カテゴリ: 本誌からの転載記事
国と東電は漁業者との約束を守れー8月に“汚染水”の海洋放出を開始予定
福島第一原発の廃炉で発生している汚染水を海へ捨てる計画が進行している。政府は“処理水”と言い換えたが、多核種除去設備(ALPS)で処理してもトリチウムを含む30種の放射性物質が取り除かれるわけではない。薄まるとはいえ、放出が始まるとそれら放射性物質の放出が30年以上続く。海洋環境が放射能で確実に汚染される。
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「通い帰還」。暮らしの再建は見通せずー唯一の帰還困難区域(飯舘村長泥地区の一部)解除へ
2011年から現在まで、福島県飯舘村で唯一の帰還困難区域である長泥地区。
5月1日、帰還困難区域の中に設定された「特定復興再生拠点区域」と、同拠点区域外に整備された長泥曲田公園地域の避難指示が12年ぶりに解除された。
セレモニーに集まった村民は複雑な気持ちを吐露した。
処分地選定へ文献調査の誘致ー核ごみ最終処分地、全国100ヵ所訪問を閣議決定
「高レベル放射性廃棄物の地層処分政策に関する基本方針」の改定版が、2023年4月28日に閣議決定された。基本方針の策定は「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律(最終処分法)」(第3条)で定められたものだ。
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2年ぶり、福島第一原発を見学、使用済み核燃料392体。取り出し作業10年遅れ
3月20日に2年ぶりに福島第一原発の施設内を見学した。筆者含め9人が参加した。集合場所は東京電力廃炉資料館で、そこから東電のバスに乗って、第一原発へ行き、所定の手続きを経て、構内バスで見回った。
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進む原子力回帰、原子力基本法改悪ー事故の教訓を顧みない愚策、60年超の運転可能に
政府は原発回帰を進めるための法案類を、束ねて(※)今国会に上程する。束ねられるのは以下の5つの改正法案だ。このうち、「電気事業法」と「原子炉等規制法」については第190回(448号)の原発ウォッチで言及した。
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汚染土を各地へ拡散か。環境省、東京・埼玉・茨城で実証実験を計画
環境省は福島原発事故で発生した汚染土を、東京都新宿区の新宿御苑の花壇で使用する実証事業を行うと発表した。そして、昨年12月21日に極めて限られた周辺住民に対して説明会を開催した。住民からはこの限定した進め方や事業の内容に強い反発が起き、今年1月24日には150人を超える参加を得て反対集会が開催され、「新宿御苑への放射能汚染土持ち込みに反対する会」が発足した。
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失われた規制庁の独立性-原発の運転延長、経産省と規制庁が事前協議
原子力発電所の運転制限にかかわる条項を「原子炉等規制法(炉規法)」から経産省所管の「電気事業法」に移す計画について、前回(446号)の原発ウォッチで報告した。この計画について、経産省と原子力規制庁(以下、規制庁)の間で事前に綿密な協議が行われていたことが内部告発で明らかになった。もはや規制庁の独立性は失われたという他ない。
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