スポーツ界の指導は暴力と紙一重? 被害者を支える仕組みの必要性について 2023/12/07 男子ラグビーのウェールズ代表ヘッドコーチ、ウォーレン・ガットランドは、世界有数のスポーツ指導者として知られている。彼が編み出した激しいトレーニングメニューには、頭巾をかぶせられる、赤ん坊の泣き声にさらされ続けるといったものもあり、「メンタルを鍛える」とされている。ガットランド本人は「残酷なものではない」「選手からの反応も良い」と語る。 続きを読む
セクハラはれっきとした人権侵害。加害者だけでなく組織全体の検証を 2023/12/02 日本ではセクシュアル・ハラスメント(以下「セクハラ」)や性暴力のニュースを聞かない日はなく、その対策は遅々として進んでいないように思える。他の先進国ではどうだろうか。カナダ・アタバスカ大学で組織行動論を専門とするアンジェラ・L・ワークマン・スターク准教授らが、カナダでも大きな問題であり続けているセクハラ問題への対策について『The Conversation』に寄稿した記事を紹介しよう。 続きを読む
飲食店業界に蔓延する肉体的・心理的・性的な暴力 2023/11/25 2023年4月、有名シェフ、バーバラ・リンチ*1のもとで働く従業員による告発記事が『ニューヨーク・タイムズ』紙と『ボストン・グローブ』紙に掲載された。職場で暴力が常態化しているとの内容だが、飲食店業界で働いたことのある人たちなら、今さら驚くようなものでもないかもしれない。この業界に蔓延する暴力的な職場環境について、ハワイ大学ヒロ校の社会学准教授エレンT・マイサーらが『The Conversation』に寄稿した記事を紹介する。続きを読む
ピカチュウが引退しても続くポケモンアニメの世界的人気 2023/11/17 ポケモンは25年以上にわたり、任天堂が世界に誇るタイトルであり続けてきた。海外ではポケモン人気はどう解釈されてきたのだろうか。英ポーツマス大学にてメディア文化について教鞭をとるリンカーン・ジェラティ教授が、『The Conversation』に寄稿した記事を紹介しよう。 続きを読む
米国の音楽教育における5つの変化 2023/11/11 学校での音楽の時間といえば、大人数での合唱やクラシック音楽を思い浮かべる人が多いだろう。しかし、それも時代とともに変わりつつある。米国の音楽教育には、1920年代に吹奏楽が取り入れられ、1950年代にマーチングバンド(行進しながら楽器を演奏する)が広がるなど、これまでも大きく変化してきた。そしてさらに、近年起きている変化によって、幼稚園から大学まで、より多くの学生たちが学校や地域の音楽活動にかかわるようになっている。サウスフロリダ大学のクリント・ランドルズ准教授が『The Conversation』に寄稿した記事を紹介する。 続きを読む
オーストラリアの先住民が率いる「バンガラ・ダンス・シアター」。精神の時代、社会を舞台に人類の壮大なオペラ 2023/10/18 6万5000年以上前、オーストラリア大陸へ渡り、全土に居住していた先住民たちは、今や人口の3・3%だ。入植した英国人による大虐殺の歴史は現在も話題にされにくいが、蓋をした過去に目を向けてもらうべく踊るダンサーたちがいる。 続きを読む
“地元の公共市場”は地域の宝物。庶民の台所を再開発から救った一人の女性(ベトナム) 2023/10/13 ベトナムの首都ハノイ、4人家族のトラン家では夕食の準備が進む。材料は冷凍庫から取り出して解凍するのではなく、母のハ・トランが仕事帰りに近所の市場で買ってきた新鮮な豚肉と卵だ。こうした習慣は多くのベトナム家庭に染みついている。「私はハノイで7歳の頃から、おつかいで市場へ行っていました。近所には市場が二つあり、どちらも2ブロック先の近さでした」とトランは言う。続きを読む
持続可能な事業を支える「グリーンジョブ」の人材が不足している 2023/09/13 行き過ぎた大量生産・大量消費の当然の帰結として、世界的に高まっているサステナビリティ(持続可能性)の課題。企業は「最高サステナビリティ責任者(Chief Sustainability Officer)」といったポストを設けて対応に当たらせるかもしれないが、それだけではまったく事足りない。アリゾナ州立大学の教授でサステナビリティを専門とするクリストファー・ブーンが『The Conversation』に寄稿した記事を紹介しよう。続きを読む
国民の大半が電子行政システムを信頼しているエストニア。その圧倒的デジタル化状況 2023/08/13 北欧の小国エストニアは、2023年3月5日に実施された 国民議会選挙でデジタル的に大きな節目を達成させた。インターネット投票した人が初めて、有権者の半数を超えたのだ。政治学者として選挙制度を研究しているウェストバージニア大学政治学教授エリック S.ヘロンが『The Conversation』に寄稿した記事を紹介する。続きを読む