汚染土を各地へ拡散か。環境省、東京・埼玉・茨城で実証実験を計画 2023/03/18 環境省は福島原発事故で発生した汚染土を、東京都新宿区の新宿御苑の花壇で使用する実証事業を行うと発表した。そして、昨年12月21日に極めて限られた周辺住民に対して説明会を開催した。住民からはこの限定した進め方や事業の内容に強い反発が起き、今年1月24日には150人を超える参加を得て反対集会が開催され、「新宿御苑への放射能汚染土持ち込みに反対する会」が発足した。続きを読む
失われた規制庁の独立性-原発の運転延長、経産省と規制庁が事前協議 2023/02/26 原子力発電所の運転制限にかかわる条項を「原子炉等規制法(炉規法)」から経産省所管の「電気事業法」に移す計画について、前回(446号)の原発ウォッチで報告した。この計画について、経産省と原子力規制庁(以下、規制庁)の間で事前に綿密な協議が行われていたことが内部告発で明らかになった。もはや規制庁の独立性は失われたという他ない。続きを読む
原発の運転期間、延長へ議論-経産省が狙う、電気事業者への権限強化 2023/02/07 原子力規制委員会は2022年10月5日、松山泰浩資源エネルギー庁電力・ガス事業部長を招き、原子力利用政策における運転期間についての意見を聞いた。続きを読む
山口県・上関原発、建設続行へ!? 建設計画は白紙のまま14年 2023/01/11 山口県上関町で柏原重海町長の病気辞任を受けて11年ぶりに町長選挙が行われた。柏原町長はもともとは上関原発計画を推進する姿勢だったが、2011年の福島原発事故以降、原発に依存しない町づくりを進めてきた。このため、原発計画に反対する人たちもある程度評価して、対立候補の擁立を見送ってきた。続きを読む
北海道寿都(すっつ)町で文献調査/核のごみ処分地に!? 住民投票も実施予定 2022/12/18 「高レベル放射性廃棄物問題から考える脱原発」と題するシンポジウムが、9月29日に北海道旭川市で開催され、筆者も参加した。日本弁護士連合会主催の第64回人権擁護大会での企画だ。続きを読む
来夏以降、原発17基再稼働へ!? 大型軽水炉の新設・建て替えを目論む政府 2022/11/26 社会経済を脱炭素や環境の持続可能性へと変革するグリーントランスフォーメーション(GX)が注目されている。7月27日に岸田首相を長とするGX実行会議(※1)が設置された。資料によれば、「エネルギー安定供給の再構築への方策、脱炭素に向けた経済・社会、産業構造変革への今後10年のロードマップを取りまとめる」という。この中には省エネのいっそうの推進や再エネの最大限の導入などの方策もあるが、ここでは原子力政策に焦点を当てる。続きを読む
東電元会長ら4人に13兆円の賠償命令、旧経営陣の責任を認める初の判決 2022/11/13 東京電力の旧経営陣4 人に対して総額13 兆3210 億円の賠償を命じる判決が出た。東京地裁(朝倉佳秀裁判長)の2022年7月13 日の判決である。訴えたのは東京電力株主の有志たちだ。「経営陣たちは福島原発事故を引き起こした責任があり、会社に損害を与えた」として、事故による損害額22 兆円の賠償を求めたのだった。提訴は2012 年3 月5 日。10 年越しに勝ち取った判決に原告らは「満点判決」と評価した。続きを読む
最高裁、国の責任を認めずー避難者の損害賠償、地裁・高裁では認めた判決さえ 2022/09/10 2022年6月17日に最高裁判所は、福島原発事故避難者が国と東電に損害賠償を求めた裁判で「賠償に関する国の責任を認めない」判決を下した。避難者が損害賠償を求めて集団訴訟を起こしている裁判は、全国で30件ほどある。東電については地方裁判所ならびに高等裁判所ではすべての裁判でその責任を認め、「ふるさと喪失」損害など賠償額の加算が決定している。今後は国の賠償基準の見直し、賠償額の引き上げが避けられないだろう。 では、「国の責任」についてはどうか。 続きを読む
泊原発に運転差し止め判決、北電、提訴から10年も安全性を主張・立証できず 2022/09/04 前回(本誌432号)に続き、北海道電力(以下、北電)・泊原発を話題にしたい。2022年5月31日に札幌地裁(谷口哲也裁判長)が泊原発の運転を差し止める画期的な判決を下したからだ。泊には3基の原発があるが、すべてが差し止めの対象だ。想定される津波に対して「防潮堤が機能せず、安全性を欠いている」というのが判決の理由である。続きを読む