冬の夜長にしたためる—コラージュでつくる私の絵はがき



手紙




絵はがきを書くために、日ごろから印刷物の中の絵や写真や文字を切り抜いて溜めている。それらを組み合わせて、はがきの台紙にスティック糊で貼りつけていけば、コラージュ風の個性的な絵はがきになる。




台紙は、画材店にある画仙紙などの厚手のはがき用紙を使うと、きれいに仕上がる。大きなサイズの台紙なら、思い切った作品も可能。紙や布や糸その他の手近にあるさまざま素材を工夫して自由に組み合わせ、デジカメに取り込み、はがき大に印刷する。

はがきを洋形2号封筒(114×162mm)に入れて、封書として送ることもできる。便箋と同様に数枚にわたってもよい。絵はがきの余白に、私の今を書いてみませんか。




パソコンを使った“言葉を贈るはがき”もお気に入り。書物や新聞で、またネット上で、心を惹かれた言葉・詩句などをテキストボックスに書き込み、画像とともに構成する。

コンパクトにするため原文を縮めたときは、省略部分にその印をつけ、出典も明記すれば完璧である。結局、誰に出すことなく手元にしまっておくこともあるが、それはそれでよい。愛着を持った言葉は、自分にとってきっと意味があるから。




はがきの表の半分の面に手紙文を書くときは、相手の人のことを思いながら、自分の中から言葉をひきよせ、たぐりだして書く。

そのときの何ともいえないよるべなさと緊張感が、手紙を書くという時間のいちばんのおもしろさでもあり、かけがえのなさでもあると思う。かたわらに人がいるところでつける日記のようなもの、かもしれない。

(國井由紀子)





(2007年1月15日発売、THE BIG ISSUE JAPAN 第65号 [特集 冬、満喫—冬ごもりレシピ]より)