「移民」は、現代の政治や学者間での議論において、避けては通れない重要なテーマだ。しかし、世界中どの国においても、政治家や世間一般に移民を敵視する人は一定数いる。移民反対派の多くは「移民が増えると犯罪が増加する」と主張する。実際に移民が犯罪率を上昇させているなら激しい反発も理解できなくはないが、本当のところはどうなのか。
移民が犯罪にもたらす影響は“ないに等しいほどわずか”だと多くの研究が示している*1が、多くの人はそこに関連性があると思い込んでいる。「移民に対する敵意」は、犯罪そのものではなく、犯罪についての誤った認識に端を発しているのではないか――。この仮説について、マギル大学(カナダ)の経済学助教授ニコラス・アジェンマンが『The Conversation』に寄稿した記事を紹介する。
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