ビッグイシュー・オンライン編集部より:駒崎弘樹さんが「ジャパン・ダイバーシティ・ネットワーク」が主催する勉強会の内容をツイートで記録しています。日本社会の現状と課題についてコンパクトにまとまった内容、ぜひご一読ください。
2060年に産まれる子ども数は現在の約半分
今日はジャパン・ダイバーシティ・ネットワークの勉強会に来ています。講師は村木厚子事務次官と小林厚労省雇用均等政策課長です。メモ代わりにゆるく呟けたら、と思います。ちなみにJDNはダイバーシティ推進のための民間(経済界・NPO・業界団体等)主催のプラットフォームです。 #JDN
— 駒崎弘樹:Hiroki Komazaki (@Hiroki_Komazaki) 2015, 2月 25
村木厚子事務次官「安倍政権になり、女性活躍推進と言う言葉が口を酸っぱく言われている。歴代総理の中で、最も女性活躍を仰ってくれている。しかし、霞ヶ関はすごい劣等生。新卒採用で、女性入社は3割いってなかった。しかし、今年はようやく全省庁3割いく予定だ。」 #JDN
— 駒崎弘樹:Hiroki Komazaki (@Hiroki_Komazaki) 2015, 2月 25
村木厚子事務次官「これはいつもお見せするグラフだ。第二次ベビーブーマーがたくさん子どもを産んでくれるはずだったが、それがない。このグラフの注目すべき点は、第三の山が無いということだ。」 #JDN pic.twitter.com/zCtkzrsUwa
— 駒崎弘樹:Hiroki Komazaki (@Hiroki_Komazaki) 2015, 2月 25
村木厚子事務次官「2060年に産まれる子ども数は現在の約5割、高齢化率は現在の2倍。生産年齢人口も現在の半分に。」 #JDN pic.twitter.com/6Aa0YcH41h
— 駒崎弘樹:Hiroki Komazaki (@Hiroki_Komazaki) 2015, 2月 25
女性の労働力には伸びしろがある
村木厚子事務次官「男性と女性の労働力率の見通しだが、男性に伸び白はないが、女性の労働力率はまだ伸び白がある」 #JDN pic.twitter.com/U4wcEHCKdi
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村木厚子事務次官「日本の女性の就業率は、他の先進国と比べるとM字カーブの傾向が顕著。女性が働くと少子化になるのでは?という俗説がよくあるが、実際は逆で、女性の社会進出が進んでいる国ほど、合計特殊出生率も高い傾向。」 #JDN pic.twitter.com/yCV6QzHPJh
— 駒崎弘樹:Hiroki Komazaki (@Hiroki_Komazaki) 2015, 2月 25
村木厚子事務次官「労働者で正規も非正規もワンカウントしているが、女性の就業形態は、35歳以降はパート・アルバイト等の非正規雇用が主となっていく。」 #JDN pic.twitter.com/8ho8biHzcD
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村木厚子事務次官「ジェンダー・ギャップ指数。日本は142カ国中、104位。日本は改善してきているのに、なぜ順位を下げ続けてきたのか。他国が日本以上に頑張って女性活躍推進を進めているから。日本はまだ遅いのだ。」 #JDN pic.twitter.com/cATpQRTTag
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勤務時間が合わない、職場の両立を支援する雰囲気がない
村木厚子事務次官「女性の退職理由で、4分の1が『仕事を続けたかったのに、仕事と育児の両立の難しさでやめた』と答えている。具体的理由では、勤務時間と職場の両立を支援する雰囲気がなかったこと。企業ができることは大きい」 #JDN pic.twitter.com/MxFsCgJHVL
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女性も長時間働いている
村木厚子事務次官「女性は短時間で働きたがるとよく言われるが、実は女性のパートタイムの約4割は、1日7時間以上働いている。8時間ではないが、ほんのちょっと短くできるだけで、フルタイムに近く働ける。働き方の柔軟性が重要な所以」 #JDN pic.twitter.com/3D4Rozxd0Y
— 駒崎弘樹:Hiroki Komazaki (@Hiroki_Komazaki) 2015, 2月 25
村木厚子事務次官「長時間労働大国、日本。特に男性の長時間労働者の割合が高いが、女性の長時間労働者の割合も、他国の男性と同水準」 #JDN pic.twitter.com/UASYhVzKCY
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夫の家事・育児時間が長い程、妻の継続就業割合が高く、また第二子以降の出生割合も高い傾向
村木厚子厚労事務次官「日本の夫の家事・育児関連時間は、1日1時間程度と国際的にみて低水準。夫の家事・育児時間が長い程、妻の継続就業割合が高く、また第二子以降の出生割合も高い傾向。綺麗に相関している。」 #JDN pic.twitter.com/6cCctlFWqK
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村木厚子厚労事務次官「管理職の女性比率と、一般社員の女性比率を見ると、ほとんどの産業において強い相関が見られる。女性社員比率が低いと女性管理職比率も低い。管理職登用に向けては、採用を強化し母集団を厚くすることが重要である」 #JDN pic.twitter.com/mGQjtQ6uBG
— 駒崎弘樹:Hiroki Komazaki (@Hiroki_Komazaki) 2015, 2月 25
村木厚子厚労事務次官「総合職採用者の男女比率を見ると、女性の採用は1割程度。応募者に対する採用状況を見ても、女性の方が相当程度厳しくなっており、男性が17倍に対し、女性は63倍となっている」 #JDN pic.twitter.com/GlOkTzfx8Z
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女性活躍推進法案について
小林厚労省均等課長「こうした状況を変えるべく、女性活躍推進法案を提出する。300人を超える地方自治体・民間事業主は、事業主行動計画の策定を義務づけられる。ここで、女性の活躍できる職場にするための分析・定量目標設定等行う」 #JDN pic.twitter.com/eMdFJKT2xU
— 駒崎弘樹:Hiroki Komazaki (@Hiroki_Komazaki) 2015, 2月 25
小林厚労省均等課長「従業員300人を超える企業は、女性の活躍に関する情報の公表を行わねばならなくなる。労働市場において、女性がこうした情報に基づき、企業を選んでいく。すると、労働市場から企業に改善のプレッシャーがかかることに。」 #JDN
— 駒崎弘樹:Hiroki Komazaki (@Hiroki_Komazaki) 2015, 2月 25
小林厚労省均等課長「女性の活躍推進に向けた総合データベースを創る。これまでは、各種サイトで情報が分散していた。そこで、2府省のサイトを統合し、女性の活躍推進に向けた企業情報を一元化。企業の取組が可視化される」 #JDN pic.twitter.com/vZcwltmqi8
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長時間労働が生産性を下げている
小林厚労省均等課長「国民1人あたりのGDP成長率を分解していくと、生産年齢人口比率の減少が大きく、1人あたりGDPを押し下げる方向に働いている。」 #JDN pic.twitter.com/9I82zM8XD8
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小林厚労省均等課長「時間あたりの労働生産性を見ると、日本は主要先進国7カ国中、最低の状況が続いている。長時間労働が労働生産性を下げてしまっている。」 #JDN pic.twitter.com/3chMCzThx5
— 駒崎弘樹:Hiroki Komazaki (@Hiroki_Komazaki) 2015, 2月 25
小林厚労省均等課長「労働時間が長い人ほど、上司が残業をしている人に対して「頑張っている人」「責任感が強い人」等のポジティブなイメージを持っていると考えている傾向が強い。労働時間の長短が、上司の評価態度に影響されている」 #JDN pic.twitter.com/ipcytZqQgD
— 駒崎弘樹:Hiroki Komazaki (@Hiroki_Komazaki) 2015, 2月 25
小林厚労省均等課長「残業削減に効果的だと思われている取組は、残業禁止日設定や上司からの声かけ、業務時間外会議の禁止等。一方、人事評価において、効率的業務遂行がプラスに評価されている企業は少ない。」 #JDN pic.twitter.com/2DqWljtHWF
— 駒崎弘樹:Hiroki Komazaki (@Hiroki_Komazaki) 2015, 2月 25
小林厚労省均等課長「ワークライフバランスの取組や、フレックスタイム制度の導入等、子育て中の女性であっても働きやすい環境への取組を行った企業は、一定期間後に生産性(TFP)の大きな上昇がみられる」 #JDN pic.twitter.com/biPnMmk0I8
— 駒崎弘樹:Hiroki Komazaki (@Hiroki_Komazaki) 2015, 2月 25
質疑応答
質疑応答
質問者「村木事務次官、事務次官の仕事を受けた時の思いは?」
村木事務次官「一歩後ずさりしたい気持ちだった。しかし部下には、昇進は受けろ、と言い続けてきたので、自分が受けないわけにはいかないだろう、と。辛いのは、同じ立場で相談し合える人が省内にいないこと。」
#JDN
— 駒崎弘樹:Hiroki Komazaki (@Hiroki_Komazaki) 2015, 2月 25
駒崎「キラキラ女性活躍支援も良いが、最も弱い立場にある女性達の支援はどうか。20代のシングルマザーの8割が貧困だ。」
小林課長「シングルマザーの平均年収は、実は女性一般の年収とあまり変わらない。女性全体の収入が低いことが根本的な原因だ。そこを何とかしていきたい」#JDN
— 駒崎弘樹:Hiroki Komazaki (@Hiroki_Komazaki) 2015, 2月 25
駒崎「ベビーシッター費用が経費で落ちず、接待でキャバクラ行くと経費が落ちるのは如何か。厚労省が国税庁に働きかけないのか」
村木事務次官「大臣はそれに熱心だ。内閣府もチャレンジしている」#JDN
— 駒崎弘樹:Hiroki Komazaki (@Hiroki_Komazaki) 2015, 2月 25
これで実況を終了します。官民あげて女性活躍を推進しようとしている、ジャパン・ダイバーシティ・ネットワークさん、ありがとうございました! #JDN
— 駒崎弘樹:Hiroki Komazaki (@Hiroki_Komazaki) 2015, 2月 25
ツイッターの反応
さっきから駒崎さんが実況している村木さんの女性の雇用推進に関する資料やコメントを見ているけれど、いわゆるバリキャリ系な言い分だけでなく、パートを選択している・自分の考え方と非正規がリンクしているという側の意見も聞いてみたいなと思う。女性全員がその志向ではないはずだし。 #JDN
— 佐々木 一成@Plus-handicap (@issay676767) 2015, 2月 25
もちろん企業が多様な働き方を認めることは直近ですべきだとおもうし、管理職登用や積極雇用を推し進める必要性は十二分に感じている。けれど、自身が納得してそのポジションに行く場合の意見も踏まえなければ、どのような働き方があるのか選択肢を並べることも難しくなってしまう気がする。 #JDN
— 佐々木 一成@Plus-handicap (@issay676767) 2015, 2月 25
女性雇用、登用がうまくいくことで、障害者やメンタル不調者、高齢者などの働き方の提案にもつながってくる。だからこのプラットフォームにはダイバーシティという言葉を組み込んでいるはずだし。本質的問題はどの属性も一緒だと思うけど、さきがけがなければ改善と前進は生まれない。 #JDN
— 佐々木 一成@Plus-handicap (@issay676767) 2015, 2月 25
アメリカには第三次ベビーブームの山が
ありますよねー
"@Hiroki_Komazaki: 村木厚子事務次官「第二次ベビーブーマーがたくさん子どもを産んでくれるはずだった。このグラフの注目すべき点は、第三の山が無い」 #JDN pic.twitter.com/H5TCfJL8Nk"
— 大山 正樹 (@masaki_0421) 2015, 2月 25
もっと詳しく:関連サイト
- 一般社団法人ジャパンダイバーシティネットワーク |
- この25年、女性の正規雇用は増えていない【データで見る女性と仕事】
- 「一時間あったら、自暴自棄になっている人の人生を変えることができる」:NPO法人FDA・成澤俊輔さんが語る「就労困難者の雇用創出」 : BIG ISSUE ONLINE
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