柏崎刈羽原発、施設支える杭が損傷。主筋18本のうち7本が破断、11本が変形 2022/05/07 東京電力HDが再稼働をめざす柏崎刈羽原発(新潟県)では、ID(個人識別)カードの不正使用、施設周辺の監視カメラの故障放置など昨年からトラブルが続いている。そしてまた、新たなトラブルが出てきた。続きを読む
初めて、甲状腺がんで東電を提訴。10年間、手術や転移、差別に怯えてきた若者たち 2022/04/10 福島原発事故で被曝したことにより甲状腺がんになったとして、6人が損害賠償を求めて東京電力を訴えた。福島原発事故による被曝が原因での訴訟は全国でも例がなく、画期的なことである。2022年1月27日、東京地裁に提訴した男女6人は、事故当時6~16歳。その中の2人は片方の甲状腺の摘出手術を受けて現在に至る。4人は再発して2度の手術で甲状腺をすべて摘出した。うち1人は4度も手術を繰り返し、肺への転移も見つかっている。続きを読む
台湾、アジア初の脱原発国家へ。フランス、大統領が小型炉の開発をアピール 2022/03/12 COP26(国連気候変動枠組条約第26回締約国会議)開催中の2021年11月9日に、フランスのマクロン大統領は国内原発の新建設と将来に向けた小型炉の開発をアピールした。これを大きく報道した日本の主要メディアの記事は、次期大統領選挙をにらんで原発に積極的な右派を意識した政治的な意図を指摘していた。続きを読む
始まるのか? 汚染水の海洋放出 東電の放射線影響評価、潮流や海底蓄積は考慮せず 2022/01/25 東京電力HDは2021年11月17日、汚染水の海洋放出による放射線影響は「極めてわずかだ」とする評価報告書を公表した。「多核種除去設備等処理水(ALPS処理水)の海洋放出に係る放射線影響評価報告書(設計段階)」と題する報告書によれば、汚染濃度の低い汚染水を放出した場合には、年間の被曝線量は法が定める限度(1ミリシーベルト/年)の約1万分の1以下と評価し、放出できる最大濃度で計算すると約2000分の1と評価した。設計段階としているのは、まだ、放出設備の許可申請を行っていないからだろう。続きを読む
ウランにプルトニウム混ぜた「MOX燃料」英仏で再処理。フランス9月出発、11月日本到着 2022/01/09 関西電力・高浜原発(福井県)で使用する燃料がフランスを9月3日に出発した。ウランにプルトニウムを混ぜた燃料でMOX燃料と呼ばれるものだ。これを原発で使用することを「プルサーマル」と呼んでいる。続きを読む
机上の計画、島根原発の再稼働/直近に断層。県庁までわずか10km、崩壊は歴然 2021/11/20 原子力規制委員会は9月15日に、中国電力・島根原発2号機(松江市)を「規制基準に適合している」と判断した。中国電力が原発の直近を通る大断層の連動を考えずに短く見積もったことを容認し、また、周辺の火山噴火による降灰の過小評価も受け入れたといえる。今後は原発に求められる追加的な安全対策の許認可と対策工事の実施へと進み、実際の再稼働は1年以上後のことになると想定される。しかし、島根原発の再稼働には多くの問題が横たわっている。続きを読む
温室効果ガス“46%減”との公約 次期首相は継承か? 経済産業省の消極姿勢に不安 2021/10/29 前回(414号)は経産省の「エネルギー基本計画」を取り上げたが、今回はそれと密接に関連する環境省の「地球温暖化対策計画」を取り上げたい。政府はこの対策計画を9月3日に了承した。続きを読む
第6次エネ基、原発依存のまま。原発再稼働と運転期間60年への延長が前提 2021/09/18 第6次エネルギー基本計画(エネ基)の素案が公開された。これはエネルギー政策基本法(2002年)に基づき、日本のエネルギー需給に関する基本的な計画を定めるものだ。およそ3年ごとに見直しが行なわれ、今回は6回目の改訂となる。経済産業大臣がエネ基を定める時には、審議会の意見を聴くことが法定されており、総合資源エネルギー調査会の基本政策分科会で審議されている。続きを読む
被災建物の解体事業、多額の脱税容疑 下請け企業からの謝礼金や接待が常態化 2021/08/22 鹿島建設の元営業部長が8300万円もの多額の脱税容疑で仙台地検から起訴されたと、6月29、30日に複数のメディアが報道した。それらを総合すると、東北営業支店の元部長は福島県富岡町で被災建物の解体事業を請け負う共同企業体(JV)の所長をしていた2017〜18年の間に、下請けからの謝礼金や給与計2億2千万円を申告せず、これにかかわる所得税約8300万円を払わなかった。このJVは、鹿島建設、三井住友建設、飛島建設の3社が共同で組んだもので、下請け企業は200社を超える。そして2015~19年の期間には、上記の解体事業を環境省から270億円で受注している。続きを読む