「出所者の行く末はホームレス状態か再犯かしかない」そんな現実を変えていく、元受刑者による支援活動 2021/11/11 刑期を終えて出所する人たちの中には、帰る家も着る服もなく、車での迎えを頼める人もなく、薬物依存が残っていようとも適切な治療を受けられない人も多い。その結果、ホームレス状態や薬物の過剰摂取に陥り、再犯リスクを高めてしまっている現実がある。続きを読む
暴力が常態化している刑務所で更生は困難/米国の矯正施設の現状 2021/07/22 米国の刑務所では暴力が蔓延しているーー暴力の直接の被害に遭うか、そうでなくともほとんどが暴力を目の当たりにしている。“間接的”に暴力にさらされているだけでも、社会復帰後の生活に長期的な影響をもたらすことが研究で明らかになりつつある。暴力的な環境にさらされることで、出所時に犯罪者は更生しているどころか、再び犯罪行為を犯すリスクが高まっているおそれもある。人が矯正施設に期待するものとは真逆である。続きを読む
テロリストの社会復帰を支援。テロと紛争がない社会を目指すNPO法人アクセプト・インターナショナルの組織基盤強化をパナソニックが支援 2021/06/15 テロと紛争がない社会を目指し、ソマリアなど4ヵ国でテロリストやギャングの脱過激化や社会復帰を支援している「アクセプト・インターナショナル」。組織診断を受け、見えてきた課題とそこから生まれた長期戦略、国際社会に向けた新たな取り組みについて聞いた。続きを読む
「犯罪を減らしたいならフルタイム雇用を増やせ」ー米国の就労支援プログラム「Pathways」 2021/03/11 「何度も犯罪を繰り返す人」と聞くと「根っからの悪人」と思いがちだが、その人がフルタイム雇用されているかどうかは、犯罪が繰り返されるかどうかに大いに相関があるものだ。日本では、再犯で刑務所に収容された人のおよそ4人に3人が再犯時に無職だという*1。 というと、「罪を犯すような人だから雇用されないのでは?」という疑問を持つ人のために、犯罪を犯すリスクが高い人たちに職務スキルを修得させ、フルタイムの仕事に就けるよう支援する米ワシントンDCのプログラム「Pathways(パスウェイズ)」の取り組みを紹介しよう。続きを読む
刑務所のライティング教室ー文章表現とフィードバックの重要性 2021/03/09 受刑者に文章を書くことを勧めるプロジェクトが、オーストラリアの南オーストラリア州の刑務所で実施されている。文章表現は受刑者たちにどのような効果があるのだろうか。豪フリンダース大学の上級講師(クリエイティブ・ライティング博士号)のマイケル X・サッバスが報告する。続きを読む
再犯防止の新たなアプローチ:受刑者に秘められた音楽の才能に光を当てるレコードレーベル事業 2020/12/07 芸能人が違法薬物の使用で逮捕されるたび、出演作品の放送中止や販売差し止めがおこなわれる日本。それらは本当に必要な措置なのだろうか。罪を犯した人物との関わりを極力避けたい、という風潮からきているのかもしれないが、犯罪者をとにかく社会から「排除」していくことでは犯罪の根絶にはならない。排除されることで「まともな仕事」につくことができなくなると、生きるため仕方なく危ない仕事に手を出す、閉塞感から違法薬物に走るなどして、むしろ再犯率を高めていきかねない。それよりも、犯罪を犯した人たちが人生を立て直していける選択肢を増やしていくべきではないだろうか。続きを読む
病気に苦しむ受刑者は誰が助けるべき? 受刑者の医療費負担にまつわるスイスの議論 2020/09/02 新型コロナウイルス感染症が、世界中の医療システムに大きな挑戦を突きつけている。刑務所のような閉鎖空間では特に感染が拡がりやすく、実際、受刑者・職員ともに感染率は高い。受刑者は入所前から疾患を抱えていることが多い(結核やHIV、C型肝炎など)ため、もともと感染症の温床なのだ。昨今、必要な治療すら受けづらくなっているというスイスの刑務所事情をレポートする(スイスのストリート誌『Surprise』掲載記事より)。続きを読む
少年院から出てきた男が、ピザ屋のオーナーシェフとして人生をやりなおすー更生に必要なものとは何か? 2020/06/13 犯罪者はどうしたって「厄介者」と思われがちだが、適切な機会さえあれば、人はまた社会でやり直していくことができる。「食」の世界でコツコツと更生への道を歩んだ男を紹介しよう。続きを読む
出所後の再犯率を劇的に減らす「メイド・イン・プリズン(刑務所製)」の新たな潮流 2020/06/12 受刑者が釈放後にいかにして社会復帰するかー 再犯率の高さやホームレス化とも切り離せない問題でもある。イタリアでは、服役中の受刑者たちが「実社会」での仕事に従事*して技能を磨き、社会復帰の準備をすすめるプログラムが、特に「食」の分野で盛んだ。イタリアのストリートペーパー『スカルプ・デ・テニス』が取材した。続きを読む