日本の空き家率は13.4%、実に840万戸もの家が空き家だ(2013年総務省調べ)。その数は年々増加傾向にある。

管理する人がいないと家は老朽化してしまうため、日本中で老朽化した建物が取り壊され、”ゴミ”となってしまっているのが現状だ。
少子高齢化、人口の都市集中でその状況は当分とどまりそうにない。
その「もったいなさ」に目を付けた2つの事業を、12月1日発売のビッグイシュー日本版324号の特集「生き返れ!古材とモクチン」で紹介している。
古い家の解体現場で古材を”レスキュー”。DIYでオリジナルの家具作り
長野県諏訪市にある「リビルディングセンタージャパン」(通称リビセン)は、米国のポートランドにある同名のNPO法人から認証を受けた、日本唯一のお店だ。
リビセンの仕事は、家屋の解体の知らせを受けて解体現場に赴き、古材や古い家具、食器などを救い出す”レスキュー活動”。
それらは古材として販売されることもあれば、DIY素材となったり、新たな品にリメイクされて販売されたりすることもある。
広葉樹 兄弟板 各26,000円(リビルディングセンタージャパンWebサイトより)
いろいろ木箱900円から(リビルディングセンタージャパンWebサイトより)
親の代から受け継いだ家を守り切れなかった人々の”うしろめたさ”も含めてレスキューしていると話すのは、リビセンの代表の東野さん。
古材には、いつどのような建築物からレスキューされたのかが示されるプレートが張られている。単なる材料としてではなく、次の使い手に”想い”もリレーされるのだ。
本誌324号ではDIYの様子や、この事業を始めることになったきっかけ、事業の展開について語ってもらった。
リビルディングセンタージャパン 〒392-0024 長野県諏訪市小和田3-8 0266-78-8967 info@rebuildingcenter.jp 定休日:水曜日・木曜日 営業時間:11時~18時 http://rebuildingcenter.jp/ |
ニーズの少ない「古い木造賃貸物件」をリノベーション、「住みくなる物件」にするレシピ
次に登場するのはNPO法人「モクチン企画」(モクチンとは「木造賃貸」のこと)。
狭い、暗いといったイメージが付きまとう木造賃貸アパート物件を、明るく開放的な空間に変える改修レシピを考案・公開している団体だ。
改修レシピは「ゆるやカーテン」「ギンギラキッチン」「ねじこみボックス」など、名前を聴くだけでワクワクするような名前がつけられ、図面や仕様とともにWebサイトで公開されている。
(Before)
↓
(After)「縁側ベルト」と「ポツ窓ルーパー」のレシピを使った例
改修後に長期間借り手のいなかった部屋に入居者が決まったり、高齢者ばかりの物件に若者が入ったりということはよくあるとのこと。
なぜそのような改修レシピを、彼らは丁寧に図面や仕様まで用意して公開しているのか?
その思いは、本誌324号を参照いただきたい。
モクチン企画 木造賃貸アパートを重要な社会資源ととらえ、再生のためのプロジェクトを実践しているNPOであり、建築系のソーシャルスタートアップ。11年より「モクチンレシピ」をオープンソース化し、家主や不動産事業者などさまざまな主体と協働。「つながりを育むまち」を合言葉に、木造アパートの改修を通して豊かな都市と生活環境の実現を目指す。 http://mokuchin.jp/ |
ビッグイシュー324号ではこのほかにも、
・スペシャル企画:ボブとジェームズ、東京へ行く
・ビッグイシュー・アイ:世界エイズデー。感染に気づかず、HIVをリアルに感じないことが問題
・国際:月1回の無料「獣医ナイト」。ペットが友の、若者ホームレスへのサービス
・ワンダフルライフ:40歳を過ぎて出合った大阪の凹凸や崖、高低差――新之介さん
・ホームレス人生相談:40代女性「年を重ねることはもっと尊重されていいことだと思うのですが、外見の若さを追いかける風潮が本当に疑問です」
など盛りだくさんです。
https://www.bigissue.jp/backnumber/324/
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