夏休み子ども保養相談会開催:全国36市民団体と170家族が参加

(2014年7月15日発売、THE BIG ISSUE JAPAN 243号より)

夏休み子ども保養相談会開催:全国36市民団体と170家族が参加

DSC03675 ビッグイシュー日本版

 6月14、15日、東京電力福島第一原発事故の影響を受けた福島県やその周辺地域に暮らす子どもたちを夏休みの期間受け入れたいと、全国36の市民グループが参加して福島県二本松市と白河市で相談会を開いた。主催は311受入全国協議会、後援は二本松、白河両市と両市教委など。今回初めて、福島県が後援に加わった。

 この日の保養相談会には、夏休み保養を希望する親子が参加。2日間で約170家族、360人が来場し、各団体が開設したブースで保養プログラムの内容について説明を聞き、申し込みをした。

 市民グループは、東日本大震災直後から被災地の子どもや家族の受け入れを行ってきた。それぞれプログラム概要がわかるパンフレットなどを準備。参加した親子らは、各団体のブースを自由に回って資料を受け取ったり、担当者の説明を聞いたりした。

 親子で保養を希望する福島市の鈴木のり子さんは「相談会について今まで知らず、初めて参加して、いろいろな情報が得られてよかった。まだまだ福島のことを気にかけてくださる方々がいらっしゃることがわかりました」と話した。

 受け入れ団体の一つ、人口400人、高齢化率48%の福井市殿下地区は、震災の年から住民が自発的に民泊受け入れを実施したが、滞在した福島の親子らによって地元の特産の掘り起こしにつながった。そして、交流人口を増やすNPO法人「殿下未来工房」の設立、地元の女性たちの農家レストランオープンに至った。副理事長の堂下雅晴さんは「原発問題が当分収束しそうにない中で、子どもたちには保養が有効と聞いているので、今後も保養事業は続けていきたい。殿下地区は保養で交流人口が増え、地域の活性化にもつながっており、僕らも助けられている」と語った。

 311受入全国協議会は、11月にも相談会開催を予定している。保養への問い合わせや申し込みは、インターネットサイト(http://www.311ukeire.net/)から各団体へ。相談会については電話090-3390-9946(みかみさん)、または電子メールukeire.soudan@gmail.com(早尾さん)へ。

 (文と写真 藍原寛子)