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まちづくり
「地域レジリエンス」を高める必要性:災害に備えた相互支援体制を
2023年12月、オーストラリアの北クイーンズランドは記録的な洪水に見舞われた。洪水が引いた後、住民の関心は後始末と復旧作業に向いた。寄付物資の仕分け、近隣住民の安否確認、家の清掃など、互いに支え合いながら危機に対処して […] -
教育
成人の5人に1人が十分な識字能力や計算能力を持っていないー失読症(ディスレクシア)への理解を(豪)
オーストラリア・キャンベラの『ビッグ・イシュー』販売者シェーンは、ニューサウスウェールズ州の田舎で祖父母に育てられた。15歳で学校を退学した後は、叔父の牧場で働き始め、馬の世話をしながら馬の調教法や蹄鉄の打ち方などを学ん […] -
まちづくり
太陽光発電のコミュニティバスが公共交通が成り立たない過疎地を救う
公共交通機関がないオーストラリアのビクトリア州、サウス・ギプスランド海岸エリアにはいま、電気バスが2台運行している。屋根に太陽光パネルを取り付けた10人乗りの小型バスには、それぞれサンディとサニーという名前がつけられてい […] -
教育
セクスティング教育の必要性
セクスティングとは、自撮りのわいせつ画像や動画、あるいは露骨な文章をオンラインにアップしたり、携帯電話で送ったりすることをいう。14〜18歳の約7千人を対象としたオーストラリアの調査によると、性的な画像やメッセージを「受 […] -
公正・包摂
自閉症の人物を演じる自閉症の人気俳優クロエ・ヘイデン
「私の感情レベルは0か100なんです」と女優クロエ・ヘイデンは話す。「悲しみや失望を感じると、もうほかには何の感情も感じられなくなるんです」。その感覚にとらわれて身体的な痛みにつながることもニューロダイバーシティ*1には […] -
まちづくり
3万人近くの若者が住宅危機に。豪の支援団体が連携し「ホームタイム・キャンペーン」を展開
タイラー(25)は21歳の時に実家を飛び出した。トランスジェンダーだったタイラーに、コンバーション・セラピー*1 を無理やり受けさせようと暴力的になる母親から逃げ出したかったのだ。「DV被害者の支援団体にコンタクトを取る […] -
ジェンダー
ジェンダー・ペイン・ギャップ調査の必要性
「ジェンダー・ペイン・ギャップ」という言葉をご存じだろうか。女性の痛みへの理解不足により、男性の痛みと比べて医療上の不具合が起きやすいという格差の問題だ。女性にとっては今さらと感じられるかもしれないが、オーストラリアでは […] -
アート・文化
オーストラリアの先住民が率いる「バンガラ・ダンス・シアター」。精神の時代、社会を舞台に人類の壮大なオペラ
6万5000年以上前、オーストラリア大陸へ渡り、全土に居住していた先住民たちは、今や人口の3・3%だ。入植した英国人による大虐殺の歴史は現在も話題にされにくいが、蓋をした過去に目を向けてもらうべく踊るダンサーたちがいる。 -
アート・文化
芸術家の男女の所得格差
世界的に芸術家(アーティスト)の収入は、教育や資格を必要とする他の職業のプロよりもかなり低い。女性となると、さらに不利な状況にある。オーストラリアの芸術家をとりまく環境について、豪マッコーリー大学の経済学教授デイヴィッド […] -
ジェンダー
企業は「社会的調達」の検討を!即効性のある社会インパクトをもたらす豪ビッグイシューの女性支援事業「ウィメンズ・ワークフォース」
家庭内暴力に苦しむ専業主婦にとっては、「暴力に耐える」か「家を出る」かの二択になりがちだ。そこでビッグイシュー・オーストラリアでは、路上での雑誌販売と並行して、ホームレス状態の女性支援「ウィメンズ・ワークフォース(Wom […] -
まちづくり
新たな住まい方、“コウハウジング”。企業の利益最大化ではなく、長く住むことを目的にした住宅開発
住宅を持つことのハードルが高くなり、住宅費に苦しむ人が増えている昨今、共同出資で空間やリソースを確保する“コミュニティ暮らし”への関心が高まっている。住宅危機が深刻化しているオーストラリアで、新たな住まい方の一つとして注 […] -
まちづくり
「20分生活圏」の都市コンセプトで住み続けられるまちづくりを
高齢者による運転ミスが起こるたび、高齢者は車の免許を返納せよという声があがる。また若い世代では、経済的に車を持つ余裕がない人や持たない選択をする人も増えている。これからは、車での長距離移動を必要としない、誰もが住みやす […] -
アート・文化
ホームレス高齢女性のリアルに迫るドキュメンタリー映画『アンダーカバー』
住まいに大きな不安を抱える高齢女性たちに迫ったドキュメンタリー映画『アンダーカバー(Under Cover)』が、2022年10月からオーストラリア国内で上映されている。豪スウィンバーン工科大学アーバントランジションセン […] -
アート・文化
読書療法(ビブリオセラピー)が現代に必要な理由
迷いの多いこの世において、私たちを導いてくれる「本」。近年、さまざまなかたちで取り入れられている読書療法(ビブリオセラピー)について、『ビッグイシュー・オーストラリア』が取材した。 -
公正・包摂
知的障害者の参政権―オーストラリアで法改正の動き
日本国憲法では、障害の有無にかかわらず 、すべての日本国民に等しく参政権が保障されている。2013年の公職選挙法改正時からは、重度の知的障害のある人も投票できるようになった。自分で書くことが難しい人は、候補者 […] -
ジェンダー
ホームレス状態の女性を200人雇用し、他社の作業を代行/豪ビッグイシューの取り組み
ビッグイシューの販売者は男性がほとんどだが、ホームレス状態にある女性がいないわけではない。オーストラリアでは、ホームレス人口の42%は女性だとされ、子連れも少なくない。つまり、女性がホームレス状態となっても可視化されにく […] -
ジェンダー
女性が一生に費やす生理用品代は100万円超え? 生理にかかる女性の負担を減らす豪の動き
「生理」を理由に、世界の半分以上の人間が一生のあいだに逸する機会はどれほどになるだろうか? 約束が守れなかった、授業に出られなかった、仕事に行けなかった、スポーツの試合で実力を発揮できなかったなど。(トランス […] -
ジェンダー
男子校での男尊女卑の教育がレイプ文化を助長!? 豪のジェンダー教育についての研究結果より
「この詩を書いた女、頭おかしいんじゃね?」 シドニーにある男子校の授業で、米国の詩人シルヴィア・プラスの詩を読んでいると、ある生徒がそう強く批判した。教室にいたのは教師(筆者)を含めて全員が男性だった。生徒た […] -
気候・自然
オーストラリア森林火災のその後。コアラの数より深刻!?昆虫の減少は生態系を通じて人間社会にも影響
2019年9月から、240日以上続いたオーストラリアの森林火災。2020年3月になってようやくオーストラリア東部ニューサウスウェールズ州の消防当局が鎮火宣言したわけだが、「その後」の状況は、新型コロナウイルス関連のニュー […] -
アート・文化
「サイレント読書会」で雑念やSNSを絶つ。1冊の本を読み切るため、静かな集いを求める人たち
メルボルン在住のフリーランスライター、エリザベス・クインは近年、じっくり本を読むことが難しいと感じていた。時々思い出したように読むことはあるものの、小説を読み切ることができない。そこで彼女は、ちょっとめずらし […] -
アート・文化
小学生から高齢者まで、無職も働き盛りも、障害のある人もない人も。みんなで歌う「コミュニティ合唱団」がオーストラリアで人気上昇中
“歌う娯楽”といえば日本ではカラオケ。仲間とワイワイ、時にはひとりで熱唱、ストレス発散している人も少なくないようだ。大声で歌うことは単純に気持ちが良いものだし、健康維持にも良いとされている。そんな「歌う」ことのメリットを […] -
教育
11万人超がホームレス状態。うち3分の1が25歳以下の若者というオーストラリアでの支援状況
今年もクリスマスの季節だ。しかし、オーストラリアにはまともな寝場所さえない若者ホームレスが何千人もいるのも現実だ。そんな若者たちの支援に奮闘している施設を訪ね、マネージャーのトリッシュ・バークレーらに話を聞いた。 -
気候・自然
「異常気象が原因で家を失った」とホームレス経験者の39%が回答。届きにくい支援で負のスパイラルに
2017年8月に米国テキサス州を襲った「大型ハリケーン・ハービー」は、人々の住む家をあっけなく奪い去っていった。しかし、ハリケーン以前から家の無い人、不安定な生活を送ってきた人たちはどうなるのか。オーストラリアとニュージ […] -
貧困・ホームレス
27才で無差別殺傷事件に巻き込まれPTSDに。仕事を失いホームレスに…。『ビッグイシュー オーストラリア』販売者ブルーイ
ブルーイは、長い間PTSDに悩まされ、自殺を図ったこともある。薬物に救いを求めたが、結局は仕事を失ってホームレスになった。ビッグイシューの販売を機に、再び社会とのかかわりを取り戻しつつある。 -
経済・産業
火星移住計画「マーズワン」候補者に聞く、二度と地球に戻れなくても火星を目指す理由
おそらく、人類は今後10年以内に火星に降り立つであろう。 二度と地球に戻れなくても火星に行きたいという人が世界には何十万人といるらしい。「赤い惑星」に永住地を建設するプロジェクト「マーズワン」(*1)の最終選 […] -
気候・自然
オーストラリア、年間95基を動かすウラン輸出。先住民の〝神聖な泉〟を汚染
1月14日、15日の両日にわたり パシフィコ横浜で開催された脱原発世界会議。海外約30ヵ国からの100人を含め、延べ約1万1500人が参加。ネット中継を視聴した数は全世界で約10万人にのぼった。 69を数えたブース。脱原 […]