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アンドレイさんはその後、無事リトアニアに帰国し、家族に再会して、リトアニアで1から生活をスタートさせた。すぐに船員としてリトアニアの海運会社で働き、船上シェフとして、数年間、世界を旅したという。 2004年、リトアニアが欧州連合 (EU) に加盟したことをきっかけに、東欧のコミュニティとネットワークが強く、英語が話せる土地ということで、イギリスに移住を決意。EU加盟国に行くのにはビザは必要なく、自由に行き来できるのが魅力だった。
こうして現在も、アンドレイさんはイギリスで暮らしており、ノースハンプトンシャーでの東欧コミュニティの通訳・翻訳業を兼ねたコーディネーター、東欧からの移民(ニューカマー)のアドバイザー、また写真家として幅広く活動している。
タケトモコ「今後の目標などがあれば教えて下さい。」
アンドレイさん「イギリスの自治体の補助金で、資格取得支援をしてくれるプログラムがあるんだ。その資金援助で、パーソナル・アシスタントの資格をとって、イギリスで増えている一人暮らしのお年寄りの手助けをしていきたいんだ。」
タケトモコ「イギリスに来てから、自分の考え方や価値観に何か変化はありましたか?」
アンドレイさん「イギリスにきてから、 生まれて初めて自分自身をみつめる時間がとれたこともあり、ようやく人生で自分のやりたいこと、やるべきことが見えてきたんだ。 イギリスにきた当時は大変な時期もあったんだけど、その時にたくさんの人に助けてもらった。だから今は少しでもその恩返しができればと思ってる。元々色んな人と話をするのが好きだし、自分の能力と経験を生かして、困っている人たちの役に立つことや、手助けをすることが、ぼくの生き甲斐になっているんだ。」
アンドレイさんにこのインタビューをしていた最中に、ロンドンの某大手新聞社がやってきた。イギリスで行なわれている東欧人の人身売買について、有力な情報を持つアンドレイさんにインタビューしにきたということだった。
タケトモコ「人身売買の経験を経て、何か自分自身が変わったことはありますか?」
アンドレイさん「ここから遠く離れた日本にいる皆さんは、きっと信じられないでしょうが、今この瞬間にも、世界のどこかで人身売買が行なわれ、子ども、女性、男性問わず、人間の尊い命が奴隷のように扱われているんだ。
世界で最も民主主義の進んでいると言われるような国、経済大国の代表国であるイギリスでも、悲しいことに数多くの人が今だに人身売買されているんだよ。
ぼくは人身売買された経験を持つ人間として、自分の知識や経験を生かし、人身売買撲滅のために積極的に行動している。だってもう誰にも2度と、ぼくのような辛い経験をしてほしくないのからね。人身売買とそれを束ねている悪質な組織が、1日も早く世界から消えてなくなることを心から願ってやまないよ。」
今が人生の中で最も輝いて、充実していると笑顔で話してくれたアンドレイさん。これまで人並みはずれた波瀾万丈な人生を乗り越えて、今この瞬間をポジティヴに生きようとする彼の姿勢に共感した。アンドレイさんが新たな移住先として選んだイギリスで、どのような未来を描いていくのかを、これからも見守っていければと思っている。
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リトアニアに帰国、イギリスでの新しい生活
アンドレイさんはその後、無事リトアニアに帰国し、家族に再会して、リトアニアで1から生活をスタートさせた。すぐに船員としてリトアニアの海運会社で働き、船上シェフとして、数年間、世界を旅したという。 2004年、リトアニアが欧州連合 (EU) に加盟したことをきっかけに、東欧のコミュニティとネットワークが強く、英語が話せる土地ということで、イギリスに移住を決意。EU加盟国に行くのにはビザは必要なく、自由に行き来できるのが魅力だった。
こうして現在も、アンドレイさんはイギリスで暮らしており、ノースハンプトンシャーでの東欧コミュニティの通訳・翻訳業を兼ねたコーディネーター、東欧からの移民(ニューカマー)のアドバイザー、また写真家として幅広く活動している。
タケトモコ「今後の目標などがあれば教えて下さい。」
アンドレイさん「イギリスの自治体の補助金で、資格取得支援をしてくれるプログラムがあるんだ。その資金援助で、パーソナル・アシスタントの資格をとって、イギリスで増えている一人暮らしのお年寄りの手助けをしていきたいんだ。」
タケトモコ「イギリスに来てから、自分の考え方や価値観に何か変化はありましたか?」
アンドレイさん「イギリスにきてから、 生まれて初めて自分自身をみつめる時間がとれたこともあり、ようやく人生で自分のやりたいこと、やるべきことが見えてきたんだ。 イギリスにきた当時は大変な時期もあったんだけど、その時にたくさんの人に助けてもらった。だから今は少しでもその恩返しができればと思ってる。元々色んな人と話をするのが好きだし、自分の能力と経験を生かして、困っている人たちの役に立つことや、手助けをすることが、ぼくの生き甲斐になっているんだ。」
アンドレイさんにこのインタビューをしていた最中に、ロンドンの某大手新聞社がやってきた。イギリスで行なわれている東欧人の人身売買について、有力な情報を持つアンドレイさんにインタビューしにきたということだった。
タケトモコ「人身売買の経験を経て、何か自分自身が変わったことはありますか?」
アンドレイさん「ここから遠く離れた日本にいる皆さんは、きっと信じられないでしょうが、今この瞬間にも、世界のどこかで人身売買が行なわれ、子ども、女性、男性問わず、人間の尊い命が奴隷のように扱われているんだ。
世界で最も民主主義の進んでいると言われるような国、経済大国の代表国であるイギリスでも、悲しいことに数多くの人が今だに人身売買されているんだよ。
ぼくは人身売買された経験を持つ人間として、自分の知識や経験を生かし、人身売買撲滅のために積極的に行動している。だってもう誰にも2度と、ぼくのような辛い経験をしてほしくないのからね。人身売買とそれを束ねている悪質な組織が、1日も早く世界から消えてなくなることを心から願ってやまないよ。」
今が人生の中で最も輝いて、充実していると笑顔で話してくれたアンドレイさん。これまで人並みはずれた波瀾万丈な人生を乗り越えて、今この瞬間をポジティヴに生きようとする彼の姿勢に共感した。アンドレイさんが新たな移住先として選んだイギリスで、どのような未来を描いていくのかを、これからも見守っていければと思っている。
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タケトモコ
美術家。アムステルダム在住。現地のストリート・マガジン『Z!』誌とともに、”HOMELESSHOME PROJECT”(ホームレスホーム・プロジェクト)を企画するなど、あらゆるマイノリティ問題を軸に、衣食住をテーマにした創作活動を展開している。
・ ツイッター:@TTAKE_NL
・ ウェブサイト:http://tomokotake.net/index2.html
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