3万人近くの若者が住宅危機に。豪の支援団体が連携し「ホームタイム・キャンペーン」を展開 2024/06/27 タイラー(25)は21歳の時に実家を飛び出した。トランスジェンダーだったタイラーに、コンバーション・セラピー*1 を無理やり受けさせようと暴力的になる母親から逃げ出したかったのだ。「DV被害者の支援団体にコンタクトを取ると、一晩だけモーテルに泊まらせてくれました。でもその後はもう大丈夫だろうと言われ、それ以上の支援は受けられませんでした」。それから約4年、路上生活、緊急シェルター、病院、自宅の使っていない部屋やソファを困窮者に提供するプログラムを利用するなどしてしのいできた。続きを読む
フィンランドのホームレス対策「ハウジングファースト」20年の実績 2024/04/19 ホームレス問題が深刻化している多くの国をよそに、フィンランドではホームレス人口を低減させている。フィンランドが「ハウジングファースト施策」ーーホームレス状態にある人たちにまず住居を提供し、その後で個々人が抱えている問題に対応するーーに舵を切ったのは約20年前のこと。一体フィンランドはどのようにして安価な住宅を数多く提供することができたのか。フィンランドに倣い、同スキームを採用しようとしているスウェーデンのストリートペーパー『ファクトゥム』誌のライター、サラ・ブリッツのレポートを紹介する。 続きを読む
老朽ホテルを買い上げ「福祉住宅」に改修へ。バンクーバー市が進める、低所得者向け住宅政策 2024/02/22 カナダでは住宅政策として、ホテルを買い上げ福祉住宅へと転用する動きがある。バンクーバーのストリートペーパー『Megaphone』によるレポート。続きを読む
新たな住まい方、“コウハウジング”。企業の利益最大化ではなく、長く住むことを目的にした住宅開発 2023/01/05 住宅を持つことのハードルが高くなり、住宅費に苦しむ人が増えている昨今、共同出資で空間やリソースを確保する“コミュニティ暮らし”への関心が高まっている。住宅危機が深刻化しているオーストラリアで、新たな住まい方の一つとして注目されるのが「コウハウジング」、いわば集合住宅コミュニティーだ。タスマニア州にあるコウハウジングを『ビッグイシュー・オーストラリア』が訪ねた。続きを読む
“家賃が払えないなら家に住めない”は人権侵害/「ハウジング・ナラティブ・ラボ」の主張 2022/04/01 安全な住まいを得られない人々のストーリー、そして人々をホームレス状態に追い込むシステムの不備を正確なデータで指摘する、を目的に、2021年12月に米国で創設された組織が「ハウジング・ナラティブ・ラボ(Housing Narrative Lab)」だ。「困窮者は家を持てない社会」の問題点について、ラボの代表マリソル・ベッロが語る。(聞き手:国際ストリートペーパーネットワーク(International Network of Street Papers/INSP)北米支部)続きを読む
「レスパイトケア」は医療コストを抑える漢方薬? 退院しても帰る家のない人たちへのケア 2021/11/02 2021年7月19日、米テネシー州ナッシュビルに「グレンクリフ・ビレッジ」という施設が誕生した。ここでは、医療機関から退院したものの住まいがない人たちがレスパイトケア(一時的な医療ケア)を受けられる。グレンクリフ・ユナイテッド・メソジスト教会の敷地内に、小型住居「マイクロハウス」が12戸建設され、入居者は体調が戻り、かつ定住できる場所が見つかるまで、ここで生活できる。「回復するまでの過程において、人としての尊厳を保障することを目指しています」ビレッジ創立者のイングリッド・マッキンタイヤー牧師は言う。続きを読む
猫のボブが日本に遺したもの:ペットと泊まれる個室シェルター「ボブハウス」 2021/07/02 今もなお、多くの人にその死が惜しまれている猫のボブ。その影響を受けて誕生した日本の「ボブハウス」は、住まいを失った人たちがペットを手放すことなく、共に暮らしていくことを可能にしている。続きを読む
「異世代ホームシェア」。 ひとり暮らしの高齢者と、手頃な住居を求める人がハウスメイトになって語り合い、孤立を予防 2020/11/01 今日、孤立に苛まれる高齢者は増え、賃貸物件の価格上昇で手頃な住居を見つけられる人は減っている。こうした二つの課題を、シンプルかつ心温まる方法で一挙に解決しようとするのが「異世代ホームシェア」だ。先進国で広がるこの動きをビッグイシュー・オーストラリアがレポート。 続きを読む
住宅斡旋・1年間の家賃補助つきで懸命に働いてもホームレス世帯が自立できない理由とはー「早期再入居プログラム」の実態と課題:ワシントンD.C.の場合 2019/12/25 ワシントンD.C.ではホームレスの人たちへの支援として「早期再入居(Rapid Re-housing)*」という住宅斡旋プログラムが実施されている。しかし実際には、経済的自立に至らない等、さまざまな問題点が指摘されており、いったんは住まいを斡旋してもらった人たちが再びシェルターに舞い戻る事態などが起きているという。続きを読む