(2011年4月15日発売、THE BIG ISSUE JAPAN 第165号より)




Sekaitanshin logo2012




ドイツ、ロマ人の児童がベルリンで急増



ベルリン・ノイケルン地区の小学校で最近、ロマ人の子どもの数が急激に増え、学校側は受け入れに苦慮している。




子どものほとんどはブルガリアやルーマニアからの移民。

現在、ノイケルン地区の小学校に在籍しているロマ人の子どもは548人にのぼるが、そのうち120人はこれまで学校に通ったことがなく、213人はまったくドイツ語を話すことができないという。学校側はドイツ語の補習授業などを行うために、ベルリン市に対して教職員の増員を要求している。




ロマ人は、同系集団であるシンティ人と共に「ジプシー」「ツィゴイナー」などの蔑称で呼ばれてきた自分の国をもたない民族で、ヨーロッパ各地に1200万人がいるとされている。

その多くが、根強い差別と貧困の下で生きているため、教育や就労の機会を得られずにいるケースが多い。ドイツでは過去にナチス政権下で、ユダヤ人と同様に迫害を受け虐殺された歴史がある。

ノイケルン地区の小学校校長を務めるシュッツマンさんは「ロマ人の子どもたちは概して内気ですが、学習意欲のある子が多い」と述べている。

(見市知/参照:Berliner Zeitung)