偶数月のとある日曜の朝、電車に乗ってニヤける理由。8年目の「ビッグイシュートレイン」

関東エリアでビッグイシューを購入いただいている方のなかには、「ビッグイシュートレイン」という活動をご存知の方もいらっしゃるかもしれません。

「ビッグイシュートレイン」とは2010年に始まった有志の活動で、「偶数月の『ビッグイシュー日本版』の15日号が発売された次の日曜日に、ビッグイシューを持って山手線外回り・池袋発10:01の電車に乗る」というもの。

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今回はすでに8年目を迎えた「ビッグイシュートレイン」の主催者にお話を伺いました。

きっかけは「とある講義で『ビッグイシュー日本版を知り、講義仲間と盛り上がって」

主催者の方はとても穏やかで優しそうな雰囲気の方。英国版ビッグイシューがあることはかなり前からご存じだったそうなのですが、日本版のことは知らずに過ごしていたところ、とある講義で有限会社ビッグイシュー日本共同代表の佐野章二が登壇。そこではじめて雑誌『ビッグイシュー日本版』の存在を知ります。

その講義に出ていた仲間と話しているうちに、「電車でみんながビッグイシューを黙って読んでるってどうだろう」というアイデアが飛び出し、仲間が盛り上げ上手だったことからあっという間に第1回が開催されたそうです。

初回にはラジオに広報担当が出演するなど話題になり、初期の頃は参加者がかなり多くて1両がビッグイシュー読者だらけになって焦ってしまったこともあるそう。


 ビッグイシュー・トレインブログより

当時よりも雑誌を読む人が減っているので、2018年の今、この状態になるとかなり目立つかもしれません…。

ビッグイシュー・トレインブログより

この様子はビッグイシュースコットランドにて記事にもなったとのこと。「ビッグイシューのフラッシュモブ」なんですね。

ビッグイシュー・トレインブログより

当時は「大阪の環状線でもやっていいですか?」と質問を受けたりすることもあったそうです。主催者の方は「自由でゆるい活動なので、皆さん、どうぞ、ご自由に」というスタンスだそう。

東京でのルールはいたってシンプルで

1. ビッグイシュー日本版を購入

2. 山手線外回り、5両目に乗る(原則10時01分池袋発)

3. 電車でビッグイシューを読む

の3つだけ。必ずしも池袋から乗らなければならないことはなく、10時01分池袋発の外回り電車であれば、一周のうちにどこから乗っても、どこで降りても自由というゆるやかな活動です。

編集部は今回秋葉原から乗車し、高田馬場で下車。

乗る前に「すでに乗ってるかな。電車間違えていないかな」というドキドキは、中高生の時の甘酢っぱい気持ちに少し似ているかもしれません…。

最近は参加者がいたり、いなかったり。それでも続ける理由とは?

初期はかなり盛り上がった様子のビッグイシュートレインですが、最近は参加者が数人いることもあれば、いないこともあるとのこと。


 確かにこの日は主催者の方だけでした。(手前は編集部メンバー)

(しかもお連れ様は「ビッグイシューを忘れた」とのこと…気負っていません!笑)

それでも主催者の方は「2カ月に1回、日曜の朝に山手線に乗る、という予定に合わせて買い物の予定を入れちゃうとかなので、全然負担じゃないんですよね。私自身、乗ってすぐ降りちゃうこともありますし。」とまったく気負いがない様子でした。

「にしても、よく続いていますね!」との編集部の質問にも「いやー、ビッグイシューが好きですし、特に何か負担なわけでもないので、辞める理由も特にないんです」と穏やかに微笑まれておりました。

「頑張りすぎない」のが長続きの秘訣なのかもしれません。

老若男女、誰でも参加OK

特に予告なくフラッと乗ってフラっと降りるだけの気軽な活動なので、老若男女いろんな方がランダムに参加しているそう。お互いにビッグイシューを持っているとわかっていても「知らんぷり」していることが多いそうなので、シャイな方でも気軽に参加できます。

次回は2018年6月17日(日)。
これからも細々と続けるとのことだったので、お出かけの際のついでや、ちょっとニヤリとしたい日曜の過ごし方としていかがでしょうか。

日曜は都合が悪い、山手線には乗れない、という方は、自分の好きな時に好きな線でトライしてみるのもいいかもしれません。