6月1日付けのILO(国際労働機関)報告書で、全世界で今も2090万人が、心身の自由を奪われ強制労働に従事させられていることがわかった。
内訳ではアジア・太平洋地域が約1100万人で全体の56パーセントを占め、次にアフリカの370万人、ラテンアメリカ180万人が続く。強制労働に至った理由は、借金のかた、人身売買、ほぼ無賃金の違法な契約を結ばされたケースなど。
工業や農業分野のほか、性産業に被害者が多いが、220万人はILOの基準に達していない刑務所や、政府軍、反政府軍などに捕われ、働かされている人々だ。また、全体の26パーセントが18歳以下の子どもだった。
ILOが7年前に統計を始めて以来、大多数の国・地域で強制労働を禁じる何らかの法律がつくられてきた。ILOのベアテ・アンドレース氏は語る。
「ここ数年の世界不況の中でも、被害者の数が増えていないことは評価できます。今は強制労働の定義をより明確にし、人身売買のような強制労働につながる行為をきちんと処罰の対象にすべき時です」
(参照:UN news)
(2012年7月15日発売、THE BIG ISSUE JAPAN 第195号より)