いま急速に広まっている「ネイチャーポジティブ(自然再興)」という言葉を聞いたことはあるだろうか。自然破壊を続けるのではなく、今よりもっと豊かな自然が存在する未来を描いていこう、いたってシンプルなコンセプトだ。
環境分野での国際的連携によって創られたこのコンセプトは、産業界、世界的リーダー、自然保護活動家から好意的に受け容れられている。だが、いつの時代も急速に広まるものには注意が必要だ。環境によしとされたアイデアが、グリーンウォッシング*1の隠れ蓑になった例もある。しっかりしたガイドラインを設けておかないと、“不都合な真実”から目をそらすために利用されるおそれもある。ネイチャーポジティブの真の意味合いについて、クイーンズランド大学環境マネジメント学のマーティン・マロン教授らが『The Conversation』に寄稿した記事を紹介しよう。 続きを読む