お笑いと言えば大阪のイメージが強いが、お笑いを仕事にしている人は全国各地にいる。
各地の笑いを生み出す活動を取り上げた『ビッグイシュー日本版』319号から、読みどころをピックアップ。
来るもの拒まず、去る者追わず。新潟のお笑い集団「NAMARA」
「新潟お笑い集団NAMARA」は全国初の地方発信型のお笑いプロダクション。高齢者や障害者、摂食障害やうつなどの経験を持つ人も含め、様々な人がNAMARAに集まって来る。 たとえば言語障害のある人が、「漫才をやりたい」と言ってやってきても、代表の江口歩さんが断ることはない。「通訳ができる人がいるといいね」と言っているうちに、脳性マヒで身体障害のある人も現れ、その人と「脳性マヒブラザーズ」を結成して活動するなど、それぞれの持ち味を生かしたお笑いにアプローチ。「来るもの拒まず」で12年やってきた。
また、所属芸人をどんどん他の活動と絡めて独立させていき、「去る者追わず」でもあるという。たとえば銭湯好きな芸人がいれば、銭湯大使に就任させ、銭湯業界ごと盛り上げて銭湯寄席を企画するなどだ。
江口さんがこのユニークなプロダクションを主宰することになった経緯や、そこに込められた想いは本誌にて。
江口 歩(えぐち・あゆむ) 1964年、新潟県生まれ。新潟お笑い集団「NAMARA」結成、イベントの企画やプロデュースを手掛ける。05年、有限会社ナマラエンターテイメント設立。現在スタッフ5人、所属芸人20人、連携する芸人は100人を超える。著書に『エグチズム-新潟お笑い疾風録 NAMARAの素』がある。 |
地元の小学校を中心に年間約200回公演。社会的なテーマを演目に扱う「笑劇派」
年間平均200回公演があり、北海道から沖縄まで出向く。出向いた先の多くが小中学校、ついで自治体、警察関係のイベントだというのは愛知県豊田市の「笑劇派」。創設メンバーが高校3年の時に旗揚げしたこのグループは、振り込め詐欺や悪質商法、情報モラル、人権と言った社会的なテーマを扱いながら、ボケと突っ込みが飛び交う新喜劇風の舞台が売りだ。その旗揚げから、ネタの作り方、活動で大切にしている想いまでを取材。限界集落のある地方にもぜひ行ってみたいという「笑劇派」。あなたの学校や会社にも来ていただいてはどうだろうか。
「劇団・笑劇派」 1998年に旗揚げ。2017年4月にサウスフラットショウタイム株式会社として法人化。愛知県豊田市を拠点に全国各地の学校や自治体などで公演活動を行う。新喜劇やコントのほか、イベントの司会などでも活躍中。ラジオ番組「笑劇派のうきうきサンデー」(エフエムとよた)のパーソナリティも担当。CATVひまわりネットワーク「笑劇派のこちらパトロール隊」などレギュラー番組を持つ。 http://www.showgekiha.com |
その他、1990年、3カ月程度の滞在のつもりで来日し、桂枝雀さんの英語落語を見て感激し、バイリンガル落語家となったダイアン吉日さんのインタビューも掲載。
ビッグイシュー319号ではこのほかにも、
・スペシャルインタビュー:映画『アトミック・ブロンド』主演のシャーリーズ・セロン
・リレーインタビュー 私の分岐点:Teach For Japan創設者 松田悠介さん
・国際:米国の都市で進む「高級化」、その帰結とは?
・ワンダフルライフ:まちを歩き、昔と今の違いを想像して楽しむ――「大阪七墓巡り」を復活させた陸奥賢さん
など盛りだくさんです。
関連バックナンバー
200号特集:「今、笑いを取り戻す」https://www.bigissue.jp/backnumber/200/
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