(2012年4月1日発売、THE BIG ISSUE JAPAN 第188号より)
中国、共産党が警告 「党員は宗教を信じてはいけない」
中国共産党中央統戦部常務副部長の朱維群氏が党の機関誌で、宗教信者となっている党員がいる実態を危惧し、「党員は宗教を信じてはいけない」と警告した。
警告の理由は三つあり、一つはマルクス・レーニン主義の指導的地位が揺らぐこと。二つ目は党員が宗教組織の指導者となって宗教団体の力が増大すると党の分裂を招くこと。三つ目は党員が宗教の代弁者となるのは必至であり、特定の宗教の優遇は平等を欠くこと。
実際、地方では寺院改修などの政府の宗教的業務に宗教団体が関与し、混乱を招いているという。
だが、一般の国民には憲法で信教の自由が認められているので、矛盾を指摘する声が党内外からあがっている。朱氏は最後に伝統的宗教の影響が強い少数民族居住地では、党員は風習などに柔軟であっても、思想上は迎合してはならないと締めくくっている。
(森若裕子/参照:求是、中国共産党新聞網、Voice of Tibet)