詩人アーサー・ビナードさんとともに、福島県内の東京電力福島第一原発事故の被災地を歩き、考え、語らい、参加者全員が詩を作る体験型ワークショップが11月16日に開かれた。国内外からの参加者はこの日、何を感じ、どんなふうに表現したのだろうか。
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11月2日、東京電力は福島第一原発2号機の核燃料や原子炉内の構造物が溶けて固まった塊、いわゆるデブリをごく微量、格納容器外に取り出した。小石状の形状で大きさは5㎜程度、重さは0.7gだという。福島第一原発事故から13年、ようやく廃炉の本丸であるデブリに到達したことになる。が、まったく喜べる話ではない。むしろ拙速さすら感じられる。
10月1日、石破茂自民党総裁が内閣総理大臣に指名され、新内閣が発足した。石破首相は9月に行われた自民党総裁選挙の中で、原発について「ゼロに近づけていく努力を最大限にいたします」と表明していた。だが首相就任後の所信表明演説では「AI時代の電力需要の激増を踏まえ(中略)安全を大前提とした原子力発電の利活用」を進めると述べた。
かつて大手電力会社は地域独占が認められ、投資は電気料金に含めて回収できていた。東京電力福島第一原発事故後、電力自由化が行われ、新しい電力会社などとの競争が必要になった。そこで、国や原子力業界は、自由競争下での原子力推進のために「原子力事業環境整備」と称して、さまざまな支援を行ってきた。
日本原子力発電株式会社(日本原電)が再稼働を目指していた敦賀原発2号機(福井県、116万kW、1987年運転開始)をめぐり、原子力規制委員会(規制委)は8月2日、再稼働を事実上認めないと結論した。日本原電が敦賀原発2号機原子炉直下を走るD-1断層の活動性を否定できなかったからだ。2012年に発足した規制委は、原子力施設の立地地盤の審査において、初めて新規制基準を科学的に適用し、適切な判断をした。