英政府の発表によると、簡易宿泊所(宿舎、ホステル、B&Bなど)で生活している人の数が、1998年の統計開始以来、最大に達した*1。2023年3月の統計で、10万4,510世帯(13万1千人の子どもを含む)が、簡易宿泊施設で生活していることが明らかとなったのだ。デ・モントフォート大学教授で住宅・社会インクルージョンを専門とするジョー・リチャードソンが『The Conversation』に寄稿した記事を紹介する。
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カテゴリ: ホームレス・貧困
成人の約2100万人が身分を証明できない?!困窮者をさらに追い詰める米国の現状
サンフランシスコのストリートペーパー『ストリート・シート』で編集者として働くTJジョンストンは、かつてホームレス状態にあった。その当時、写真入りの身分証をなくしたことで、大変な生活がさらに危うくなりかけたという。実体験を踏まえ、「ホームレスと身分証」について記事を書いた。 続きを読む
「屋根がない状態だけがホームレスなのか?」/関西日英協会出張講義レポート
有限会社ビッグイシュー日本では、ホームレス問題や貧困問題、ビッグイシューの活動への理解を深めるため、企業や学校、各種団体から依頼を受け、講義をさせていただくことがあります。
今回の行き先は、関西日英協会(以下、同協会)。1935年設立の同協会は、日本とイギリスの国民間の理解と親善を深める機会を提供することを目的とした団体で、『ビッグイシュー』がイギリス発祥の雑誌であることから、“協会員にもその活動を知ってもらいたい”と社会活動部副部長の伊東正治さんがこの講義を企画してくださいました。
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人口8,400万のドイツで、約7万8千人の成人女性がホームレス状態。必要な支援とは
昔は、“ホームレス”というと、世捨て人のような風貌をイメージしたものだが、昨今のホームレスの人たちの中には、パッと見て困窮しているとわかりづらい人も多い。下記に紹介する2人の女性もそうだ。ドイツ・シュトゥットガルトの女性向けドロップインセンター「Femmetastisch」(カトリック系の女性向け社会事業、の意)で住宅緊急支援部長を務めるイングリッド・ストールに話を聞いた。続きを読む
真夏の酷暑から販売者を守るために行っていること
「ビッグイシュー」の路上販売は、「ホームレス状態、連絡先・保証人・履歴書なしでも、誰でもすぐに始められる仕事」として、イギリスではじまりました。雑誌を仕入れて路上で対面販売する形をとることで、仕事を求めるホームレス状態の方に最速その日のうちにご案内することができます。これまでに登録者数は2031人、15億5,272万円の収入を提供してきました。(23年3月末時点)
しかし近年の夏は、猛暑日としてカウントされる日が年々右肩上がりに増えています。お客様からも「路上のビッグイシューの販売者が暑さで倒れないか心配」とご心配をいただくことが多くなりました。
この記事では、よく頂くご質問にお答えする形で、ビッグイシュー日本の猛暑対策としての取り組みについてご案内します。
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無料低額診療事業の関係者がホームレス状態に至る背景とその生活を知る/京都保健会オンライン講義レポート
有限会社ビッグイシュー日本では、ホームレス問題や貧困問題、ビッグイシューの活動への理解を深めるため、企業や学校から依頼を受け、講義をさせていただくことがあります。
今回オンライン講義を企画してくださったのは、公益社団法人京都保健会(以下、同法人)の皆さん。同法人で運営している病院や診療所では、無料低額診療事業(医療費の支払いが困難な方に対して医療費を減免する制度)を活用しています。
(参考 :「無料低額診療」について )
今回は、同法人内の事務職員向けに行われた研修会「京都民医連を支える事務職員として今できること ~人権と公正の視点でいのちとケアが大切にされる社会の実現をめざして~」のメインプログラムとして、ビッグイシュー日本大阪事務所長・吉田耕一と、販売者の吉富さんがオンラインで講義をさせていただきました。
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アンティーク家具店の店主になる夢を実現させた元販売者
『ビッグイシュー英国版』の元販売者スティーブ・ワイアット(45歳)が、アンティーク家具の実店舗を持つという夢を実現させた。サポートしたのは、BBCの人気テレビ番組「ザ・リペアショップ*1」の司会者で家具修復家ジェイ・ブレイド(53歳)だ。
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精神疾患や薬物依存症者の強制入院にまつわる賛否両論
米国では、ホームレス当事者を含めた市民の健康や治安への懸念の高まりを受け、この1年ほどでホームレス問題への新しい方針を発表する都市が出てきている。その中に「民事的収容(civil commitment)」を提案するものがある。路上や地下鉄などの公共空間に駆けつけた警察や救援隊員が、“重度の精神疾患や薬物依存症あり”と認めた場合、その人を強制入院措置にできるというものだ。この法案の倫理性の是非について、サウスフロリダ大学で、保健法・公衆衛生法・医療倫理の教鞭をとるキャサリン・ドラビアクが『The Conversation』に寄稿した記事を紹介する。
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スコットランドが生理用品の無償提供を法律化。その現状と課題について
2022年8月、スコットランドは世界で初めて、生理用品の無償提供を認める法律を施行させた。この施策の現場の様子や、昨今の物価高騰の影響について、国際ストリートペーパーネットワーク(INSP)が取材した。 続きを読む