今日は難民として異国に暮らす男性三人の「父の日」にスポットライトをあてました。



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父の日は、世界中の家族が幸せを祝うめでたい日だ。だが、戦争や紛争で引き裂かれた家族にはつらい日でもある。祖国に家族を残し、命からがらスコットランドに避難してきた父親から話を聞いた。家族と再会するまでの苦労、父の日に子どもたちと過ごせないつらさを語ってくれた。
記者:Alison Gilchrist


ハゴス㈰

元教師のハゴス、今年も故郷エリトリアから5600キロ以上も離れた土地で一人ぼっちで過ごす。

父の日は、かつてのヤコブ・ハゴスにとっては家族と祝う日だった。しかし、ハゴスは今年も家族が暮らすエリトリアから5600キロ以上も離れたスコットランド・グラスゴーで一人ぼっちで過ごす。

「祖国を離れる日がくるなんて思ってもみませんでした」。生物学の元教師ハゴスは、抑圧的な政権当局によって勾留され、拷問を受けた後、2011年にスコットランドに逃れてきた。家族との面会も禁じられ、家族を残して国を離れるしかなかった。息子と再会できる日がいつになるのかも分からない。

「最後に息子に会ったのは5年前。勾留される前でした」とハゴスは言う。

「息子は今もエリトリアに住んでいます。私が違法に国外逃亡したので、息子は合法的な出国を認めてはもらえません」

「息子は10歳になりました。父親と離れ離れで、どんな気持ちだろうと思います。私のことも忘れてしまうのじゃないかって」

難民の数は第2次大戦後最多の5950万人に

2015年6月、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、国内避難民を含め、故郷を離れざるを得なくなった人々の数が第2次大戦後最多の5950万人に達したという報告書を発表した。
https://www.refugee.or.jp/hope/numbers.shtml

難民認定を受ける人々にとって避難所探しは第一段階にすぎない場合が多い。次の課題はバラバラになった家族との再会だ。 赤十字社によれば、家族を英国に呼び寄せようとする難民の大多数は成人男性だ。子持ちの場合も多く、そんな父親たちは愛する家族を呼び寄せる方法を必死で探している。家族と合流するため、英国への渡航申請をする人々の95%は女性と子どもだという。

紛争で家族と引き裂かれた父親たちの苦悩

ムニールは、シリア紛争を逃れてきた480万人のうちの1人だ。苦しい思いに耐え、彼はついに3年前グラスゴーで妻子と再会を果たした。

しかし、誰もがムニールほど幸運なわけではない。同じくシリアからグラスゴーに渡ってきたサアッドが家族と再会するまでにはたくさんの問題が立ちはだかっている。

スコットランド難民支援協会で対策スタッフを務めているグレアム・オニールは、紛争で家族と引き裂かれた父親たちの苦悩やフラストレーションを目のあたりにしてきた。

「私たちは皆、こうした話をわがことのように感じるはずです」とオニールは言う。「家族に安全でまともな暮らしをさせたいと願うのは人として最も基本的な感情ですから。しかし家族が再会したくても、英国の規則には融通の利かない制約があり、そのことに苛立つ人も少なくありません」

ヤコブとムニール、そしてサアッドにとって、父の日は喜びと悲しみを味わう日になるだろう。
INSP.ngoのご厚意により

サアッドの物語/アサド政権の組織に追われ、観光ビザでシリアを脱出:難民たちの「父の日」② 6月18日公開!

ムニールの物語/「死ぬわけにはいかなかった。家族も死なせるわけにはいかなかった」家族と離れ離れの逃避行。:難民たちの「父の日」③ 6月19日公開!









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