「裸婚」とは家も車もなく、裸一貫から結婚生活を始めることを指す。2008年の金融危機以降、「裸婚」に注目が集まり、登記所で9元(約100円)払って結婚証をもらうだけで結婚式も挙げない結婚を「全裸」、指輪の交換など結婚式らしいことをすれば「半裸」というように流行語も生まれている。
伝統的結婚観より独自の結婚スタイルを好むカップルもいるが、お金がなくて「裸婚」を選ばざるを得ないのが大半である。結婚時に重視されるモノは、70年代は自転車、腕時計、ミシン、80〜90年代は冷蔵庫、テレビ、洗濯機だった。
今は家、車、お金となったが、不動産価格の高騰で家は高嶺の花である。13万元(約162万円)かかるといわれる結婚式も省略、簡素化の傾向にある。
インターネット上で行われた調査で、男性の8割が「裸婚」に賛成、女性の7割が反対という結果が出た。反対理由の多くは、経済的基盤がなければ安心して生活できないからだという。
(森若裕子/参照:時尚新聞、成都晩報、東方網)
(2010年9月1日発売、THE BIG ISSUE JAPAN 第150号より)