模擬国連を通して、国際問題への理解を深め、交渉力や論理的思考力、協調性などの強化を図っています。そんな、模擬国連の全日本大会を運営する大学生による学生団体「AJMUN」がクラウドファンディングに挑戦中です。
今年度も12月27日から30日までの4日間の日程で東京の両国にて全国から学生たちを集め模擬国連会議全日本大会を開催する運びとなりました。とても大切な取り組みだと感じ、ビッグイシュー日本ではリターン品として『ビッグイシュー日本版』のバックナンバーのうち、模擬国連で扱われる議題に近いものも多く、共に社会問題や国際問題への関心を深めるものになるものを3冊セットで提供することにいたしました。
今年度で36回目となる由緒ある大会です。
しかし、近年の物価高やインバウンドの増加による参加費の上昇により学生たちの参加が困難になっている現状があります。その状況を改善するためにこの度、クラウドファンディングを行うことといたしました。いただいたご寄付は学生たちの本大会の参加費負担の軽減のために用いらせていただきます。
支援者は 以下のうちから3冊お選びいただけます。
THE BIG ISSUE JAPAN482号
https://www.bigissue.jp/backnumber/482/
THE BIG ISSUE JAPAN478号
https://www.bigissue.jp/backnumber/478/
THE BIG ISSUE JAPAN477号
https://www.bigissue.jp/backnumber/477/
THE BIG ISSUE JAPAN476号
https://www.bigissue.jp/backnumber/476/
THE BIG ISSUE JAPAN475号
https://www.bigissue.jp/backnumber/475/
模擬国連や、学生の国際的な挑戦と成長の機会に関心のある方は、下記のクラウドファンディングへの支援、また関心のありそうな方へのご案内、SNSでの拡散をいただければ幸いです。
以下、クラウドファンディングサイトより
自己紹介
この度は、第36回模擬国連会議全日本大会のクラウドファンディングのページを開いてくださりありがとうございます。私たちは、本大会の運営事務局です。
模擬国連は、1923年のハーバード大学で行われた模擬国際連盟を起源とし、100年以上の歴史を有する活動となっています。日本においては、国際政治の仕組みを理解し、国際問題の解決策を考える過程を体験できることから、教育プログラムとして高い評価を受け、現在では全国の大学・高校において活動が行われています。
そして、毎年12月末に開催される日本模擬国連の一大イベントが、「模擬国連会議全日本大会」です。毎年、全国から200名を超える参加者が東京に集結し、4日間にわたり熱い議論が繰り広げられています。参加者は高校生から大人まで、模擬国連経験がない方から経験7年以上の方までと幅広い方に参加していただいており、会議に向けて各参加者は多大なる時間と情熱をかけて準備をし、大会に挑んでいます。
今年度も模擬国連会議全日本大会を開催するために、私たち運営事務局は日々準備を重ねております。しかしながら、近年の物価高の影響により大会参加費を値上げせざるをえない状況にあります。そのため、大会参加費の上昇により、全国大会に参加したいという熱い思いがありながら、参加できない学生が多数います。そこで、そのような学生達の経済的なハードルを下げ、思いを持った全ての学生が大会に参加できるように、クラウドファンディングを立ち上げさせていただきました。
大会事務局についての紹介
大会運営事務局は、全て学生によって構成されており、全員で大会開催中のサポートだけでなく、約1年前から本大会の成功に向け、準備を進めております。
What is 模擬国連 (Model United Nations)?
模擬国連とは、参加者が各担当国の代表として、過去に行われた様々な国際会議を実際の会議と同じように議論・交渉を通じて成果文書の採択を目指す活動です。模擬国連を通して、国際問題への理解を深め、交渉力や論理的思考力、協調性などの強化を図っています。
What is 模擬国連全日本大会(All Japan Model United Nations)?
模擬国連会議全日本大会(通称、「全日」)は毎年12月末に開催される、日本模擬国連主催の全国大会となっており、今年で36回目を迎える、歴史ある大会です。
毎年、200名を超える参加者を募り、いくつかの議題に分かれて会議を行う国内最大規模を誇る大会です。大会期間中には、各参加者がそれぞれの担当国の有する目的を達成するため、熱い議論と交渉を行います。
大会には、高校生から社会人の方まで参加しているだけでなく、模擬国連経験が1年未満の方から7年以上の方にも参加していただいており、様々なバックグラウンドを持つ参加者が「模擬国連」を通じて一同に介する場にもなっています。
このプロジェクトで実現したいこと
皆様からいただいた支援金は、一年の集大成として開催される全日本模擬国連大会への全国から参加する学生達の参加費の負担軽減に使用させていただきます。
近年の物価高騰やインバウンドによる宿泊費高騰が続いており、特に遠方からの参加者にとっては大きな経済的負担となっています。これにより、一部の学生が参加を諦めざるを得ない状況が生まれています。集まった支援は、こうした参加費用の一部を負担することで、学生たちの参加を促進します。皆様のご支援により、参加費の負担が軽減され、すべての学生に公平な参加機会が与えられます。こうして、より多くの学生が参加することで大会は活性化し、より充実した大会となり、参加者は大会を通じてより多くを得ることができます。
これからの活動
第36回模擬国連全日本大会では、6つの会議が開催されます。各会議監督に各会議についてのコンセプトやその会議の内容をインタビューしました!
会議監督名
藤田高広 神戸市外国語大学外国語学部 4年
会議名
1995年NPT運用検討・延長会議
この会議について
私たちの会議のコンセプトは「和而不同(わじふどう)」です。このコンセプトには、参加者の皆さんが「自国の利益のために安易に同調はしない一方で、国際社会のために他国と協調しながら行動すること」を目指して欲しいという私たちなりの思いが込められています。 会議の議題で取り扱っているNPTとは、正式名称を核兵器の不拡散に関する条約と言い、核不拡散・核軍縮・原子力の平和利用の3つを目的とする、1970年に発効した条約です。NPTの第10条第2項には「この条約の効力発生の25年後に、条約が無期限に効力を有するか追加の一定期間延長されるかを決定するため、会議を開催する。」と規定されています。この効力発生から25年後の会議である1995年NPT運用検討・延長会議を、私たちの会議では取り扱います。 実際の会議の結末としては、NPTの無期限延長と共に、NPTの運用検討プロセスの強化や核不拡散・核軍縮のための原則や目標、中東非核兵器地帯に関する決定が行われました。
会議監督名
浅岡幾一郎 同志社大学法学部 4年
出口啓貴 早稲田大学政治経済学部 4年
会議名
国際刑事裁判所の設立に関する国連全権外交使節会議 (ローマ会議)
この会議について
模擬国連の面白さを、交渉を着地させる「アイデア」をひらめいたとき、そしてその「アイデア」を現実のものにできた時の高揚感に見出して、「idea」をコンセプトに会議を作成しています。
当会議の題材は1998年に行われた「ローマ会議」で、国際刑事裁判所(ICC)の設立に向けた議論を行います。史実の会議では、普遍的で強力な裁判所設立という「理想」と国家主権の確保という「現実」の対立を背景にした熾烈な交渉の末、辛うじてICC設立に漕ぎ着けることができました。
当会議では参加者の皆様に、ICC設立という難題に向き合うことを通じて、「アイデア」をひらめき、実践することの面白さを共有できればと思っています。
会議監督
齋藤航太 東京大学理学部 4年
会議名
武力紛争に適用される国際人道法の再確認と発展のための外交会議 (ジュネーブ諸条約第一追加議定書の起草)
この会議について
当会議では戦争や武力紛争におけるルールを定めた国際人道法の分野からジュネーブ諸条約第一追加議定書を扱います。この議定書はこれまでの国際人道法を補完・拡充するもので紛争の犠牲者を減らすという理念とゲリラ戦や爆撃をめぐる国益を調整しつつ調整4年の歳月をかけて起草されました。会議では膨大な条文の中から一部をピックアップして議論と交渉を行います。様々な国の立場になって発見や会議を楽しみつつ、今日の紛争を犠牲者保護の観点から見つめなおすこともできる会議です。
会議監督名
四宮実彩 お茶の水女子大学文教育学部 4年
会議名
第3次中東戦争(六日間戦争) Six-Day War
この会議について
私たちはESSENCEという言葉を会議のコンセプトに決めました。 ESSENCEが持つ「本質」という意味には、「模擬国連とは何かを考えてほしい」「本質的な会議行動とは何かを考えてほしい」という二つの意味が込められています。会議行動について特筆しているのは、それぞれが考える模擬国連観を会議行動のレベルに落として考えてほしいからです。私たちは、各々の模擬国連観は多様ではあるかもしれないが、模擬国連を会議として成立させる上で共通して持っておかなければならない要素があると考えます。 良い会議行動、悪い会議行動とは何か、抽象的な問いを通して参加者一人一人に考えてもらえるような会議を目指します。 また、模擬国連とは何かという抽象的な問いを考えるのに適切な議題を選びました。まず大前提として、全ての国に強い国益があることです。また、知識のみで会議の勝ち負けが決まってしまわない、戦略性が求められる議題を選びました。 六日間戦争とも呼ばれる第3次中東戦争は、エジプトがティラン海峡を封鎖したことを発端に起こりました。エジプトがこうした行動をとった背景には、ソ連がエジプトへ流した誤情報があると言われています。また、イスラエルとアメリカには深い関係性があり、1976年の第5回緊急特別総会(ESS5)を切り取った本会議には代理戦争としての側面もあります。紛争に直接関わっていなくても強く利害が絡んでおり、中東への関心や経済的な状況もさまざまであることから、起こりうる帰結に幅があることも会議の戦略性を際立たせていて、面白い会議になると思っています。
会議監督名
稲川 翔子 上智大学 総合グローバル学部 4年
会議名
コソボ・クライシス会議
この会議について
本会議で扱うコソボ情勢とは、セルビア共和国にある自治州内でアルバニア人が独立運動を開始したことを契機に、ユーゴスラビア政府による強い弾圧を受け、紛争へと事態が悪化していく一連の流れを指します。史実では各国の和平の努力も虚しく、NATOの空爆による紛争解決となりました。 会議では、進行に合わせて、議場内外で時間が進み、参加者の行動が国際情勢に反映される設計を採用しています。自身の行動が自身に返ってくるため、通常の模擬国連とはまた違った面白さを味わうことの出来る会議となっております。
会議監督名
井上寛隆 上智大学総合グローバル学部 4年
会議名
西サハラ問題(Question of Western Sahara)
この会議について
「アフリカ最後の植民地」とよばれる西サハラは、元々スペインの植民地支配を受けていました。1960年代に国連で脱植民地化の議論が行われるようになると、現地では独立の機運が高まりましたが、隣接するモロッコが西サハラの領有権を主張したことで問題が複雑化し、2024年現在も解決に至っていません。当会議では、西サハラの脱植民地化に対して国連がどのように対処すべきかについて、ターニングポイントとなった1981年の国連総会を舞台に議論を行います。 当会議が掲げるコンセプトは「『模擬国連』の体現」です。この会議を通じて、参加者の皆様が自分なりの「模擬国連」を模索できるよう、全力でサポートさせていただきます。
以上クラウドファンディングのサイトより。
学生たちの熱い議論を応援したい!第36回模擬国連大会支援プロジェクト
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ビッグイシューはホームレスの人々の「救済」ではなく、「仕事」を提供し自立を応援するビジネスです。1冊450円の雑誌を売ると半分以上の230円が彼らの収入となります。