(編集部より:The Big Issue UK(ビッグイシュー英国)から、ビッグイシューにまつわる批判への回答記事を掲載いたします。)


英国ビッグイシュー販売者にまつわる誤った神話への回答集

ビッグイシュー英国は、これまで20年以上にわたり多くの人々の生活を大きく変えてきた。しかし、イギリスで素晴らしい働きをしている他の組織についてと同様に、このストリート・ペーパーをめぐってもいくつかの「神話」が育っている。

そこで、23周年を祝うにあたり、英国ビッグイシューは、雑誌の販売者にまつわる誤った神話(思い込み)について回答を試みた。

(文:ビッグイシューUK・スタッフ)


「販売者は雑誌をただで入手している」

そうだったら、販売者は喜ぶかもしれない。彼らは1冊につき1.25ポンドを払って仕入れをします。目抜き通りの小売店とまったく同じように、雑誌を在庫として買っているのです。

購買者が支払う2.50ポンドのうち、1.25ポンドは販売者に、もう1.25ポンドは、次週の号の出版費用と事業の運営費として私たちの手元に入ります。

これはビジネスであり、創業時から23年間ずっと、変わっていません。


「販売者は私より良いジョギングシューズを履いている」

すばらしい! これこそビッグイシューの仕組みがうまく行っている証拠です。販売者は雑誌を売り、貯金し、靴を手に入れたのですから。その彼らを讃えましょう!


「ビッグイシューはホームレスの人を使って大金を儲けている」

ビッグイシューは社会的企業です。これは、事業で出た利益をホームレス状態やとても不安定な居住状態にある人、非常に大きいハンディを持つ人を助けるために再投資するという仕組みです。


「ビッグイシューは保守主義者そのものだ」「社会主義者のクズだ」

右派、左派、主流派あるいは反主流派−−私たちはあらゆるタイプの政治家に務めを果たす責任を問います。


「もしお金をあげても、販売者はそれをドラッグや酒に使ってしまうだけだろう」

私たちは、依存症の問題を抱える販売者もサポートしますが、すべての販売者がこのような問題を抱えているわけではありません。

それに、あなたにしろ他の誰にしろ、一生懸命稼いだお金を何に使うべきだと言える人がいるでしょうか?

たまにはナイトクラブ出かけたり、ジャンクフード(カロリーばかり高くて栄養のない食品)を食べたり、毎週金曜日にワインを買ったりしても、それはその人の自由ではないでしょうか。

自分が支払ったお金でビッグイシュー販売者が何をするかを気にする人は、人のお金で銀行が何をしたかに目を向けてみてください。完全無欠な人はいないのです!


「彼らには販売ノルマがあり、達成しないとクビになる」

販売者はごく小規模な(マイクロビジネスの)事業者で、各自は独立して働いています。

私たちは彼らを雇用しているわけではありません。しかし、販売や金銭管理スキルを伸ばすのを助けるために、目標設定を一緒にしたりします。

もし、販売者が一週間にわずかな部数しか仕入れず、それを物乞いの隠れ蓑にしていた場合は、販売者規則に違反しますので、そのような人には雑誌の販売を停止します。

(*注:英国のビッグイシューは週刊誌)


「お金だけをあげて、雑誌は受け取らない方がよい」

ビッグイシューは、ジャーナリズムの賞もいただいたことのある素晴らしい雑誌です。ぜひ手にとって読んでみてください。きっと気に入ります! 

販売者から雑誌を受け取らずに施しをすることは、私たちが大切だと信じている理念に大きく反するものです。

雑誌を受け取るからこそ、彼らは物乞いをしたのではなく、働いたことになるのです。販売者を物乞いに貶めないでください。


「ビッグイシューの販売は“いかさま”仕事でしかない」

混雑した路上で雑誌販売者を務めるのは、楽な選択肢ではありません。

もしあなたが、手っ取り早く稼ぐという意味で「いかさま」の仕事を探しているのなら、ビッグイシューの販売者にはならないでしょう!

私たちの販売者はどんな天気でも路上に立ちますし、多くの人は生活するのに十分なお金を稼ぐためにとても長時間働くのです。

「ビッグイシューの販売はいかさまの金稼ぎだ」と言うのは、「仕事をするのはいかさまの金稼ぎだ」と言うのと同じことです。


「ずっとする仕事ではないと言うが、私が雑誌を買う販売者は長年雑誌を売っている」

ビッグイシューに来る人の中には、社会で普通の生活ができる、あるいは普通の生活に戻れるようになることが決してない人がいることは認めなければなりません。

このような人々が販売者としてビッグイシュー販売の仕事を続けることは、彼ら自身にも社会にも良いことだと思いますし、販売の仕事をやめてサポートを失うことはおそらく彼らを物乞いに追いやるでしょう。


「ビッグイシューはホームレスの人だけが販売できると思っていたが、私のアパートの隣人は販売者だ」

販売者のサポートはあまり早く切りすぎてはいけないということを、私たちは苦い経験から学びました。

私たちの多くがあまりにも普通に行っていて訓練が必要とさえおもわないスキル、たとえば、食事や家賃、生活必需品を十分まかなえるお金をとっておくことや、請求書を期日までに支払うことなどを完璧に身につけ、もうサポートを必要としないと確信が持てるまで、ビッグイシューは販売者をサポートし続けます。


「ロマ人たちがビッグイシュー販売をのっとって、イギリス人販売者が販売できなくしている」

販売場所も沢山ありますし、雑誌も沢山印刷します。だから、こういったことはありえません。

世界は広く、私たちはすべての販売者を、その出自を問わず等しく歓迎します。


「販売者は福祉手当を得るためだけにビッグイシューを売っている」

ビッグイシューは、福祉手当や移民法や所得税をごまかしたり、不正に受給するといった行為を勧めたり見逃したり、隠す手伝いをしたりすることは一切ありません。私たちは、目標を実現するために、政府期間や地域の公的機関と協力しながら活動をしています。

ビッグイシューの販売者が受給する権利のある福祉手当は、英国の他のすべての人と同じもののみです。


「チャリティに寄付をすることが好きなので、雑誌は受け取らず、販売者に寄付をしている」

私たちはチャリティ団体ではありません。ビジネスです。販売と広告収入によるビジネスをしています。

チャリティを行う団体としてはビッグイシューファンデーションがあり、販売者が少しでも前に進むための手助けします。ビッグイシューファンデーションにはそのための助成金などの仕組みもあります。


「販売者が(高級スーパーマーケットの)ウェイトローズで買い物をするのを見た。彼らは私より良い生活をしている」

小さな贅沢をする資格は誰にでもありますし、あなたがビッグイシューの販売者と同じくらい懸命に働いているならば、特にそうです。笑顔で「こんにちは」と言ってください。(そこで買い物ができるということは)きっと、彼らの一週間が実りの多いものだったということですから!


----この記事の著作権は以下に属する。---

www.street-papers.org / The Big Issue UK


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---ビッグイシューについて---


ビッグイシューは1991年ロンドンで生まれ、日本では2003年9月に創刊しました。

ビッグイシューはホームレスの人々の救済(チャリティ)ではなく、仕事を提供し自立を応援するビジネスです。1冊350円の雑誌を売ると半分以上の180円が彼らの収入となりますが、モノやおカネではなく「チャンス」を提供する事業です。

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