台風、豪雨、大雪など、悪天候の日をどう過ごしているのか、何人かの大阪のビッグイシュー販売者に話を聞いてみました。
四季空/photo-ac
※この記事は2018年1月の記事をリライトしたものです。販売者の状況は現在と異なることがあります。
天候予測をしながら、あらかじめ多めに販売してネットカフェ代を捻出(吉富さん)
僕はいまステップハウス(*)というところに入居しているので、路上生活をしていた時の話をしますね。
悪天候があるってあらかじめわかってるときは、悪天候の日にネットカフェや簡易宿泊所に泊まれるように、それまでに1時間ずつでも販売時間を長くする、目標冊数に達するまで販売するなどしてお金を貯めていました。
いざ悪天候になったら、まずは近くの屋根にあるところに避難していましたね。
でも、24時間営業のお店も、お客さんに出入りしているのを見られるのもそれもあまり良くないと思うので、行くなら夜遅くにしていました。
台風のときは、ビッグイシュー基金の「緊急時宿泊代貸し付け」制度を使って簡易宿泊所などに泊まることもありました。
*NPO法人ビッグイシュー基金では、協力的な家主さんから固定資産税分のみで提供された空き物件を活用して、ホームレス状態の方が初期費用や保証人を立てることなく一時的な居所として利用できる「ステップハウス」を実験的に運営しています。「ステップハウス」について詳しくはこちら
台風だろうと、雨が降ろうと、ハングリー精神(濱田さん)
僕は67歳なんで、子どもの頃の大きな台風と比べると「まだ大丈夫かな」と思ってしまいます。台風が来ても雨が降ろうと、基本僕は路上で寝ます。
ネットカフェとかに泊まったら1,000円以上かかるので、そこを我慢したら節約できると思うと、節約を選んでしまいます。
無駄遣いしないで、お金を貯めて、早く路上を脱出したいです。
th0852/写真AC
北海道では冬の夜、路上で寝たら死んでしまう(志村さん)
僕は北海道出身です。
ビッグイシューを札幌で販売していたころは、雪が降ってもサラサラでベトつくことがないので、あえて頑張って販売をしていました。寒さは僕にとっては同じなんですが、なぜか雪が降ってるほうがお客さんに「大変でしょう」と思われることが多いのか、売れ行きが良かったりしたので。
でも北海道の夜はマイナス15度とかになるので、寝たら死にます。寝られません。アーケードがあるところとか、屋根があり、風がマシなところで、分厚いロングコートを着込んで寝ないでじっとしていました。その分、昼間に仮眠するんですけど、ビッグイシューを販売するようになってからは、夜しっかり寝ないと昼間にしんどいので、路上で寝たら危ないような悪天候の時はネットカフェに泊まっていますかね。
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販売者により、ネットカフェや簡易宿泊所に泊まる人もいれば、路上で寝ることを選ぶ人もおりますが、いずれも(その日か、いつの日か、の差はあれども)「路上を脱出する」ために販売しており、1冊の売上が彼らの生活を支えているのは間違いありません。
「ビッグイシューを買おうかな、でも勇気が出ないな」と思っている方がいらっしゃいましたら、ぜひ一歩踏み出していただけると幸いです。
参考リンク:
仕事や住まいを失った方へー年末年始の支援情報のご案内(ビッグイシュー基金)
ビッグイシュー基金の「緊急時宿泊の貸付制度」
NPO法人であるビッグイシュー基金では、気温が0度以下になる夜や台風などの「路上で眠ると命の危険がある日」には、まずは命を守ることとして緊急時宿泊の貸付制度や、シェルターの利用案内などの対応を行っています。▼ビッグイシュー基金では皆様からいただいた寄付をホームレス状態の方の生活支援等に使わせていただいております。
https://bigissue.or.jp/how_to_join/donate/
こんな支援の方法も…ビッグイシュー・オンライン関連記事
・デトロイトの芸大生が考案した「寝袋にもなるコート」。ホームレス女性に仕事を提供する「エンパワーメント・プラン」がスゴイ
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・大地震のとき、ホームレス状態であるビッグイシュー販売者が困ることとは?
ビッグイシュー販売者の中には、大地震でも販売を続ける人もいる。それはどんなにひどい地震でも、「休める場所がない」からだ。
『販売者応援3ヵ月通信販売』参加のお願い
3か月ごとの『ビッグイシュ―日本版』の通信販売です。収益は販売者が仕事として"雑誌の販売”を継続できる応援、販売者が尊厳をもって生きられるような事業の展開や応援に充てさせていただきます。販売者からの購入が難しい方は、ぜひご検討ください。
https://www.bigissue.jp/2022/09/24354/
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ビッグイシューについて
ビッグイシューは1991年ロンドンで生まれ、日本では2003年9月に創刊したストリートペーパーです。
ビッグイシューはホームレスの人々の「救済」ではなく、「仕事」を提供し自立を応援するビジネスです。1冊350円の雑誌を売ると半分以上の180円が彼らの収入となります。