現代社会では様々な地球レベルの環境課題が叫ばれる。地球温暖化、砂漠化、海洋汚染、放射能汚染、絶滅危惧の動物等々…。



しかしそれらの課題を知ったところで、何かしらの対策のため今日から行動できるという人はごく稀だろう。
変化はゆっくり進んでおり、「緊急性」は感じられないからだ。
しかし、「緊急性」を感じないまま、進化に適応できずに滅びていった動物たちは数えきれない。誰もが知る大型動物、「マンモス」もその1つ。

11月1日発売の『ビッグイシュー日本版』では、「マンモス絶滅と気候変動」を特集。
地球環境と人類の近未来に思いを馳せてみる。


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ケナガマンモス、1万年前に姿を消した理由/福田正巳さん(北海道大学名誉教授、福山市立大学名誉教授)

マンモスの祖先は小型の豚のような「モエリテリウム」で、その化石は3500万年前にさかのぼる。そこから長い時を経て、何種もの種類に進化し、そして絶滅していった。約40万年前に現れ、寒冷地に適応した「ケナガマンモス」は最後まで生き抜いたが、1万年前に突如として姿を消したという。


02

生きたマンモスを見た人はいないはずなのに、「1日100キロの草を食べ、妊娠期間は2年、メスは一生のうちに6~10回出産した」とのこと。なぜそんなことがわかるのか?推測の詳しい根拠は本誌をご覧いただきたいが、絶滅の理由はいまだ解明されておらず、「気候変動説」「モンゴロイドによる過剰狩猟説」「ウイルス蔓延説」などがあるという。

北海道大学名誉教授、福山市立大学名誉教授の福田 正己さんが、それぞれの説と自説を紹介しつつ、現代のアフリカゾウが絶滅しかねないと警鐘を鳴らしている。


ふくだ・まさみ
東京大学理学系大学院博士課程修了、理学博士。
北海道大学低温科学研究所教授、東京大学理学系研究科大学院併任教授、福山市立大学名誉教授、日本雪氷学会理事。
主な著書に『極北シベリア』(岩波書店)、『極地の科学―地球環境センサーからの警告』『寒冷地からの警告』『寒冷地域の自然環境』(北海道大学図書刊行会)など多数。



永久凍土が融解すると、家が傾く?/横畠徳太さん(国立環境研究所「地球環境研究センター」主任)

北半球にある陸地の約4分の1を占めるという永久凍土。「永久」というと何千年も凍っている土地のように聞こえるが、実際は地中温度が2年以上0℃以下で凍結している地面のことを指す。ただ、現在見られる永久凍土は少なくとも2万年前ほど前から凍り付いているものなのだが、その融解が近年急速に進んでいるという。永久凍土が融けると、いったい人間の生活にどう影響があるのか。

03

国立環境研究所「地球環境研究センター」主任研究員の横畠さんによると、アラスカではすでに永久凍土が解けて地盤沈下が起きて家が傾いてしまったり、ロシアでは地下の石油パイプラインが地上に浮き出てしまったところもあるという。
融け出た地下水から「現在の空気の数千~数万倍の濃度」の温室効果ガスの発生や、ツンドラの火災も多発するなど、温暖化による永久凍土の融解は、地球環境に何らかの影響を必ず及ぼす。

よこはた・とくた
1974年生まれ。東京都出身。国立環境研究所「地球環境研究センター」(気候変動リスク評価研究室)主任研究員。数値シミュレーションや現地調査によって、気候変化のリスク評価、地球システムの変動メカニズムに関する研究を行う。

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日常生活を送る上ではなかなか意識しづらい「気候変動」や「環境問題」。
しかし、いつかは必ず訪れるそのときに備えて、私たちができることは何か・・・そこに思いを馳せるきっかけとなる「ビッグイシュー日本版」322号、ぜひ路上にてお求めください。

ビッグイシュー322号ではこのほかにも、

・スペシャルインタビュー:井浦新&瑛太
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など盛りだくさんです。

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ビッグイシューのゾウ・地学・歴史関連バックナンバー

THE BIG ISSUE JAPAN246号

特集:アフリカゾウとともに生きる
アフリカゾウが絶滅のおそれ。アフリカゾウと地元住民、象牙密猟の実態、そして、象牙消費国の、私たち日本人に何ができるのかの特集。
https://www.bigissue.jp/backnumber/246/

THE BIG ISSUE JAPAN302号

特集:奇跡の水月湖 世界“標準時間”への旅
“年縞”をめぐる研究から地球環境と人類の歴史を知る特集。
https://www.bigissue.jp/backnumber/302/

THE BIG ISSUE JAPAN210号

特集:動く大地を生きる
地震・活断層、火山の研究者に「動く大地の上で安心して暮らすための知恵」を聞く。
http://www.bigissue.jp/backnumber/210/








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