子どもを産んで、異常に涙もろくなりました
初めて気がついたのは、息子を連れてウルトラマンショーに行った時です。劣勢になったウルトラマンに向かって、子どもたちが「ウーターマン、がんばれええ~っ!」と絶叫した瞬間に、目からブワーッと涙が出て、自分でもびっくりしました。
先日の子どものピアノの発表会では、他人の子どもの演奏で、涙腺が全開。ちなみに、ベタな恋愛ドラマとか、映画とかでは涙は一滴も出ません。一歩間違えると、やばい人に勘違いされそうで困っています。
(女性/32歳/主婦)
このお母さんみたいに、泣ける人はうらやましいわ。世の中、泣く場面になっても、涙が出ない人が多いですよ。僕なんかもそうだけど、男の人は、感情を出すという場面では、泣くよりも怒りに出ちゃう。感情表現が下手なんやね。
最近、涙がこみ上げそうになったのは、仲間の販売者と話している時。その人のところに、子連れのお客さんが来てくれて、子どもが「ママー」ってジャレたついでに、販売者にも手を伸ばしてきてくれたんやって。
「こんなオレにもなついてくれるんかと思うと、泣きそうになった」って僕に言ってるはしから、またウルッときているのを見たら、僕もきちゃってね。同じ時期に販売を始めて、一緒に頑張ってきた人だから、僕もうれしかった。
泣いたとなると、ここだけの話、ちょっと前に流行った『世界の中心で愛を叫ぶ』。セカチューは2、3回観たけど、泣いたな。
それから、映画版『北斗の拳』。ラオウが天に向かって拳を上げながら、死んでいくシーンね。これぞ男の生きざまって感じで、カッコよかったな。
日雇い労働者をやっていた販売者には、映画好きな人がたくさんおる。ひとり暮らしだと、単調な生活でしょ。さみしがり屋なのに、人づき合いが苦手だから、お金があったら、パチンコや、競馬・競輪。それらをしない真面目な人は、映画で気を紛らわせて、ごまかすんですよ。
お母さんには、家族がいて、子どもがいて、日常生活に喜怒哀楽のドラマがある。僕らみたいに、わざわざ映画やドラマを観て泣く必要なんてない。幸せなことですよ。涙もろい人は、その分、喜びも大きいんじゃないのかな。流せる涙は、流した方がいい。ただ、あんまり泣きすぎると目が腫れてしまうかもしれないね。それだけ、注意してな。
(大阪/Mさん)
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