現代の私たちが口にするコメや野菜は、長い歴史の中でより多くの人間に愛されるよう、品種改良されてきたものだ。しかしこれは果たして「人間のためにしてきたこと」なのだろうか。
じつは、米や野菜たちが、自らの子孫を残すために、「より多く自分たちを食べさせ、人間に改良させてきた」のかもしれない。
人間は、飢えないために。コメや野菜たちは、より多くのタネを残すために、共進化を遂げてきたのだ。



ご飯が美味しい季節、11月1日発売の『ビッグイシュー日本版』346号の特集は「歴史を変えた米や野菜たち-食の原点2」。
世界史をも変えてきた植物たちについて、植物学者の稲垣栄洋さんに話を聞いた。

346号の特集で確かめたいポイント
  • 植物と人間の「共進化」の歴史
  • コメやトウモロコシなどの「種子の部分」を食べるのは、植物にとって不自然な形?
  • ヨーロッパ人は「狩猟民族」は誤り?
  • 「パンがないならケーキを食べれば」で有名なマリー・アントワネットは、人々が飢えないよう、ジャガイモの普及に奔走していた?
  • トウガラシは「辛い」のではなく、「痛い」。痛みを抑えるために脳内モルヒネが分泌されて病みつきになる?


また、世界で栽培されている作物の上位6種は、トウモロコシ、コムギ、イネ、ジャガイモ、ダイズ、トマトだという。トウガラシやタマネギ、ナスなども各国で愛されている。これらの野菜はそれぞれの国や地方の食文化に合わせて料理され、親しまれてきた。

しかし私たちは、日々の生活で様々な野菜を美味しく採れているだろうか。

イネ、ダイズ、トウガラシを使った日本の料理の例だと、鶏ごぼうきんぴら&ごはんに煮なす。納豆のはさみ焼き、豆腐の塩辛いためなど…。これらはすべて料理研究家の枝元なほみさんのレシピで、ビッグイシュー日本版に連載の「世界一あたたかい人生レシピ」で過去に登場したものだ。

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鶏ごぼうきんぴら&ごはん(297号)、煮ナス(344号)、納豆のはさみ焼き(300号)、豆腐の塩辛いため(246号)(料理撮影:浅野カズヤ)

今回の特集に合わせて、各国で食べられているコメ、ジャガイモ、トマト、トウガラシ、 タマネギ、ナスなどの料理を紹介してもらっているのでぜひご覧いただきたい。

アメリカ・イタリアあたりの料理は多くの人になじみがあるかもしれないが、アイルランド・中国・エジプト・ブータン・インド・ブラジルの料理などは珍しいものがずらり。 「おいしい秋」の参考になれば幸いだ。

『ビッグイシュー日本版』346号ではそのほかにも、

・スペシャル企画:追悼 アレサ・フランクリン
・リレーインタビュー。私の分岐点:イラストレーター 伊野 孝行さん
・滝田明日香のケニア便り:パイロット免許取得し、飛行機も購入!“ ヌーの大移動”の密猟シーズン、追跡犬が大活躍
・ホームレス人生相談 × 枝元なほみの悩みに効く料理:「マイナス思考の母と話をするのがしんどい」という相談に、小エビのわさびマヨあえ& イカの明太あえ

など、盛りだくさんです。ぜひ、路上にてお買い求めください。
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「食の原点」特集に興味がある人にオススメの映画

映画『よみがえりのレシピ』予告編
絶滅寸前の「在来作物」を、ほんのわずかな人々が助け出し、素晴らしい料理になっていく。 食べることが大好きな方にぜひ見ていただきたい映画。


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