(2014年5月1日発売、ビッグイシュー日本版238号より転載)

来年、仙台市で「2015年国連世界防災会議」の開催が決定。このため、世界各地で災害支援や防災、減災活動をしている海外の市民社会組織(CSO)のメンバーが3月23日、福島県を訪れ、地域で活動する市民らから震災後の現状について聞き取りを行った。「2015防災世界会議CSOネットワーク」(国際協力NGOセンターJANICなど事務局)の招き。

訪れたのは、マーカス・オクスレーさん(市民社会による防災国際ネットワークGNDR代表)、マヌー・グプタさん(アジア防災・災害救援ネットワークADRRN代表)、スリ・フスナイニ・ソフジャンさん(ワイロウ・コミッション)。3人はヒアリングを終えた後、市民を交えて福島市内で懇談した。

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ワイロウ・コミッションは95年の北京国際女性会議を契機に設立され、世界各地で災害に遭った女性や子ども、社会的弱者の支援と人権活動を行っている。ソフジャンさんは「災害後の状況を市民レベル、地域レベルで考えた時、女性や子どもの被害が見えにくくなる。どのように支援し、意見を政策に反映させていくかが重要」と語った。

またオクスレーさんは「気候変動や貧困、食品の安全など、世界の災害は複雑な要素が絡み合い、地域レベルで関連しており、一つの防災計画だけですべてを解決するということが難しい現状になっている。地域住民がどのような危機感を抱えているのか、その地域で住民がどのように活動しているのか、またどのような支援や連携が必要かということを、各CSOの役割も踏まえて、組織横断的に取り組んでいる」と話した。

3月26日には都内にて、JANICの主催でシンポジウムが開催された(CWS JAPAN、ピースボート災害ボランティアセンター、福島大学うつくしまふくしま未来支援センター協力)。市民の災害ネットワークについての議論が交わされた。
(文と写真 藍原寛子)


「2015年国連世界防災会議」の詳細についてはこちらからご覧になれます。

第3回国連防災世界会議 仙台開催実行委員会