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カテゴリ: 翻訳記事


「移民」は、現代の政治や学者間での議論において、避けては通れない重要なテーマだ。しかし、世界中どの国においても、政治家や世間一般に移民を敵視する人は一定数いる。移民反対派の多くは「移民が増えると犯罪が増加する」と主張する。実際に移民が犯罪率を上昇させているなら激しい反発も理解できなくはないが、本当のところはどうなのか。

移民が犯罪にもたらす影響は“ないに等しいほどわずか”だと多くの研究が示している*1が、多くの人はそこに関連性があると思い込んでいる。「移民に対する敵意」は、犯罪そのものではなく、犯罪についての誤った認識に端を発しているのではないか――。この仮説について、マギル大学(カナダ)の経済学助教授ニコラス・アジェンマンが『The Conversation』に寄稿した記事を紹介する。
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アフリカゾウの数は、1800年代には2600万頭いたが、今や41万5千頭にまで減少している。ヨーロッパ諸国による植民地化、密猟、開発がすすみ人間に生息地が奪われていることが主な原因だ。そして近年、この大きな動物は、また別の深刻な問題に直面している。アフリカゾウはその固有の生理機能から、毎日数百リットルもの水を飲む必要があるのだが、気候変動がアフリカの広範囲に長期的で深刻な干ばつをもたらしているため、十分な水が飲めなくなっている。この状況が変わらなければ、アフリカ――そして世界――は、地球からこのユニークな動物を絶滅させてしまうおそれがある。
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小規模漁業に従事する女性は 世界的に約450万人、全漁業労働者の4割を占めるとされる。しかし、女性たちは、漁場や沿岸資源へのアクセスにまつわる意思決定プロセスからは外されがちだ。漁業に関する政策、法律、プログラムは歴史的に、漁業コミュニティにおける女性の存在や貢献を軽視し、女性たちを軽視する環境をつくりあげてきた。それらは男女不平等を拡大させ、女性たちの生計にマイナスの影響を与えてきた。カナダのウォータールー大学ソーシャル・エコロジカルサステナビリティの博士候補生マディ・ギャラパシらが『The Conversation』に寄稿した、「小規模漁業のガバナンスにおける女性の影響力」についての調査結果*1を紹介する。
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英バース大学のジェンダー政治学の授業で、「現代社会で人の心を動かす政治指導者は誰か」と学生たちに尋ねると、必ずジャシンダ・アーダーンの名が挙がる。歴代のニュージーランド首相たちはどうかと尋ねると、学生たちは沈黙する。従来とは異なる、彼女ならではのリーダーシップ性は国民の心に強く響き、「ジャシンダ・マニア」と呼ばれる熱烈な支持者をも生みだした。アーダーン元首相のレガシー(功績)について、英バース大学政治学教授のヒルデ・コッフェが『The Conversation』に寄稿した記事を紹介しよう。 続きを読む
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かつて暴力犯罪率の高さで悪名高かったスコットランド・グラスゴー。しかし15 年前に、警察が「暴力」に対する見方を変え、貧困の改善をすすめて社会福祉との連携を始めると、事件数は減少。画期的な事業のモットーは「人生の厳しいカードを引いてしまった人々に、希望と機会を提供する」ことだ。続きを読む
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ウクライナ戦争の終わりが見えない。戦禍を逃れて中欧諸国に流入する避難民、高騰するエネルギー価格への不満など、ヨーロッパ内の緊張は高まる一方だ。ウクライナが砲撃にさらされるのを目の当たりにし、ヨーロッパ諸国の人々は民間防衛(武力紛争等の緊急事態に備えて、一般の市民が行う非軍事的な防衛行動)の至らなさを思い知らされてもいる。カナダ・ヨーク大学の災害危機管理学准教授ジャックL・ロズディルスキーが『The Conversation』に寄稿した記事を紹介しよう。
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名の知れた企業で「月給35万円のはずが、実態は17万円だった」として求人詐欺の疑惑が話題になったのは記憶に新しい。当然、求職者は記載されている求人内容を期待して応募するのだから、問題になるのも致し方ない。しかし「スタートアップ企業の雇用の実態」についての調査によると、応募した仕事と実際にアサインされる仕事にギャップが発生する事例は珍しくないようだ。カナダのマギル大学経営学部准教授リサ・コーエンらが『The Conversation』に寄稿した記事を紹介する。続きを読む
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大切な人を亡くしたとき、心の痛みがなかなか消化されず、長く心の中に残り続ける人もいれば、亡くなった人とのきずなが日常のさまざまな場面で感じられ、悲しみを感じつつもその人がすぐそばにいてくれるような感覚を抱ける人もいる。死別による深い悲しみについて、バース大学研究員チャオ・ファンと心理学講師サム・カールが『The Conversation』に寄稿した記事を紹介する。続きを読む
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若いうちに身につけるべきとされる資質「レジリエンス」。いわゆる逆境を乗り越える力をいい、これからの時代、ますます重要になるとされている。幸い、レジリエンスは生まれながらに兼ね備えているものだけでなく、経験や他者とのかかわりから身につけることができる。

豪タスマニア大学で音楽教育に関わってきたウィリアム・ジェームス・ベイカーら は、団体での音楽活動(学校や地域の合唱団、オーケストラ、吹奏楽)を通してレジリエンスが育まれるのではないかとの仮説をもとに、調査を行った。彼らが『The Conversation』に寄稿した記事を紹介しよう。

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