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カテゴリ: エネルギー


 豊かな森林資源を活用した取り組みで、環境モデル都市にも認定されている岡山県英田郡西粟倉村。1966年に建設されて47年間運転、間近に改修工事を控えた西粟倉村小水力発電所を訪ねた。

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 市民の手による地域発電所でエネルギーを生み出し、原発や化石燃料に依存しない安心で安全で持続可能な社会を実現しよう―。

 11月2日~4日、福島市で「市民・地域共同発電所全国フォーラム」が開かれ、多様でユニークな取り組みが報告された。

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 昨年4月電力小売りが全面自由化されたものの、変更率はいまだ全契約の数パーセントにすぎません。
基本的には、変更手続きは「どの事業者を選ぶか」を決め、新事業者に申し込みをし、旧事業者に契約終了の連絡をすればいいだけで、切り替え当日は特に立ち合いも不要です。
切り替えの瞬間に電気が止まるわけでもありません。
事業者変更により電力が安くなるケースもあれば、クリーンなエネルギーを推進する会社もあるというのに、この契約変更率の低さは、スイッチングにかかる心理的抵抗が大きいことが原因なのでしょうか。

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ビッグイシュー298号から、スペシャルインタビューの読みどころのご紹介その2です。 

 2016年1-9月の太陽光関連事業者の倒産は42件で前年同期比10.5%増となり、このままのペースで推移すると2000年以降過去最高となる勢いだという。(東京商工リサーチ2016年10月1日の記事より)
再生可能エネルギー業界にとっては暗いニュースのように思えるが、2016年11月1日発売のビッグイシュー298号の特集<循環が社会を変える シビックエコノミー5>に登場の「田中水力 株式会社」の記事を読むと希望が湧いてくる。読みどころをピックアップしたい。

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気候変動は、今なお意見が二分する問題の一つかもしれないが、専門家によれば、化石燃料から再生可能エネルギーへの転換は世界中で加速しているという。風力の発電量が増加し、アメリカでは今や9000万世帯以上に供給するのに十分な電力量を発電している。

また、中国では現在、ウィンドファーム(集合型風力発電所)による発電量が原子力発電所の発電量を上回っており、石炭の利用は頭打ちになるとみられている。電気自動車は今後、今よりはもっと気軽に買えるものにはなるが、再生可能エネルギーをもっと気軽に利用できるようにするには今以上の速さで促進する必要があると専門家や推進派は指摘する。

「再選を願う政治家が、石炭、石油、天然ガスとのつながりは自身の政治生命を揺るがしかねないと考えるようになる日は遠くないだろう」と、環境保護団体グリーンピース・アメリカのカイル・アッシュは言う。

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こんにちは、ビッグイシューオンライン編集部です。258号から、読みどころをピックアップいたします。


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こんにちは、ビッグイシュー・オンライン編集長のイケダです。最新号の読みどころをピックアップいたします。続きを読む
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2013年3月9日、オランダ・アムステルダムのメディアマティック・ファブリックで開催された、東日本大震災チャリティイベント「HOPE STEP JAPAN!」。 トーク・プログラムのゲストにお越し頂いた アムステルダム・スマートシティ(Amsterdam Smart City)プロジェクト・マネージャーのヘル・バロン(Ger Baron)氏の講演概要と、スペシャル・インタビューをレポートする。





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(「HOPE STEP JAPAN!」でのヘル・バロン氏の講演)




「アムステルダム・スマートシティ」とは?



2010年にアムステルダムの中心部にある運河の橋や町並みなどの歴史的建造物が立ち並ぶ運河地区が「アムステルダムのシンゲル運河内側にある17世紀の環状運河地区」として、ユネスコの世界遺産に認定されるなど、歴史的建造も多いアムステルダムは、古い町並みを保全しつつも技術革新を用いて、欧州一の環境都市の実現をかかげる。

プロジェクトの名前は「アムステルダム・スマートシティ」。スマートグリッドとあらゆる最新技術を組み合わせ、官庁、研究機関、企業、アムステルダム市民の間の架け橋となる先駆的な試みだ。首都の持つ情報や資本、都市のインフラの効率的活用を可能にすることで、持続可能で質の高いエコロジカルな生活と新たな経済成長を同時に実現することを目指している。

2025年までにCO2排出量を90年当時の40%削減を目標に、エネルギー供給の仕組みと消費量を、市民にもわかりやすい形で視覚化する。また、企業の技術力を生かし、無理なく持続可能な環境都市を目指す。

欧州でも先駆けて、最も意欲的に進められているこのアムステルダム市の環境都市構想は、2006年、アムステルダム市経済開発会議と*公益事業(ユーティリティ)企業が、持続的に発展可能な環境都市について検討したことにより始まった。そこで作成された草案をもとに、2009年、アムステルダム市とアムステルダム・イノベーションモーター(AIM)、 民間企業、LIANDER(エネルギー供給網 オペレーター)、 KPN (固定/携帯電気通信会社)などが中心となり、アムステルダム・スマートシティを設立。プロジェクトが始動した。

その後、NUON(エネルギー供給会社)、PHILIPS(電機・家電メーカー、ヘルスケア事業などの多国籍会社)なども参入し、現在、インフラ整備におけるイノベーション(技術革新)のパートナーは75組織にものぼり、2013年度の核となるプログラムの予算は、年間80万ユーロ (約9992万円)、パートナーによるインフラ整備への投資額は、年間2,000万ユーロ (約25億円)と急進している。

(*公益事業(ユーティリティ)企業とは、電気、ガス、水道、郵便、電信、電話、運輸などの公共交通機関と鉄道貨物事業など、公共利益のための日常生活に不可欠な事業を指す。オランダでは”Nutsbedrijf”と呼ばれ、19世紀から20世紀にかけて、経済·社会政策のためのツールとして、オランダ政府によって設立された。公営住宅(ソーシャル・ハウジング)も含まれる。国家や自治体から自治体、準公共または非営利団体の助成金によって開発されている。)




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(アムステルダム・スマートシティのプロジェクト分布図)




この「スマートシティ」の核となるスマートグリッドの技術は、将来的には、一般市民がエネルギー事業者に依存することなく、リサイクル・エネルギーを生産・運用することができるといった、分散型のエネルギー電源システムを構築する大きな可能性を秘めている。次にスマートシティでの実践例を見ていこう。




消費電力を視覚化することで、市民の意識を変革



アムステルダム・スマートシティは現在、5つのテーマ(住居、労働、交通、公共施設、オープンデータ)をもとに、3つのエリア(ニューウエスト、サウスイースト、アイブルグ)で32のプロジェクトを実践している。




■住居
オランダ最大の都市であるアムステルダムには40万人以上が暮らしている。全ての世帯をあわせると、アムステルダムのCO2総排出量の約33%を占めるが、スマートグリッドや省エネルギー技術を適用することで、CO2排出量とエネルギー消費量の両方が大幅に減少した。
一般家庭にスマートメーターやスマートウォールプラグ、ディスプレイといったエネルギー消費量を可視化できる装置を設置することにより、住民のエネルギーへの意識やライフスタイルの変化を促進し、消費電力の節約に繋がることつながっている。




■労働
アムステルダムには多国籍企業から個人事業主まで、数多くの企業があるが、そのオフィスは現代的なオフィスタワーでなく、古い運河沿いの歴史的建築物に立地している。スマートビルディングと名図けられたプロジェクトでは、インテリジェント技術によるビルエネルギー管理システムを導入することにより、自動的にエネルギー消費量のデータを収集し、監視・解析を行ない、冷暖房/照明/セキュリティ機能を制御する。

また、エネルギー消費は視覚化され、入居者によるエネルギー使用量の抑制も促進する。同時に、オフィスビルの屋根に太陽光発電パネルを設置したり、市役所のエネルギー消費量をオンラインで可視化するなど、持続可能で最も効果的な方法を模索している。




■交通
車、バス、トラック、スクーターからクルーズ船など交通手段から排出されるCO2は、アムステルダム市の総排出量の約3分の1を占める。 これらのCO2総排出量削減を実現するため、船舶用充電ステーションの設置やカーシェアリングのプラットフォームを市民に提供したり、市内全域に電気自動車や電動スクーターのための充電ポイントを設けている。




■公共施設
アムステルダムの市町村は、アムステルダムのスマートシティの設立パートナーとして、地域において重要な役割はたしている。「持続可能な公共空間」のために、最も効果的な方法をもちいた公共サービスの提供に力を入れる。例えば、スイミングプールのエネルギー消費量の可視化、公共施設の屋根を用いた太陽光発電、ゴミ収集における電気自動車の利用や太陽光発電によるゴミの圧縮機を各店舗へ導入するなどだ。また、学校や病院、スポーツ分野、図書館、街路等での大規模なプロジェクトを実験的に行なう。




■オープンデータ
上記の技術の開発や情報化社会の発展にはオープンデータの存在が欠かせない。アムステルダム市は活発なオープンデータのプログラムがあり、アムステルダム・スマートシティの活動の中核の一つである。使用したい人は誰でも利用可能な公共的データは、アムステルダム市民が事実と数字に基づいて、新しいアイディアを実際に移すことを可能にしている。

例えば、アムステルダムで若者から人気の繁華街、ユトレヒト・ストラート地区では、「気候ストリート」(Klimaatstraat)構想を推進している。各店舗のスマートメーターとエネルギー消費量をオープンデーターとして可視化することにより、市民のエネルギー意識とライフスタイルの変革を促進し、最終的に省エネルギー化を目指すというものだ。この地区では、 ゴミ収集に電気自動車を導入し、ゴミ圧縮には太陽光エネルギーを使用している。また、トラム(路面電車)やバスの停留所、街路、建造物の壁面に効率の良いLED照明の設置をするなど、街全体の環境プロジェクトとして、行政・企業・店舗経営者・市民が一体となって積極的に取り組んでいる。




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(アムステルダム・スマートシティのプロジェクト概要)



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(アムステルダム・スマートシティのスマートグリット構想)




震災後の福島への訪問



「アムステルダム・スマートシティ 」プロジェクト・マネージャーのヘル・バロン氏は、東日本大震災の3ヶ月前、2010年12月にスマート・シティ推進アドバイザーとして日本を訪問した。さらに昨年2012年3月2日(金)、外務省・経済産業省・環境省主催、福島県共催により福島県福島市において開催された国際エネルギー・セミナー「被災地復興へ向けたスマートコミュニティ提案」に招かれた。
この国際エネルギー・セミナーでは、 「国内外のスマートコミュニティの先駆的取組」と 「復興に向けたスマートコミュニティ提案」をテーマに、国内外からの登壇者による講演と、パネル・ディスカッションが行なわれた。

バロン氏はエネルギー・セミナーについて次のように語る。「福島では、招待された外国専門家たちが互いに経験を共有し、かつそれを日本の人々とも共有することができました。私たちが助言したのは、人を中心としたインセンティブ(=動機付け)が適切な方法であると確認してから、スマートコミュニティを始めることと、技術革新(イノベーション)を難しくしているのは、伝統的な構造であると理解することです。滞在中には日経BP、東電、ソニー、NEC、アクセンチュアなどの企業とも話しました。」

「また、セミナーのディスカッションで、『政府は自らの存在感を誇示するだけでは、実質的に被災地の人々の助けにならない』と話をしました。このセミナー以外で、福島の周辺に暮らす人々に会う機会があり、人々は政府に対して大変な怒りを感じているように見えたからです。これは私にとって印象的で、貴重な経験となりました。」




横浜市との連携プロジェクト



バロン氏: 「(日本に滞在中)私たちは日本の様々な業種の15企業代表団に招かれ、横浜市と連携し、アムステルダム・スマートシティのアプローチについて話し合いました。まだ実行に移されていませんが、最近は実現に向けてかなりスピードアップしてきました。横浜の好きなところは、日本ではめずらしい『実験とエラー(試行錯誤)が許される余裕がある』ことですね。


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(国際エネルギー・セミナー「被災地復興へ向けたスマートコミュニティ提案」 案内)






「アムステルダム・スマートシティ」今後の課題



オランダ自治行政局UWV*1の調査結果によると、大学やカレッジを卒業した高学歴の若者の失業率は、昨年比で2倍に増加し、昨年の25歳以下の失業率は15%と1980年以降では最も高くなった。

また、昨年10%を切っていたオランダの若者失業率が今年1月に15%に上昇したため、オランダ政府は失業対策として、この2年間で5000万ユーロの予算を割当てた。*2  この予算は教育機関における雇用者との研究奨励プログラム、高齢者の雇用促進を強化するために使われる見込みだが、新規事業による雇用拡大が見込まれる、アムステルダム・スマートシティの構想は、今後さらに注目されることになるだろう。

しかし、よいニュースばかりではない。2月28日付けのロイター通信の記事によると、オランダ経済機関CPBの予測では、本年度のオランダ財政赤字は3%とするEUの目標を超え、国内総生産(GDP)比3.3%、さらに2014年も3.4%となる見込みで、*3 さらに、先週、オランダのインフレ率はユーロ圏で2番目に高いと発表された。

オランダ国家統計局CBSによると、ユーロ圏の消費者物価指数の平均は1.8%だが、オランダは3.2%前後と、10年ぶりに最も高い数値となった。ちなみに2011年では、オランダのインフレ率は欧州で最も低い国の1つだった。*4 今後これらの景気停滞の影響により、アムステルダム・スマートシティの財政確保が厳しくなることも懸念される。オランダ政府は、財政赤字を縮小するために、2013年予算案として120億ユーロの大幅財政赤字削減案を盛り込んでいる。




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(「HOPE STEP JAPAN!」でのヘル・バロン氏の講演と会場の様子)




もう一つの課題はオランダが内包する多様性だ。

オランダの首都アムステルダム市は人口約82万人(2012年)であり、人口の内訳は非オランダ国籍が50.5%、オランダ国籍が占める割合は49.5%と半数を割っている。176の異なる国籍を持つ人々が暮らす、多彩な文化がミックスされたユニークな国際都市である。

しかし、近年のオランダ全域でイスラム系移民が増加し、これらの在オランダ・イスラム教徒約100人が主にシリアなどに渡り、イスラム過激派の「聖戦」に加わったとみられている。一部は既にオランダに戻っており、この影響でイスラム系の若者の過激化が進む可能性があると、オランダの治安当局は警戒を強めている。*5

今年の3月13日、オランダの治安当局は、イスラム過激派の若者たちによる国内外のテロの警戒レベルを4段階評価のうち、今までの「限定的」から上から2番目の「高い」に1段階引き上げた。

新たなイスラム系移民はこれまでオランダに住んできたイスラム教徒より信仰心が強い傾向がある。モロッコ系在蘭2世は、ハラール食品を日常的に摂取し、ラマダンを行う人も多く、モスクに通う人の中でも、モロッコ系在蘭の若者率は61%。現在、約82万5千人のイスラム教徒が、オランダに在住しているが*6、アムステルダムでは人口の半数以上がこうした「移民」で成り立っており、 旧植民地からの移民も多数暮らしている。また、オランダ生まれ・オランダ育ちの「移民」2世や3世も多く、どこからどこまでを「オランダ人」と呼ぶのか、という線引きは明確ではない。

2009年のリーマンショック以降、オランダの経済状態が悪化したことも重なり、オランダの極右政党である自由党(PVV)が、イスラム諸国からの移民受け入れ停止などの政策を掲げ、イスラム系移民排斥の動きが表面化してきた。そういった政治や世論の空気が、現在のイスラム系移民を、さらに過激派へと追い込んでいることは否めない事実でもある。

アムステルダム・スマートシティ構想が地域に根ざすにつれて、市民同士の対話や参加が不可欠となってくる。異なる国籍・宗教・思想を持ち、176の異なる文化背景を抱えるアムステルダム市民と共に、「持続可能な」強い連携をかたちづくることができるならば、アムステルダムの「スマートシティ」は新しい都市のモデルとして真に世界に誇れる取り組みとなる。そのためにも、今やマジョリティとなった移民を、どのようなかたちでプロジェクトに組み込んでいけるかが、今後の大きな鍵となるであろう。





脚注:

Amsterdam Smart City (英語)

HOPE STEP JAPAN!


HOPE STEP JAPAN! フェイスブック・ページ




*1. オランダ自治行政局UWV
雇用保険の実施、労働市場およびデータサービスを提供するために、社会雇用省から委託を受けている。

*2. 参考資料:2013年3月5日オランダの新聞

*3. 参考資料:ロイター通信の記事 “UPDATE 3-Dutch give up on EU deficit target for 2013”

*4. 参考資料:オランダ国家統計局CBSのホームページより

*5. 参考資料;JOOP.nl の記事 “Honderd Nederlandse jihadstrijders vechten in buitenland”

*6. 参考資料;Dutch News .nl の記事 “Dutch Muslims are becoming more religious”




タケトモコ
美術家。アムステルダム在住。現地のストリート・マガジン『Z!』誌とともに、”HOMELESSHOME PROJECT”(ホームレスホーム・プロジェクト)を企画するなど、あらゆるマイノリティ問題を軸に、衣食住をテーマにした創作活動を展開している。

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