思われないようなデザインにして、とある聾学校にもお貸し出したところ子供たちにも非常に人気です。やはり、「かっこかわいい」というか、やわらかく自然と環境にとけこむようデザインを意識しました。

24

(正面から)

「伝えるために利用する」という視点を提供したい



イケダ: プロダクトはどうやってつくっているんですか?

中石: 元々はNPOで進めたいとおもっていたんですが、製造となると製造会社との取引が難しくなりました。それなりの数を作るとなるとお金もかかるのすがNPOでの資金調達は現在の日本ではむずかしいと考え、ユニバーサル・サウンドデザイン株式会社をつくったんです。

製造と販売は会社の方で行い、検証や難聴の理解を進めるイベントなどをNPOで行うような棲み分けをしています。また、12月から「聴こえのあしながさんプロジェクト」をNPOで立ち上げ、このプロダクトを聾学校などにも寄贈していく予定です。

子供たちの聴こえというものは、学習にとって致命的ですよね。すでに東京都をはじめ16校ほどから、寄贈してほしいという声もいただいているのでプロジェクトを実現していきたいと思います。

イケダ: 現状で1台あたりの値段はいくらなんでしょうか?

中石: 20万円前後くらいですね。価格は抑えたいんですが、どうしても初期生産数が少なかったり、いろんな技術を入れているので高くなってしまいますね。

イケダ: 今後は会社として製造を増やしていくということでしょうか?

中石: そうですね。また、製造はもちろん増やしていきたいのですが、これまでは難聴と言えば補聴器という形での認識はありますが、スピーカーシステムで難聴者の方の支援ということはあまりイメージしにくいので、知っていただくのに時間がかかりそうです。まずは、コミュニケーションサポートシステムで実現する聴こえの支援のイメージを少しずつ浸透させていきたいと思います。

難聴は聴く方も話す方も難しい問題です。補聴器は聞こえにくい方がつけるというものでしたが、この商品では「伝えるために利用する」という視点を提供していきたいと考えています。難聴者側だけでなく、伝える必要のある健聴者側にも積極的に利用されることで、「聴こえのユニバーサルデザイン」を広めていきたいですね。

イケダ: 今日は貴重なお話ありがとうございました。

ユニバーサル・サウンドデザイン株式会社 | COMUOON
    このエントリーをはてなブックマークに追加




ビッグイシュー・オンライン編集部のイケダです。独自インタビュー記事として、難聴者向けスピーカー「COMUOON」を開発する中石さんにお話を伺いました(取材協力:現代ビジネス)。

偶然から生まれたスピーカー



DSC_0606
(中石真一路さん)

イケダ: 今回はユニバーサルサウンドデザイン株式会社代表の中石真一路さんをお迎えして、難聴の問題やそれを解決するプロダクトについてお伺いしたいと思います。

中石: どうぞよろしくお願いします。

イケダ: 中石さんは非常に独特の商品をつくられていますが、これは世界的に見ても珍しいのではないでしょうか?

中石: ないですね。アメリカでは一応、「サウンド・フィールド・アンプリフィケーション」という大きめのスピーカーはつくられています。これは、母国語が違い、多言語の中で学ぶ子供たちが音を捉えづらいということで、教室などで使われていていますね。

しかし、個人向けにこのようなスピーカーをつくっているところはないと思います。

イケダ: そうなんですね。では、具体的にどのようなものを作っているのか教えてください。

中石: 前職のEMIミュージック・ジャパン(現ユニバーサルミュージック)で、慶応義塾大学SFC研究所 湘南音楽音響・ラボ代表の環境情報学部 武藤教授との出会ったことがきっかけです。

その時は遠くまで音が届くスピーカーをベースに、何かビジネスは何かできないかを考えていました。その研究をしている途中で聞こえが悪い方がそのスピーカーを試聴し「聴こえやすいと言っていた」という話を武藤教授からお聞きしたんです。

最初は聴こえが悪い人にスピーカーで聴こえるようになるわけはないだろう、と思いました。しかし、たまたま私の父が難聴だったので、まず父で試してみようと思い、試作品をつくってみたんです。実家の熊本に帰ると、いつもテレビの音量が大きく、爆音でした。そこで、試作品のスピーカーを使ってみると、テレビの音が半分くらいになったんですよね。

信じられなかったので、父に聞こえているのか何度も確認したんですが、本当に聴こえているとのことでした。これは何かあるぞと思って、会社の方でも軽度と中度の難聴の方に7名ほど集まっていただいて検証した結果、やっぱり聴こえていたんです。しかし残念ながらEMIでの事業化の夢は実りませんでした。

その後、研究の母体を「NPO法人 ユニバーサル・サウンドデザイン」に移し、全国からスピーカーを集めて試作開発と検証を行い、昨年には試作機の貸し出しもスタートしました。NHKのニュースでも取り上げていただくなど、これまで100ヵ所くらいにはお貸し出ししました。

53

(難聴者支援スピーカー「COMUOON」)

難聴は高齢者に限らない



イケダ: どのような場所で貸し出しのニーズがあるんですか?

中石: たとえば、設置いただいているのは、福岡市南区の区役所の窓口ですね。そこで、高齢者にバスチケットなどを配る時に、名前を呼んでも聴こえない場合はスピーカーを使っています。

一番大きいのは学校ですね。台東区の区立柏葉中学校では、英語の授業で活用しています。現在もお貸し出し中であり大変好評です。

イケダ: 難聴と聞くと高齢者の問題と思いがちですが、難聴の方は増えているんですか?

中石: 増えていますね。講演後などに「実は誰にも言っていないんですが難聴なんです」と言ってくる若い子もいますし、就活のストレスなどが原因で難聴になることもあります。

イケダ: 高齢者のニーズはもちろんありますが、もっと子供たちや若年層も様々なシーンで利用できるということですね。ちなみに難聴の方はどれくらいいるんですか?

中石: 障害者手帳を持っている人は約60万人です。それ以外にも、10倍以上、600万人ほどはいるのではないかと言われています。生活していて支障がなく、本人が気づいていない場合もあるので、調べようがない部分もあるんですよね。

イケダ: 潜在的には困っている人が多くいるということですね。

中石: 障害者手帳をもっておられないグレーゾーンの人たちも多くいますし、何より高齢者の数も増えているので、難聴の人も増えているというわけです。

後編に続く

    このエントリーをはてなブックマークに追加





こんにちは、ビッグイシュー・オンライン編集部のイケダです。現在路上で発売中の第228号から読みどころをピックアップします。表紙はあのレディー・ガガ!特別インタビューも掲載されています。

堤未果さんに聞く、アメリカの公教育の崩壊・教育の市場化の現状



227号の読みどころは、第二回目となる堤未果さんへの特別インタビュー。前回の「米国の労働者の3人に1人が「フードスタンプ」を受給。その数、5000万人」に続き、今回はアメリカと日本で進む「教育の市場化」に関するお話を伺いました。

アメリカでは教育の自己責任化が進み、3分の2の学生が学費ローンを利用する状態となっています。その背景には、親子間の考え方の差がある、と堤さんは指摘します。

アメリカでは教育における世代間の考え方に時差があるんですね。かつて親世代は安い授業料で州立大学に行くことができ、卒業したら就職もあった。だから、自分の子どもに「大学に入りなさい、学資ローンを借りなさい」と言うのです。
ところが公的な学資ローンより人気の高い民間ローンは利子が非常に高い。4ヶ月延滞するとクレジットカードが使えなくなるとか、9ヶ月延滞すると元金が膨れ上がるなど、まるで消費者金融のような自体が横行しているのに、多くの親たちは気づかないままなのです。


これは日本でも同様であるように感じます。「学費が出せないなら国立大を受験すればいい」という若者世代に対する批判は未だに聞こえますが、すでに国立大の学費は私立並の水準になっています(参考:入学前にチェック!大学4年間にかかるお金 [学費・教育費] All About)。

日本より凄まじいのは、学資ローンは自己破産の対象ではないとされている点。

学資ローンは自己破産ができない仕組み。「サブプライムローン」なら自己破産できます。ところが、学資ローンは、学資ローン会社がクリントン政権に献金をして消費者保護法から外されてしまった。死んでも借金はチャラになりません。仕方なく生活のために、給料の高いは県外者に入って、イラク・アフガンなどの戦場に行く若者が急増しています。
日本もこのままでいくと同じ道をたどる可能性が高い。9条など変えなくても、若者を追いつめ、自ら戦地に行かせる「経済徴兵制」が敷かれれば同じことだからです。


こうした動きを止めるために、市民は何ができるのでしょうか。堤さんはこう語ります。

あなたは今、500人いる国会議員のうち、何人の顔と名前が一致しますか?株式会社化を望む側は、私たちよりもずっと多くの国会議員を知っていて、彼らに対し、根気よく継続的に、さまざまかたちで働きかけをしています。そして彼らは目的が一致しているために、分断されるよりも連携して動く。
だからそれに対抗する私たちにとって重要なのは、知ること、あきらめないこと、分断されない(敵をまちがえない)ことなのです。


さらに詳しく読みたい方は、最新号を路上でぜひ手に取ってみてください。300円のうち、160円が販売者の収入となります。

最新号の目次はこちら。レディー・ガガのインタビューが目玉です。
販売場所はこちら。お近くの販売者よりお買い求めください。


    このエントリーをはてなブックマークに追加

(ビッグイシュー・オンラインは、社会変革を志す個人・組織が運営するイベントや、各種募集の告知をお手伝いしております。内容については主催者様にお問い合わせください。)

ポストMDGsと国際連帯税・金融取引税に関する国際シンポジウム~貧困、環境破壊、格差のない次の時代をめざして~



 ◎日 時:2013年12月8日(日) 13時30分~16時30分(13時開場)
 ◎会 場:青山学院大学 17号館3階17310教室(東京都渋谷区渋谷4‐4‐25)
 ◎資料代:500円(ただし、学生は無料) 主催等は下記にあります。
 ◎申込み:次のフォームよりお申し込みください。http://goo.gl/ki0aXC 詳細は、http://isl-forum.jp/ まで(仮ホームページです)

<プログラム(予定)>
◆あいさつ
 ・主催者あいさつ…金子文夫(国際連帯税フォーラム代表理事/横浜市大副学長)
 ・国会議員あいさつ…衛藤征士郎(国際連帯税創設を求める議員連盟会長/衆議院議員)
◆報告
 ・報告(1)「ポストMDGsと国際連帯税~フランスの経験から~」
       クリスチャン・マセ(駐日フランス大使)
 ・報告(2)「国境を超える税制度:国際連帯税・金融取引税の歴史的意義」
       諸富 徹(京都大学大学院経済学研究科教授)
◆パネル討論
 ・ファシリテーター:上村雄彦(横浜市大国際総合科学群教授)
 ・パネラー:上記のお二人の報告者
◆提案と閉会のあいさつ
 ・田中徹二(国際連帯税フォーラム代表理事)
          ◆総合司会
            ・成田好孝(世界連邦21世紀フォーラム)

<主催・共催・後援>

◎主催…国際連帯税フォーラム
◎共催…国際連帯税創設を求める議員連盟
       動く→動かす(GCAP Japan)
◎後援…オープン・ソサエティ財団
       ユニットエイド(UNITAID:国際医薬品購入ファシリティー)
       日本生活協同組合連合会
◎言語…(日英)逐語通訳が入ります

極度の貧困と飢餓の根絶などをめざすミレニアム開発目標(MDGs)の達成期限まであと2年と迫るなか、去る9月25日国連総会においてMDGs特別イベントが開催されました。
しかし、目標達成のための手段である資金問題については十分議論されるには至らず、これまで通り先進国の国民総所得(GNI)の0.7%を政府開発援助(ODA)として拠出することを確認したにとどまりました。

一方、来年にはポストMDGs の中の、とくに「持続可能な開発のための資金問題」について国連での議論が始まります。また、気候変動枠組み条約関係では長期資金(2020年までに年間1000億ドル拠出)の戦略を提示しなければなりません。

こうした国連レベルを含む国際社会のなかにあって、ポストMDGsにおける資金問題について、フランスや「開発のための革新的資金調達に関するリーディング・グループ」での経験を長く有するリスチャン・マセ駐日フランス大使に語っていただきます。同時に、革新的資金メカニズム(含む国際連帯税・金融取引税)の可能性と展望について探ります。

ひるがえって、国際連帯税や金融取引税は世界の租税史の中でどう位置付けられるべきか、そしてこれらの税制は新しい時代を画することができるか--という理論的諸問題につき、京都大学の諸富徹教授が本年『私たちはなぜ税金を納めるのか―租税の経済思想史―』という本を出版され社会的に注目されています。教授からそのエッセンスについて語っていただき、グローバルかつ現代的な課題としての国際連帯税を学びます。

日本においては、2008年に超党派の国際連帯税創設を求める議員連盟が創設されて以降、議員連盟とNGO・市民社会が、革新的資金メカニズムとりわけ国際連帯税について5年越しの取組みを展開してきています。日本政府・外務省も2009年以来、新年度税制として国際連帯税を要望してきました。このように日本においても持続可能な開発資金としての国際連帯税実現の気運は確実に高まっています。本シンポジウムを機にいっそう国際連帯税に関する世論を高め、貧困、環境破壊、格差のない次の時代をめざしていきたいと思います。みなさまのご参加をお待ちしております。

<メインスピーカーの紹介>
◆クリスチャン・マセ(Christian Masset)
国立行政学院(ENA、ルイーズ・ミシェル期生)卒業後、フランス外務省に入省。2007年に外務省経済・財務局長(DAEF)、2009年にDAEFと国際協力・開発総局が合併されたグローバル化・開発・パートナーシップ総局長に就任。この間、LG常設事務局の総責任者を務める。2011年12月21日から駐日フランス大使を務める。

◆諸富 徹
京都大学大学院経済学研究科教授(専攻は財政学、環境経済学)。著書に『思考のフロンティア 環境』『ヒューマニティーズ 経済学』(岩波書店)、『環境税の理論と実際』(有斐閣)、『私たちはなぜ税金を納めるのか~租税の経済思想史』(新潮選書)があり、共著に『所得税の理論と思想』(税務経理協会)、『低炭素経済への道』(岩波新書)などがある。
    このエントリーをはてなブックマークに追加

(ビッグイシュー・オンラインは、社会変革を志す個人・組織が運営するイベントや、各種募集の告知をお手伝いしております。内容については主催者様にお問い合わせください。)

『“HOME”をすべての子どもたちに!』~いじめの連鎖を断つために



☆第1部 上映会(30分)
「ホームレスと出会う子どもたち」

☆第2部 講演会
日時:12月21日(土)14:00~16:00(13:30受付開始)
会場:豊島区立勤労福祉会館 6F 大会議室
講師:フリージャーナリスト 北村 年子氏

プロフィール
一般社団法人ホームレス問題の授業づくり全国ネット代表理事
滋賀県生まれ。女性・子ども・ジェンダー・ホームレス問題をおもなテーマに活動。
学校での「いじめ・野宿者襲撃」についての講演や、親と子のための自己尊重ワーク
ショップ、虐待防止・子育て支援活動などにも取りくんでいる。

著書
『「ホームレス」襲撃事件と子どもたち』
『子どもに「ホームレス」をどう伝えるか―いじめ・襲撃をなくすために』
『おかあさんがもっと自分を好きになる本』
『幸せなママになるレッスン』一般社団法人ホームレス問題の授業づくり全国ネット代表理事 

対象者:子ども、地域の方、子ども支援に関心のある方
定 員:100名(要予約) 定員になり次第〆切参加費:無料
参加費:無料
申込み・問合せ先:
    不登校・ひきこもり研究所(天野)
    TEL/03(6659)6775
    kemu@ad.em-net.ne.jp
主催:豊島区/不登校・ひきこもり研究所
後援:NPO法人TENOHASI/NPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワーク
    このエントリーをはてなブックマークに追加




123人生相談





愚痴や不満。迷惑なお客さんへの対処に困っています



お客さんあってのサービス業とわかってはいるものの、「退職をして家でゴロゴロしている夫と顔を合わせるのがつらい」とか、「デート相手を紹介してほしい」など、しょうもない愚痴や頼まれごとばかりでうんざり。中には、明らかに病んでいる人もいます。笑顔で話を聞いていますが、全部聞いてあげるわけにもいかず、こんなご時世、逆切れされても怖いので、対処に困っています。
(男性/29歳/スポーツトレーナー)


俺は人の愚痴を聞いてあげるよりも、聞いてもらってる立場。お客さんにも、ビッグイシューの事務所にいても、愚痴ばっかり言うてる。だってな、「嫌なことは一切やりません。嫌な奴には頭を下げません。誰もわかってくれなかったら、暴れます」というバリバリの不良をやってきた俺みたいな人間に愚痴を言うても、しゃーないもん。

お客さんだってバカじゃない。たまには、テキトーに楽しんでもいいねんで。相談者の、この人を若いながらも頼もしい奴やと見込んで、いろいろと言うてきてるねんで。

でもな、俺も人生観がちょっと変わってしまった愚痴を聞いたこともあった。俺はリュックしょって日本全国を旅するのが大好きでね。たまたま乗った同じ電車に、東大や早稲田のエリート大学生がおったんや。キレイな顔した女の子が「飲みに行っても、『東大に通ってます』って自己紹介すると、誰も寄ってきません」と愚痴ったんや。俺は、「そうか、エリートにも悩みはあるんか」と、真剣に驚いた。向こうは俺と天と地ほどの差がある立場なのに、同じようにコンプレックスがあるなんて、考えたこともなかった。愚痴はコミュニケーションの一つ。自分の知らない世界を教えてくれる。

「心と身体はつながっている」って言うけど、ホンマそうや。ときどき言葉でどう伝えていいかわからなくなってしまう時がある。俺、脳みその容量が少ないから、身体がガチガチになってしまう。ちゃらんぽらんに生きてきた俺だって、病気になる。そやから、まじめに生きてきた人は、病気になって当然や。悪いけど、これからはそんな人がたくさん増えてくる。だから、専門書を読んで、知識として頭の片隅においておくのもええと思う。まぁ、頭の調子がおかしくなっている人を、丸ごと理解してやれとは言わん。本人がわかってないんやもんな(笑)。

ただ、愚痴を聞いたり、冗談を言いながら、お客さんの心を軽くして、身体を鍛えたら、効果あると思う。この人には、心と身体の両方を健康にするトレーナーを目指してほしいな。

(大阪/Yさん)


(THE BIG ISSUE JAPAN 第123号より)


Genpatsu
(2013年10月1日発売、THE BIG ISSUE JAPAN 226号より)

重大な異常事象。福島原発、大量の汚染水漏れ



東京電力は8月20日に、汚染水の貯蔵タンクから300トンもの漏えいが起きていたと発表した。漏れの兆候は7月から見えていた。その付近の作業員の被曝線量が高い値を示していたからだ。漏れた汚染水は一部が地下へ浸透していった。一部がタンクの囲いから外へ出た。さらに、排水口を通じて海へ流れ出た。

地表の水たまりの上50センチでの放射線量は毎時100ミリシーベルトに達していたという。強烈な放射能だ。原子力規制委員会は28日の会合でこのトラブルが国際事故尺度で「レベル3」(重大な異常事象)とした。国内で3番目に深刻なトラブルとなった。

地盤沈下でタンクを解体・移設したことで接合部にずれが生じたからだとも、設置場所の地盤沈下でひずみが生じたからだともいわれている。

仮に漏れても拡散しないようにタンク群ごとに高さ50センチの囲いがあったが、雨水が貯まるのを避けるために囲いについているバルブは開いた状態で放置されていたために、そこから外へ漏れ出た。

使用しているタンクはボルト締めの簡易なもので、耐用年数は3年から5年といわれているし、設置時から接合部は劣化しやすく2年程度で漏れが始まるともいわれていた。こんなタンクが300基以上も使用されている。ということは、次々に漏れが始まってもおかしくない状況ということだ。今回の漏えいは大規模な漏えいの序章かもしれないと考えるとゾッとする。

なお悪いことに、即効性ある対策が示されていない。とりあえずは今と同様のタンクを設置したとしても、将来に向けて溶接された堅固な大容量タンクを建造すべきだ。そもそも2年前から大容量タンクの建造を進めていれば、今回の事態は回避できていただろう。

汚染水に四苦八苦している原因は、毎日毎日、原子炉建屋に流れ込んでくる400トンもの地下水だ。これが放射能汚染水となるので貯蔵せざるをえない。その量はどんどん増えて、今では34万トンを超えている。実に、25メートルプール900杯分にもなる。ところが、根本的な地下水対策が進んでいない。対策が後手後手になり、ますます右往左往する、そんな現状だ。


伴 英幸(ばん・ひでゆき)

1951年、三重県生まれ。原子力資料情報室共同代表・事務局長。79年のスリーマイル島原発事故をきっかけとして、脱原発の市民運動などにかかわる。89年脱原発法制定運動の事務局を担当し、90年より原子力資料情報室のスタッフとなる。著書『原子力政策大綱批判』(七つ森書館、2006年)




    このエントリーをはてなブックマークに追加

part1を読む
part2を読む
part3を読む
part4を読む

リトアニアに帰国、イギリスでの新しい生活



アンドレイさんはその後、無事リトアニアに帰国し、家族に再会して、リトアニアで1から生活をスタートさせた。すぐに船員としてリトアニアの海運会社で働き、船上シェフとして、数年間、世界を旅したという。 2004年、リトアニアが欧州連合 (EU) に加盟したことをきっかけに、東欧のコミュニティとネットワークが強く、英語が話せる土地ということで、イギリスに移住を決意。EU加盟国に行くのにはビザは必要なく、自由に行き来できるのが魅力だった。続きを読む
    このエントリーをはてなブックマークに追加

このページのトップヘ