カテゴリ: エネルギー
潮流発電は天候に左右されない自然エネルギー。その可能性と課題とは
英国の電力需要が、2050年には現在の2倍以上に膨らむと予測されている*1。この気の遠くなるような値に対し、化石燃料以外の道を探る英国政府は、風力発電――最も安価な再生可能エネルギーのひとつ――に大きな期待をかけている。しかし、2021年8〜9月、風の少ない穏やかな天候が続いたため、風力発電の供給量は過去5年間の季節平均をおよそ6割も下回った。原子力発電所は停止され(計画的なものと非計画的なもの含め)*2、天然ガスが世界的な需要増から入手困難な状況となる中、配電事業者は石炭火力発電所を再稼働させ、エネルギー会社は価格を引き上げざるを得なかった。続きを読む
長期停電、断水、物流ストップは他人事ではない。我が家とまちのサバイバル力を上げる方法
大規模な停電や断水を伴う地震・豪雨・台風、そしてインフラの老朽化など、想像を超える事態が起こる頻度が高まってきている。
“備え”を「自分ではない誰かがやってくれること」と切り分けてしまうのではなく「自分たちですること」と思っている市民・家庭が多いまちは、災害にも強い。
『ビッグイシュー日本版』の過去の特集のうち、インフラ停止などに備えとなる記事をいくつか紹介する。
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チリはラテンアメリカで最も再生エネルギーに投資する国。「市民サポーター」が投資、太陽光発電所「ブイン1」始動(2017)
ブタがクリーンエネルギーを生み出し、電気代削減・環境改善・農作物の品質改善!ブラジルの小さな自治体のチャレンジ
関電幹部が「原発キャッシュバック」を受けていたという報道に、「クリーンなエネルギーと謳っておきながら運営がクリーンではないじゃないか」と辟易した人も多いかもしれない。しかし小さな自治体でなら、「クリーン」な関係でクリーンエネルギーを作り、供給できる可能性がある。
ブラジル南西部パラナ州の小さな町では、一風変わった資源からクリーンエネルギーを作り出す試みが進められている。そのエネルギー源とは「豚」。養豚を主産業とするこの小さな自治体で、プロジェクトが始動するまでの紆余曲折を追った。
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困窮者を排除する限り、環境問題は解決しないーごみをエネルギーや堆肥にすることで、生活の質を向上させるサーキュラー・エコノミーの取り組み
モノがあふれかえる現代。「廃棄」という考え方を捨て、廃棄物を再資源化させる産業政策を「サーキュラー・エコノミー」といい、今、各国がその対応を問われている。
アルゼンチンのスラム街で実践されている事例をご紹介しよう。この時代を先取りした取り組みをすすめているのは、スラム街の入り口に佇むスープキッチン*「エン・アッコーレ(En Haccore)」だ。
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農業×太陽光発電の可能性は、僻地であればあるほど大きくなるー電力システムの分散化がもたらすのは地域社会への経済的効果と持続可能なアプローチ
太陽光発電式のエネルギーを使うことで農作業にどれほどのメリットがあるものなのか、ジンバブエの農家たちも気づき始めている。持続可能なエネルギー技術によって誰よりも恩恵を受けるであろう農家たちへのより良い教育と情報提供を、専門家らは呼びかけている。
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売電目的の自家発電から「電気が使えない日」にみんなで備える市民発電へ
2018年6月の大阪北部地震では17万戸停電し2時間半で復旧したが、9月6日の北海道胆振東部地震では約295万戸が停電、全ての停電が解消したのは10月4日だという。
また、災害ではなくともベネズエラのように国土全体が長期間たびたび停電ということも起こっている。
「電気は使えて当たり前」の生活をしているとなかなか意識しづらいが、いったん停電となるとできないことのあまりの多さに直面し愕然とする。
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