この季節、新緑を楽しむために公園や山、森に行く人もいるだろう。
緑の美しい季節にあわせ、『ビッグイシュー日本版』358号では森や木をテーマに「森の時間」を特集。ここから読みどころをピックアップしたい。
森林浴でストレス減少、がん予防!?
森林の緑は目や気持ちにやさしいだけでなく、木の香りが人間によい影響を及ぼしているとして、研究が進められている。©photo-ac
東京大学名誉教授の谷田貝光克によると、樹木由来の揮発性成分ががんの抑制に寄与しているという話のほか、ある身近な木の葉をちぎった時に広がる香りには、胃潰瘍の原因となる細菌「ヘリコバクターピロリ」の繁殖を抑える成分が含まれるという話、その他「寝つきが良くなる」「ストレスを緩和する」「白血病予防に効く」などのエピソードを紹介している。
森に行くことができないとしても、公園の木陰のそばにいるだけでも効果があるはずとのことなので、ぜひ試してみてほしい。
間伐材で自作のアルプホルン、作成キットの開発やクラブ活動、年間40回以上の演奏会
森林を健全な状態に保つには、きちんとした手入れ=「間伐」が欠かせない。その間伐の際に生み出される「間伐材」を利用した製品として、思い浮かぶものは「割り箸や爪楊枝などの生活用品」「合板」「木のおもちゃ」「バイオマス燃料」などではないだろうか。
しかし中川重年さんは間伐材により付加価値をつけようと、スイスなどの山地の住民が使う楽器「アルプホルン」を間伐材で自作しはじめた。
ひょんなことからいきなり1ヵ月で自作してみせたことをきっかけに、仲間とアルプホルンのクラブ活動もはじめ、「全国手づくりアルプホルン連盟」に発展し、2005年の愛知万博では137本の演奏を実現したそう。
2019年にはカンボジアでも演奏 写真提供:NPO法人玉川アルプホルンクラブ
さらに、アルプホルンを作った時に出る木くずを燃料に仲間とピザを焼くなど、「木」を余すことなく利用して人のつながりに活かしている。
その他、南日伸夫さんによる「フォトエッセイ 5 月の森時間」も収録。
「新緑を見ると心が落ち着く」という本能に従って、この緑の季節に森林と触れ合うヒントを『ビッグイシュー日本版』358号で見つけてみませんか。
ビッグイシュー358号ではこのほかにも、
・リレーインタビュー。私の分岐点:能楽師 津村禮次郎さん
・スペシャルインタビュー:ローズ・マッゴーワン
・国際:スイス、DV被害の4人に1人は男性。「男らしさ」に縛られ、孤立する被害者たち
・ビッグイシュー・アイ:“創憲の時代”に民間人起草の「五日市憲法」とは?/新井勝紘さん
・ホームレス人生相談:20代男性からの「メンタル弱いが好かれるリーダーになりたい」の相談
など盛りだくさんです。
ぜひ路上にてお求めください。
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『ビッグイシュー日本版』「木」関連バックナンバー
THE BIG ISSUE JAPAN335号特集:「樹木と対話」
https://www.bigissue.jp/backnumber335/
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